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豊田商事事件は金の現物まがい商法。豊田商事会長刺殺事件の黒幕や関係のある大手ゼネコンの噂とは?

もくじ

豊田商事事件とは

  • 高齢者に対して金の証券を販売した詐欺事件
  • 被害総額は2000億円を超える
  • 豊田商事の会長の永野一男は殺害された

「豊田商事事件」は1980年代前半に発生した詐欺事件です。豊田商事株式会社は悪徳商法による組織的詐欺を行い、多大な被害を及ぼしました。 ここでは、豊田商事が具体的にどのような詐欺を行ったのか、またどのくらいの被害の及ぼしたのかについて、解説していきます。

現物まがい商法を用いた詐欺事件

豊田商事が用いた詐欺手法は「現物まがい商法」です。「ペーパー商法」「オーナー商法」とも言われています。 「現物まがい商法」とは、顧客に商品を売りつけても、顧客がその商品の購入額以上の利益を得られるように商品の運用・管理を行うとして、現物は渡さず、証券等を交付する商法のことを言います。 豊田商事は高齢者を中心にして地金(金の塊)の所有権を売りつけましたが、実際に顧客に地金を渡すことはありませんでした。

被害総額は2000億円を超える

現物まがい商法を用いて、豊田商事は多くの人から金を騙し取りました。 被害は総額にして2000億円を超えると言われています。この金額は、2019年までに起こった詐欺事件としては日本最大規模です。 詐欺の被害者は全国で数万人にのぼりました。特に独居老人などの高齢者が騙されて大金を奪われ、老後のための貯金を失いました。

豊田商事事件の概要と経緯

豊田商事が2000億円以上の金を騙し取ることができたのは、実に巧妙な手口を用いたからです。 ここでは、大規模な詐欺事件「豊田商事事件」において、具体的にどのような手口を行ったのか、またどうして多くの人が騙されてしまったのかについて、解説していきます。

当時金の市場は盛んで国民も金に注目していた

「豊田商事事件」が発生した当時の日本では、金(きん)に対する国民の注目が非常に集まっていました。 1981年には、日本国内における金輸入量は史上最高を記録しました。その影響で、私設の先物取引市場が急増し、密に金を取引する業者が後を絶たず、社会問題になっていました。 豊田商事の前身である大阪豊田商事も、そんな私設市場で先物取引を行っていた業者でした。

高齢者と関係性を構築し地金の販売を行った

「豊田商事事件」において、最も被害を受けたのは高齢者でした。特に身寄りがいない独居老人が狙われたといいます。 豊田商事は電話で高齢者を無差別に勧誘し、「絶好のカモ」だと判断した高齢者を訪問します。本当の子どものように身辺の世話をするなどして、高齢者と関係性を構築し、相手の信頼を得ました。その上で高齢者に悪質な契約を結ばせ、実体のない地金の所有権を売りつけたのです。

金の現物ではなく金を証券化して販売していた

豊田商事は地金を買った顧客に対して金の現物ではなく、証券を渡していました。 つまり、地金購入の契約を結んだ後、金の現物は会社が管理・運用し、その代わりに「純金ファミリー契約証券」という紙切れを顧客に送付するという形を取っていたのです。前述した「現物まがい商法」です。 そのため、顧客はきちんと現物を買ったのか確認できず、「証券」という名の紙切れしか手元に残りませんでした。

自動車メーカーのトヨタの関連会社と勘違いされ信用が高かった

豊田商事は顧客の信頼を得るために、世界的に知名度がある自動車メーカーのトヨタの名を自社名に入れて、あたかもトヨタの関連会社かのように見せかけていました。 当然豊田商事とトヨタグループは一切関係ありませんが、被害を受けた顧客の中にはトヨタの関連会社と勘違いした人が多くいました。 ちなみに、トヨタを盗用した理由は豊田商事会長永野一男の最初の就職先がトヨタグループだったためと言われています。

テレビCMも打っていたことでも信用が高かった

豊田商事は顧客の信頼を得るための手段として、テレビCMを多数放映していました。また、著名な芸能人を起用したイベントの主催を行うなどして、知名度の向上を図っていました。 豊田商事のCMに出演した芸能人の中には有名女性歌手もおり、彼女のデビュー曲がコマーシャルソングに採用されます。また、販促イベントには大物演歌歌手や俳優などの著名人も出演していました。 このように、CMや芸能人の多用によって信頼を得ていたのです。

豊田商事の会長は永野一男

豊田商事では永野一男と言う男が会長を務めており、組織的詐欺の実質的な首謀者でした。しかし、永野一男はマスコミのカメラの前で飯田篤郎と矢野正計という2人の実行犯の手で殺されてしまいました。 ここでは、永野一男が殺されるに至った具体的な経緯と実行犯たちに関して説明します。

マスコミの前で殺害される

1985年6月、大阪市北区の永野一男の自宅マンションの玄関前には、永野一男の逮捕の瞬間を狙ったマスコミが多く集まっていました。 その日、一部被害者の元上司である飯田篤郎と矢野正計が永野一男の自宅に侵入し、永野一男の全身13箇所を銃剣で刺します。その後、永野一男は病院で死亡しました。 その様子を目の前にいたマスコミが生放送していましたが、誰も止めようとはしなかったそうです。

犯人は飯田篤郎と矢野正計

実行犯は飯田篤郎と矢野正計であり、一部の被害者の上司でした。 2人は永野一男のマンションに侵入して何度も刺した後、マンションを出て自分が犯人だとマスコミに語り、そのまま警察が逮捕しました。その後は裁判を受けて、飯田篤郎と矢野正計の2人に対して、それぞれ懲役10年・8年の実刑判決が出ました。 2人が永野一男を惨殺した時の映像はNHKや民放で中継され、国内外で大きな反響を呼びました。

豊田商事事件と大手ゼネコンの熊谷組の関係

豊田商事事件と大手ゼネコンの熊谷組には何らかの関係があったと言われています。具体的には、豊田商事が仙台のゴルフ場建設を熊谷組に依頼して、工事代金を支払ったとのことです。 しかし、組織的詐欺によって警察に捜査されている豊田商事から、工事代金とは言え、資金を受け取ったとなれば、共犯だと疑われる可能性が高いため、その工事代金を全額返金してしまったと言われています。

豊田商事事件に類似する現物まがい商法事件の数々

ケフィア事業振興会

ケフィア事業振興会は主に高齢者を対象に加工食品のオーナー権利を販売し利回りで収益が出ると謳っていました。 しかし実際は利回りは出ず高齢者から募った1000億円以上が返済不可能となり破綻、さらには出資法違反で経営者が逮捕されました。

安愚楽牧場

安愚楽牧場では和牛預託商法と呼ばれる和牛のオーナーとなりその和牛の出荷時に配当金が得られるというもので商材は異なるもののケフィア事業振興会や豊田商事の事例とほぼ同じものです。 牛の飼育数に虚偽の数字を用いており、東日本大震災を契機に契約解除が相次ぎ返済が不可能となり破綻、経営者は逮捕となりました。

ジー・オーグループ

ジー・オーグループによる商法も豊田商事の事例と酷似しています。 ジー・オーグループの場合は通信販売の広告費を募り、それにより売れた商品の数に応じて報酬が支払われるという商法でした。 ジー・オーグループは実際は通信販売は行っておらず完全な詐欺であることがのちに発覚しました。

まとめ

「豊田商事事件」では、豊田商事が詐欺によって多くの人々からお金を騙し取っただけでなく、会長がマスコミの前で刺殺されるなど、国内外に大きな衝撃を与えました。 現代でも形を変えて組織的詐欺を行う団体は少なからず存在しますが、美味しすぎる案件は必ず疑ってかかることが必要です。 これ以上悪徳商法の被害に会う人々が少なくなることを切に願います。

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