豊田真由子議員と元秘書へのパワハラ問題
豊田真由子議員のパワハラ問題
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東大法学部卒のエリート官僚から政界に転身
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数々の政務官を歴任する「安倍チルドレン」
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元秘書毛へのパワハラが露見し政界引退
豊田真由子議員は東大法学部卒のエリート官僚から政界に転身し、数々の政務官を歴任するなど「安倍チルドレン」として華々しい経歴を誇っていました。 ところが元秘書に対する「パワハラ問題」が露見すると、自民党を離党せざるを得なくなり無所属で出馬した衆議院銀選挙にも敗れ、現在では政界からも身を引いています。
豊田真由子議員の経歴
（画像：Unsplash）
豊田真由子議員といえば元秘書に対する「パワハラ問題」ばかりが先行してしまい、これまでの経歴についてはあまり知られていません。 しかし豊田議員の力量を高く評価していた人も多く、政界引退を惜しむ声も少なくないことから、かつては政界のエリートとして将来を嘱望されていた彼女の華々しい経歴について解説します。
東大法学部とハーバード大学大学院を卒業したエリート
豊田真由子議員は3人姉妹の次女として、1974年に千葉県舩橋市で進学塾を経営する両親のもとに生まれました。 小学校は地元の船橋市立法典東小学校に通いますが、中学・高校は名門「桜蔭中学校・高等学校」に進学します。その後、現役で東大文科一類に合格し、法学部第2類において政治学を学びます。 東大卒業後は現在の厚生労働省に入省（1997年）すると2000年にはハーバード大学大学院へ留学し、2002年には修士号を取得して帰国しました。
厚生労働省で官僚として働く
豊田真由子議員はハーバード大学大学院への留学から厚生労働省に戻ると、社会福祉や保健に関する業務を行う社会・援護局や健康局で勤務することになりました。 さらに2003年からは金融庁総務企画局保険企画室課長補佐に昇進し、その後は在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の一等書記官などの要職を歴任します。 とりわけ東日本本大震災の発生時には、被災者の避難先や仮設住宅等における高齢者福祉政策等を担当しており、この時の経験が政界への転身のきっかけとなるのです。
衆議院議員となる
豊田真由子議員は厚労省時代に経験した東日本大震災において、当時の民主党政権の対応に強く疑念を抱き、政治家になる決心を固めます。 厚生労働省を退官した豊田議員は自民党埼玉県連の公募に合格し、第46回衆議院議員総選挙（2012年12月）では埼玉県第4区から出馬しました。 第46回衆院選は当時の民主党政権に愛想をつかしていた国民の票が一気に自民党に流れており、豊田議員もこの流れに乗り見事当選を果たすのです。
数々の政務官として活躍
衆議院議員となった豊田真由子議員は清和政策研究会に所属し、厚生労働副部会長などに任命され「安倍チルドレン」と呼ばれました。 さらに2014年の第47回衆議院議員選挙で再選を果たし、内閣府大臣政務官（東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当）、文部科学大臣政務官、復興大臣政務官など数々の政務官として活躍します。 また豊田議員は厚生労働省の官僚であったことから、政治家に仕える官僚の立場を理解していたことや、二児の母親の目線で子育てや社会福祉の充実を掲げるなど地元埼玉でも好評を得ていました。
秘書に対する暴言、暴行が問題となり政界を引退
政治家として順風満帆な道のりを歩んでいた豊田真由子議員ですが、「週刊新潮」（2017年6月22日発売）に秘書に対する暴言、暴行に関する記事が掲載されると事態が急変しました。 元秘書が記録していた豊田議員の肉声が入った音声データは動かぬ証拠となり、豊田議員は即日に自民党に離党届を提出します。 自民党を離党した豊田議員は同年10月の第48回衆議院議員総選挙に無所属で出馬しましたが、前回の得票数の4分の１にまで票を落として落選すると政界を引退することになるのです。
豊田真由子議員の秘書へのパワハラ問題
（画像：Unsplash）
豊田真由子議員は数々の政務官を歴任し自民党内での評判も上々でしたが、秘書へのパワハラ問題が露呈すると一気に信用を失い離党に追い込まれます。 さらに無所属で三度目の衆院選に出馬しましたが落選してしまい、政界を引退することになりました。これほど豊田議員を追い詰めたパワハラ問題が、どういった内容だったのかを解説します。
歴代の秘書に対し暴言・暴行を加えていた
豊田真由子議員のパワハラ問題については、2017年に告発された秘書に対するものだけではありません。歴代の秘書に対して暴言・暴行を加えていました。 その数は2012年の初当選時から2017年までの4年半で100人を超えるといわれており、永田町において悪評が尽きなかったのです。 そのため豊田議員の事務所は常に混乱しておりミスが起きやすい環境にありました。そしてミスが起きるたびに秘書がパワハラ被害に遭って辞めるといった悪循環に陥っていたのです。
元秘書の告発と録音の証拠で明るみに
豊田真由子議員の元秘書に対するパワハラが明るみになったのは、文春砲で知られる「週刊文春」2017年6月22日発売号に掲載された記事がきっかけでした。 記事だけであれば豊田議員も対応の仕方があったと思われますが、追い討ちをかけたのが元秘書が録音していた音声データがYouTubeの「デイリー新潮」で公開されたことです。 音声データには「このハゲー」など元秘書に対する聞くに耐えない罵声の数々が録音されており、動かぬ証拠として豊田議員の醜聞が世に晒される結果となりました。
議員辞職、そして離党
豊田真由子議員のパワハラ問題が発覚した2017年6月22日は東京都議会議員選挙の告示日（7月2日）直前の時間軸にありました。 そのため豊田議員は「週刊文春」の発売日に自民党本部に離党届を提出し、体調不良を理由に入院しますが、あくまでも議員辞職はしない意向を示します。 しかしながら事態を重く見た自民党埼玉県連合会は、離党が受理された時点で地元出身者等から公認候補を擁立することを決めました。
都議会議員選挙で落選し政界を引退
豊田真由子議員のパワハラ問題の直後に行われた東京都議会議員選挙において、自民党は57あった議席を23にまで減らしてしまう歴史的な大惨敗を喫してしまいました。 この歴史的大惨敗の責任が全て豊田議員にあるわけではありませんが、パワハラ問題が自民党を窮地に追い込んだのは事実です。 そして同年10月に行われた第48回衆議院議員選挙に無所属で挑んだ豊田議員は、自民党埼玉県連合会が擁立した候補に惨敗し政界を引退することとなりました。
豊田真由子議員は園遊会で職員とトラブルを起こした
（画像：Unsplash）
豊田真由子議員の醜聞はパワハラ問題だけではありません。それ以前にも宮内庁とトラブルを起こして自民党本部から厳重に注意されています。 事の発端は2014年4月17日に開催された「春の園遊会」です。豊田議員は招待者ではない自分の母親とともに入場しようとしたところ、宮内庁職員に断られました。 その際豊田議員は強引に母親と入場したばかりか、宮内庁職員に対して大声で恫喝したため、宮内庁は衆議院に対して厳重な抗議を行っているのです。
豊田真由子議員の現在
（画像：Unsplash）
豊田真由子議員はパワハラ問題発覚後も議員として政界に残ろうとしましたが、直後の都議会議員選挙及び自身の衆院議員選挙の惨敗により引退を余儀なくされたのです。 さらにパワハラ問題では元秘書が被害届を警察に提出するなど、豊田議員は八方塞がりの窮地に追い込まれました。ここでは豊田真由子議員の現在ついて紹介します。
元秘書への暴言・暴行問題は不起訴
豊田真由子議員のパワハラ被害に遭った元秘書は、2017年7月6日に埼玉県警に暴言・暴行を受けたことを記録する音声データや診断書を添えて被害届を提出しました。 被害届の提出を受けた埼玉県警は傷害・暴行容疑で捜査を行い、同年10月27日に豊田議員を書類送検します。 しかしパワハラ被害に遭った元秘書が埼玉地方検察庁に豊田議員に対して刑事罰を求めないよう「上申書」を提出したことにより、同年12月27日に不起訴となったのです。
入院生活の後、子供との時間を大切に生活している
豊田真由子議員はパワハラ問題が発覚した2017年6月22日からメンタルの不調を来たして、約１か月の入院生活に入りました。 当時豊田議員の子供は9歳の男の子と7歳の女の子でした。議員生活は多忙を極めますから、母親として十分に子供たちと接する時間がなかったことは容易に想像できます。 入院生活の後衆議院議員選挙に落選した豊田議員は政界を引退しますが、現在はこれまで以上に子供たちとの時間を大切に生活しているようです。
ボランティア活動に励んでいる
豊田議員は政界を引退したことで、表舞台からは一切姿を消し一般人として生活していますが、このことには後見人の存在が大きく影響しています。 パワハラ騒動が沈静化した後、千葉県の生コン販売会社「山一興産」の柳内光子社長が「政治に関わらない」「マスコミに出ない」ことを条件に、豊田議員の後見人となりました。 現在豊田議員は柳内社長が大切にしている福祉関連事業で働いており、ボランティア活動に励んでいるのです。
テレビ番組のバイキングに出演
新型コロナウイルス関連の専門家としてテレビ番組の「バイキング」や「直撃！シンソウ坂上」に豊田真由子議員が出演しました。 政界を引退して以来、公には姿を現さなかった豊田真由子議員に対してネット上では驚きの声が多く上がりました。 また胃炎とはイメージをガラッと変え、優しく落ち着いたイメージで出演していました。 今後ニュース番組等で専門家やコメンテーターとして活動していくことを予定している可能性は高いと言えるでしょう。
なぜ政界のエリートがパワハラを？
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豊田真由子議員がパワハラ行為に及んでしまった背景には、過度のストレスによるメンタルバランスの喪失が考えられます。 国会議員は極めて激務であるため、秘書の小さなミスや言動さえもストレスとして積み重なり、暴言・暴行といった行為につながったのでしょう。 加えて両親とも高学歴で姉妹も非常に優秀であることから「姉妹には負けたくない」との想いが人一倍強く、このこともストレスを過剰に蓄積させる原因になったといえます。
なくならないパワハラ
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豊田真由子議員の問題に限らず、さまざまな職場でパワハラの問題が顕在化しており、多くの人々がメンタル疾患に追い込まれるなど極めて深刻な状況です。 このため各企業においてはパワハラの撲滅に向けてあらゆる対策を講じています。ここでは、パワハラの具体的な事例や現状について紹介します。
電通事件
電通事件とは1991年及び1995年に長時間労働とパワハラが原因で電通社員が自殺に追い込まれた事件です。 1991年の電通事件では入社２年目の社員が長時間労働の強制に加えて、パワハラ被害に遭っていました。電通は遺族から訴えられ1億6800万円の損害賠償の支払いを命じられました。 1995年の電通事件も同じく新入社員（女性）が長時間労働を強制された上に、セクハラ・パワハラ被害に遭っており、その後の「働き方改革」論議にも大きな影響を与えています。
職場でのパワハラ
職場では暴言・暴行だけでなく「過度な要求」「過小な要求」などさまざまなパワハラ行為が横行しており、政府はその対策に乗り出しています。 厚生労働省ではパワハラを6つのパターンに分類し、今後は何がパワハラ行為にあたるのかを具体的に明示したガイドラインを作成する予定です。 さらに、政府は「働き方改革」関連法案においてパワハラを撲滅するための法案を準備しており、今後、パワハラ行為は「法律違反」として処罰されることになります。
まとめ
豊田真由子議員のパワハラ問題は、自民党内に大きな衝撃を与え、直後に行われた都議会銀選挙では大惨敗を喫します。 豊田議員の行為は決して許されるものではありません。今後は暴走する豊田議員のパワハラ行為をなぜ止められなかったのか検証して、このような事態が起きないよう対策を講ずることが大切です。
