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サザエさんバス事件を解説!立川バスに対し著作権侵害を訴えた事件!

もくじ

サザエさんバス事件の概要

サザエさんバス事件とは、1970年に起こった日本初の著作権をめぐって争われた事件です。サザエさんの作者である長谷川町子氏が、サザエさんのキャラクターを無断使用したとして立川バスを訴えました。 近年でも任天堂の許可を取らずに株式会社マリカーが公道でカートを走らせたりと著作権に関する事件が頻発しています。サザエさんバス事件は、日本に著作権の意識を芽生えさせたものでもあるとも言えます。

サザエさんバス事件の経緯

立川バスがサザエさんのイラストを無断使用したことがことの発端でその約20年後に長谷川町子氏が立川バスを訴えました。 裁判の結果、長谷川町子氏の勝訴となりました。

立川バスが1951年にサザエさんのイラストを使用

1951年、立川バスがサザエさんのイラストを車体に使用しました。サザエ、カツオ、ワカメの3人の顔が描かれ、イラストの下には「サザエさん」との表記もありました。以後20年以上に渡って立川バスはサザエさんのイラストを使用し続けました。 今なら大問題ですが、当時は著作権という考え方が浸透しておらずキャラクターの無断使用が横行していました。立川バスも「サザエさんには何の迷惑をかけていないのになぜ悪いのか」という意識だったのでしょう。 しかし、この事件をきっかけに著作権がどういうものであるのかということが世間に広まっていきます。

1970年に長谷川町子氏が使用差し止め請求

キャラクターの無断使用にストップをかけたのがサザエさんの作者である長谷川町子氏です。立川バスがサザエさんのイラストを使用してから実に20年以上が経過していたため、「なぜ今になって」というように世間からは驚きの目を向けられていたとのことです。 長谷川町子氏は著作権の侵害にあたるとし、使用差し止めを立川バスに求めました。しかし、前述したように当時は著作権への意識が一般的ではなかったので、立川バスも争う姿勢を見せます。 そして民事訴訟に発展し、裁判で争われることとなりました。

1975年に裁判の末長谷川町子氏が勝訴

1975年、5年に渡る裁判の末に長谷川町子氏の勝訴となりました。 東京地方裁判所はサザエさんが著作権で守られるべきとし、立川バスに損害賠償金の支払いを求めました。当時の判決について詳しくは後述しますが、損害賠償金は非常に高額でした。しかし、立川バスは控訴することなく支払いに応じています。 この判決は、当時の芸術家たちにとって画期的なものでした。この事件をきっかけに人々の著作権への意識が高まり、作者が自分の作品を守っていくために必要な法律だという認識が生まれたのです。

サザエさんバス事件の裁判

当時横行していたキャラクターの無断使用の是非について問う裁判となり、長谷川町子氏の勝訴は今に渡って影響を及ぼしています。 当時、誰もが立川バスが勝つと考えていたこともあり、この裁判の結果は人々に大きな驚きをもたらしました。

判決

東京地方裁判所は原告である長谷川町子氏の勝訴を言い渡しました。 立川バスは損害賠償金として約1825万円を長谷川氏に支払うこと、裁判開始から終了までの5年分の金利の支払いまでも命じられました。昭和後期の当時では信じられないほど多額の賠償金額です。 以降著作権に関する争いの際には、サザエさん事件が参考となりました。大衆の間でもキャラクターの無断使用への危険意識が高まるきっかけになった判決です。

争点

裁判の争点になったのは著作権です。 立川バスに描かれたサザエさんが著作権の侵害にあたるのかどうかが最大の争点となりました。サザエさんが長谷川町子氏の「著作物」であるということにまでは言及されなかったものの、「立川バスに描かれたイラストはサザエさんのキャラクターを模している」という判決が下り、著作権の侵害が認められる形となりました。 サザエさんのキャラクターは著作権法で保護されるべきで、無断利用は許されないという結論となりました。

立川バス

立川バスは1929年に創業し、今も走行している老舗のバス会社です。路線バスだけでなく酵高速バス事業なども行い、サザエさんバス事件のきっかけとなったのは観光バスでした。「サザエさんのキャラクターとともに東京都内を観光する」という名目で人気を集め、長谷川氏から訴えが上がるまでの約20年間走行していました。 立川バスは損害賠償金に応じ、事件後は法律を守る形でキャラクターとのタイアップをしています。2007年には「リラックマ」のラッピングバス、2013年には「すみっこぐらし」のキャラクターで装飾されたバスが運行していました。

まとめ

サザエさんバス事件はサザエさんのキャラクターの無断使用に対して、作者の長谷川町子氏が使用差し止め請求をした事件です。 東京地裁は「著作権法でキャラクターは守られるべき」というもっともな判決を言い渡しました。著作権については現在でも争いが絶えません。作者の権利を守るためにも著作権についてよく知り、無断使用など著作権違反をしないよう気をつけましょう。

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