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戸塚宏氏が運営する戸塚ヨットスクールで起きた訓練生の死亡事件の数々。体罰は教育なのか?

もくじ

1分でわかる戸塚ヨットスクール事件

  • スクールでの暴行によって複数の訓練生が死亡した事件
  • 戸塚宏校長やコーチらは逮捕・有罪判決
  • 戸塚宏校長は出所後も校長に復帰し、以前と同様な体罰による更生を実施

戸塚ヨットスクールとは

戸塚ヨットスクール事件は現在においても体罰と教育の境について様々な議論を呼び起こす契機となっています。まずはこの暴行事件を起こした戸塚ヨットスクールとは何だったのか、またこの暴行を正当化した人物やその思想は何だったのか見てみましょう。

元は通常のヨットスクールだった

戸塚ヨットスクールはもともとヨットの航海技術を教える一般的なヨットスクールでした。 戸塚ヨットスクールは1976年戸塚宏(とつかひろし)によって愛知県美浜町に開校されました。 戸塚宏は名古屋大学ヨット部の主将として活動をおこなっており、1975年には「太平洋-沖縄・単独横断レース」で堀江謙一氏らを破って優勝しています。

素行に問題のある訓練生が更生したことをきっかけに問題児の更生施設となった

戸塚ヨットスクールは開校後暫くして、スクールのプログラムが不登校の子供の状況を改善したり、素行に問題のある子供の更生に効果がある旨マスコミで取り上げられるようになりました。 これを受け戸塚宏校長は戸塚ヨットスクールの活動方針を一変させ、スクールを通常のヨットスクールから子供の不登校や引きこもりなどの生活指導を重点的に実施する、いわゆる更生施設へシフトさせました。 子供の扱いに困った親から戸塚ヨットスクールに預けられる生徒が増加し、当時戸塚宏校長は教育界のカリスマとしてマスコミでも持ち上げられました。

脳幹論

戸塚宏は「青少年の問題行動は、脳幹の機能低下により引き起こされる」とする脳幹論を唱えています。 「現代の子供は人間の脳で最も重要な脳幹が十分に鍛えられないで成長するため様々な問題を引き起こす」とする考え方で、苦しいトレーニングでこれを是正することができると主張しています。 しかしながら戸塚宏は脳科学者でもなければ医学者でもありません。脳幹論に科学的な根拠はありません。根拠のない理論に基づいて生徒に過度なトレーニングを課すことは極めて危険だといわざるを得ません。

戸塚ヨットスクール事件の概要

戸塚ヨットスクールでは生活指導の名目で過酷な体罰が訓練生に課せられ、これによって多くの犠牲者が出てしまいました。複数の死亡者まで出てしまった戸塚ヨットスクール事件はどのようにして起こったのか、その実態を見てみましょう。

戸塚ヨットスクールの訓練生が相次いで死亡した事件

戸塚ヨットスクール事件は訓練生がコーチの暴行を受け、複数の訓練生が相次いで死亡・行方不明になった事件です。 事件は1979年から1982年に掛けて起こりました。訓練生の死亡が明らかになった当初、警察は行き過ぎた体罰による事故と考えていました。 しかしながら遺体には複数の打撲や内出血が認められ、歯の損傷などもあったため捜査が行われ、やがて組織全体として行われていた犯罪行為であることが判明しました。

訓練生に対してコーチから体罰が与えられていた

訓練生にはトレーニングの名の下にコーチによって執拗な暴行が行われていました。 当時13歳の少年は腹痛をおして強行された訓練で暴行を受けたため死亡しました。当時12歳の2名の少年は暴行の恐怖から逃れようと訓練のため乗っていた船から海に飛び降り行方がわからなくなり、その後死亡が確認されました。 ほかにも繰り返される暴行のため食事もとれなくなった少年がいっさいの治療を受けることなく死亡するなど、コーチによる過剰な体罰を要因とする死亡事故が相次ぎました。 これだけ多くの死者が出るということは作為性があることを疑わざるを得ません。

戸塚ヨットスクール事件の裁判

警察による捜査によって戸塚ヨットスクールの組織的な訓練生に対する体罰などの犯罪行為が明らかとなり、戸塚宏校長らは逮捕され裁判を受けることになりました。ここでは戸塚宏校長らが裁判によってどのように判断されたのか、判決内容を踏まえて戸塚ヨットスクール側の意見にも焦点を当てて考察します。

校長の戸塚宏やコーチなど15人に対し有罪判決が下された

最終的に戸塚宏校長やコーチなど15名には裁判の結果有罪判決が言い渡されました。 第一審の名古屋地裁は戸塚宏校長らの傷害致死罪には該当するとしたものの、訓練には教育や治療の目的があったことを認め、戸塚宏校長は懲役3年・施行猶予3年、コーチらは懲役1年6ヶ月から2年6ヶ月・執行猶予2年から3年としました。 双方が控訴したため行われた第二審の名古屋高裁では訓練に教育や治療の目的を認めず一審判決を破棄し、戸塚宏校長らに実刑判決を言い渡しました。その後最高裁で上告が棄却され戸塚宏校長らの実刑判決が確定しました。

罪名は傷害致死罪や監禁致死罪

暴行によって訓練生を死に至らしめた戸塚宏校長やコーチらには傷害致死罪が科させました。 少年2名を暴行から逃れるため海に飛び込ませた結果死亡に至らしめた罪としては監禁致死罪が適用されました。 なお強制わいせつ罪で起訴されたコーチもいましたが、これについては無罪となっています。

戸塚ヨットスクールの主張:死亡したのは事故。体罰は教育。

裁判を通じて戸塚ヨットスクール側は「体罰は教育」との主張を一貫して行いました。 訓練生の死亡と体罰の因果関係はなく、訓練生の死亡は事故であるとも主張しました。弁護人も戸塚ヨットスクールの行為は正当業務行為であると主張しました。 これらの主張は裁判によって全て退けられましたが、戸塚宏は出所後も自身の考えを変えてず、現在も独自の教育論を展開しています。

戸塚ヨットスクールは現在も存続している

戸塚ヨットスクールや戸塚宏は今でも生徒を集め昔とさほど変わらない運営体制で存続しています。かつて戸塚宏が展開した体罰に基づく教育論についてどのような持論を展開するのか。ここではその後の戸塚ヨットスクールや戸塚宏を追います。

戸塚宏が出所

2006年4月戸塚宏は満期で静岡刑務所を出所しました。 戸塚宏は仮釈放が認められましたが、それを受けると自分の罪を認めたことになるという理由で仮釈放を断ったそうです。 戸塚宏は出所後戸塚ヨットスクールの校長に復帰しています。テレビ番組に出演し、相変わらずの恐怖や怒りに基づく教育論を語り、戸塚ヨットスクール事件を知らない視聴者からは「あまりにも時代錯誤」と驚きの声が寄せられています。

スクールの方針は今でも変わっていない

戸塚宏校長の戸塚ヨットスクールにおける方針は現在も基本的に事件以前と変わっていないようです。 記者会見では「体罰は教育。正しい教育論がないから教育荒廃が起こる。」と語り、スクールでは「罰があるから行動が律される」との考えに方に基づいて、体罰による更生を続けています。 戸塚宏校長は「ダメな人は幼児教育が失敗している。」と述べ、最近は幼児期の子供の教育に力を入れているようです。

スクールは現在でも自殺などの事件が起きている

戸塚ヨットスクールでは現在も訓練生などの死亡が起こっています。 2006年には訓練生の男性が水死体で発見されています。遺体に外傷はなく、男性はうつ病で通院中であったことから自殺とされています。 2009年から2012年にかけて3名の男女がスクールから飛び降りて死亡又は重傷を負っています。

体罰は教育なのか?

体罰と教育との関係をどのように考えるかは古くて新しいテーマです。かつてスパルタ教育の名の下に体罰が正当化された時代がありました。 古今東西を通じて普遍的に正しいことはありません。線引きは時代や国によって変化するという主張もまた一面の真理を言い当てています。 体罰を受けるのは基本的に子供です。大人側の思い込みではなく、一人一人異なる感受性を持つ子供達の身になって体罰と教育の問題も考える必要があるのかもしれません。

厚生労働省から体罰に関する指針が発表された

体罰に関して国は指針の案をとりまとめ、検討会で了解されました。 案では体罰の定義を目的によらず「苦痛や不快感を引き起こす行為」とし、具体的な例として長い間の正座や頬をたたくことなどをあげています。 案は意見公募を経て今年度内に正式な指針の形としてとりまとめられることとなっています。

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