\ 琉球風水志 シウマの占いページはこちら /

ベルンハルト作戦とはナチス・ドイツによる通貨贋作事件。世界各国に及ぼした影響とは?

もくじ

ベルンハルト作戦の概要

「ベルンハルト作戦」は、ドイツが起こした世界規模の事件です。 事件が起こった時代は戦時中にまでさかのぼりますが、実に興味深く、世界史を語る上では欠かせない事件であると言えるでしょう。「ベルンハルト作戦」の実態がどういったものであったのかについて紹介します。

時代は第二次世界大戦

「ベルンハルト作戦」は第二次世界大戦で決行されました。戦時中に実行され、1944年という終戦の年である1945年のたった1年前まで続行された作戦です。 「ベルンハルト作戦」は1942年から始まり、ベルンハルト・クリューガー大佐の名前を冠したことから「ベルンハルト作戦」と呼ばれるようになりました。

ナチス・ドイツによる通貨贋作事件

「ベルンハルト作戦」はナチス・ドイツによる通貨贋作事件です。戦時中、ナチス・ドイツが自国を優位に立たせるため、そして敵国として主にイギリスを陥れるために考えられた作戦でした。 作戦では、偽札の使用を促して経済の混乱を目論んでいたのですが、権利者の争いなどといった理由からそれは叶わず結局偽札をばらまくことはできずに終わりました。しかし、後述しますが、「ベルンハルト作戦」で作られた偽札は別の用途で使われることになりました。

ベルンハルト作戦の主導人物

「ベルンハルト作戦」を主導していた人物は、2人いると考えられています。 どちらもドイツ人であり、この作戦における重要人物です。この2人がいなければ「ベルンハルト作戦」がここまで大規模なものとして進められることはなかったでしょう。どういった人物であったかを知る必要があります。

アルフレート・ナウヨックス

「ベルンハルト作戦」を発案したのは、アルフレート・ナウヨックスという人物です。彼は「ベルンハルト作戦」以前にも暗殺や盗聴、偽装工作などを繰り返しており、スパイとしても有能でした。 ナチス党と親衛隊であるSSに入り、武闘派として活動するなどといった一面も持ち合わせるなど、戦争にひた走っていく時代においてのみ言えば評価される人物であったと言えるでしょう。

ベルンハルト・クリューガー

「ベルンハルト作戦」を実際に指揮・主導していたのは、ベルンハルト・クリューガーという人物です。彼はナチス・ドイツの親衛隊であるSSに所属していました。 ベルンハルト・クリューガーは大恐慌によって失業してしまい、その流れでナチスに入党しました。そして「ベルンハルト作戦」を指揮することになり、責任者となった時は1941年でした。

ベルンハルト作戦の経緯

「ベルンハルト作戦」はどのように進んでいったのでしょうか。その始まりから終わりまでを紹介していきます。 「ベルンハルト作戦」が終わりを迎えた経緯を理解することによって、何が起こっていたのかを知ることができるでしょう。ナチス・ドイツが何を目的としてこの作戦をおこなったのかを知る手掛かりとしてみてください。

主導は親衛隊情報部の国外諜報部門

「ベルンハルト作戦」を主導していたのはナチス・ドイツの親衛隊情報部の国外諜報部部門です。これは国家保安本部、SSと呼ばれる組織の一部です。 組織の長官はラインハルト・ハイドリヒという人物であり、彼の元で多くの組織の隊員が活動していました。国外諜報部門も、そのうちの一つでした。なので、「ベルンハルト作戦」もSSの統率化で行われたとも言えます。

贋造したのはユダヤ人技術者

「ベルンハルト作戦」において、偽札を贋造することになったのはユダヤ人技術者でした。ユダヤ人技術者は、ザクセン・ハウゼン強制収容所に集められてナチス・ドイツのために偽札を贋造することを強要されたのです。 ユダヤ人技術者には印刷に関する高い技術力がありました。そのため、ナチス・ドイツのターゲットとなったのです。偽札の贋造のために親族を殺害された人もいました。

贋造紙幣は様々な場面で使用された

贋造紙幣、つまり偽札はさまざまな場面で使用されました。イギリスの機密事項をドイツに売り渡したスパイに支払われた報酬は、すべてこの「ベルンハルト作戦」によって贋造された偽札でした。 ほかにも、イタリアのムッソリーニ救出にも役立てられたという活躍ぶりを見せたのがこの偽札です。偽札とはいえ、「ベルンハルト作戦」によって巨額が動いたということには間違いありません。第二次世界大戦において、この偽札はかなり大きな役割を果たしたのです。

1959年に週刊誌によって作戦が明るみに出た

「ベルンハルト作戦」は、1959年に週間誌である「シュテルン」によって明るみに出ました。ドイツは大戦に降伏するとともに偽札やそれに関する機密書類、印刷機などを木箱に入れてオーストリアのプリッツ湖に沈めましたが、それが発見されたのです。 「ベルンハルト作戦」はこうして終わりを迎えることとなり、偽札の存在と作戦の概要すべてが表沙汰になりました。

ベルンハルト作戦が世界各国に及ぼした影響

「ベルンハルト作戦」は世界各国に大きな影響を与えました。偽札の及ぼした効果は大きく、疑心暗鬼に陥る国も多かったのです。 ここでは、「ベルンハルト作戦」が主にどのような国に影響を与えたのかを詳しく紹介していきます。

イギリス

「ベルンハルト作戦」によってもっとも大きな影響を受けたのはイギリスです。この作戦によって偽のポンド紙幣が出回ってしまったため、ポンド紙幣への信頼は一気に引き下げられることとなってしまいました。そのため、ヨーロッパの間ではポンド紙幣に対する信用価値は限りなく低くなりました。 それだけではなく、国内においても5ポンド以上の紙幣には受け取りを拒否する事態が後を絶たず、戦後のイギリスの経済状況は一時的とはいえ混乱を極めました。

アメリカ

「ベルンハルト作戦」では、実際にアメリカに対しても偽札を作ることで混乱を招くという計画が練られていました。しかし、ドル紙幣を作ることが技術的な問題から不可能であったため、それはできませんでした。 しかし、「ベルンハルト作戦」において直接的な被害を受けなかったとしても、イギリスなどの大国が大打撃を受けた影響はアメリカにも及びました。

イスラエル

「ベルンハルト作戦」で贋造された偽札は、イスラエルでも使われました。解放されたユダヤ人が、イスラエルに逃げ延びるために使おうとしたのがこの偽札の一部です。 ほかにも、イギリス軍との戦いに備えた独立派が武器を調達するために「ベルンハルト作戦」によって作られた偽札を使いました。このように、イスラエルでは主にイギリスとの対立構造の間において偽札が利用されていました。

アルゼンチン

「ベルンハルト作戦」で作られた偽札は、ドイツからの亡命者を多く含むアルゼンチン軍の武器調達においても使われました。 また、1960年代から1670年代において行われた軍事弾圧での作戦資金としても使われたと言われており、アルゼンチンにおいては主に軍資金としての役割を果たしていたことがわかっています。

まとめ

「ベルンハルト作戦」は世界を巻き込んだ大規模な事件でした。このような事件の背景を知ることは、歴史を学ぶうえで欠かせないことでしょう。 当時の世界情勢、そして事件を起こした国の思惑を考えてみるとますます歴史の裏側が見えてくるので、ぜひ色々な視点から事件を考えてみてください。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

もくじ
閉じる