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マックスヘッドルーム事件は最も有名な電波ジャック事件。誰が何の目的で犯行に及んだのか。

もくじ

1分でわかるマックスヘッドルーム事件

  • アメリカで起きた未解決の電波ジャック事件
  • SF番組の人物、マックス・ヘッドルームを模していた
  • 犯人はわかっておらず、いまだに真相不明

マックスヘッドルーム事件の概要

事件が発生したのは1987年11月22日です。その日、シカゴトリビューン(アメリカの主要新聞)系列のテレビ番組が、1日のうちに2度も電波ジャックされるという前代未聞の事件が発生しました。事件への反響は凄まじく、全米で話題となったほどです。

シカゴのWGN-TVのニュース番組で起きた電波ジャック事件

事件の被害にあったのは、シカゴトリビューン系列チャンネルの1つ、WGN-TVのニュース番組「The Nine O’Clock News」でした。午後9時14分、スポーツニュースを生放送していたこの番組で、1度目の電波ジャックが行われました。 約15秒の間、放送画面暗転が暗転し、その後に謎の男が映り込みます。謎の男はなぜか当時人気だったSF番組のキャラクターの格好をしていたことから、そのキャラクターにちなんでマックスヘッドルーム事件と呼ばれるようになりました。 WGN-TVの技術者が放送の周波数を変えて対応したことで、1度目の電波ジャックは15秒ほどで終了しました。

マックス・ヘッドルームの格好の男の謎の言動

マックス・ヘッドルームの格好をした謎の男は、映像で前後左右に体を揺すり、意味不明な発言を繰り返します。 電波ジャック1度目の映像は奇妙な動きとノイズだけでしたが、2度目では加工された音声も流れました。加工音声は非常に聞き取りづらい音質で、当時のCMやキャッチフレーズのパロディ、有名人を揶揄する内容でした。 最後にメイド服の女性に尻叩きされる男の場面が映り、電波ジャックは終わります。

約3時間の間に2度電波ジャックが行われた

1度目の電波ジャックから約3時間後、午後11時45分に2度目の電波ジャックが行われました。 2度目に被害にあったのはシカゴトリビューン系列チャンネルのWTTWです。世界最長のSFドラマ「ドクター・フー」放送中に起こりました。 この犯行では約90秒間も映像が流れたこと、約3時間の間に2度も同じ犯人が電波を乗っ取ったことなどから、テレビ史上最大最長の電波ジャックと言われています。

アメリカ全土で一大ニュースとなった

2度の電波ジャックは、全米中で大変な反響を呼びました。放送中、放送直後に放送局へ問い合わせが殺到し、ニュース速報が全米で流れたのです。 この電波ジャック事件は、アメリカの3大ネットワークと言われる大手放送局CBSでも取り上げられました。 この事件は放送関係者を混乱させたものの、大多数の視聴者にとっては他人事でした。そのため事件を面白がる人が数多く出たようです。

マックスヘッドルーム事件の謎

この事件はテレビ史上最大最長の電波ジャックとして有名ですが、多くの謎が残されています。なぜこんな事件を起こせたのか、いったい何が目的だったのか、多数の視聴者が違法放送を目撃したものの誰も理解出来ませんでした。

電波ジャックはそもそも可能なことなのか

電波ジャックとは、正確に言えば放送信号割り込み(Broadcast signal intrusion)という行為です。 電波ジャックはテレビやラジオなどの既存の放送周波数帯に割り込むことで行われますが、正規の電波を上回る強力な電波送信機が必要です。よほど強力な電波送信機がない限り、完全に放送を乗っ取ることは難しいと言われています。 つまり条件を満たす高度な送信機材さえ揃えられれば、電波ジャックは可能です。実際にマックスベッドルーム事件の前後にも、他の電波ジャック事件は起きています。

電波ジャックの意図が汲み取れない

マックスベッドルーム事件の一番の謎は、目的が完全に不明な点です。通常の電波ジャックであれば、愉快犯にしろ政治犯にしろ、なんらかのメッセージを読み取ることができます。 しかしこの事件ではその意図が見えません。マックス・ベッドルームの格好をした謎の男は、1度目の電波ジャックで踊るように体を動かし、2度目の電波ジャックでは意味不明な言動を見せただけです。 テレビ史上最大最長の電波ジャックにもかかわらず、何がしたかったのかわからないのが奇妙な謎となっています。

なぜマックスヘッドルームなのか

事件名の由来となった、マックス・ヘッドルームの仮装も謎の1つです。謎の男がこのような奇抜な姿をしていなければ、事件の注目度はもっと低かったかもしれません。 マックス・ヘッドルームのテレビドラマは、事件の発生した1987年から放映が始まり、劇中では違法テレビ局でショーを行う様子が描かれました。 事件は未解決なので本当の理由は謎ですが、電波ジャックを違法テレビ局の放送に見立てた可能性があります。意図不明なCMなどのパロディと同じく、仮装自体もパロディの1つだったというわけです。

マックスヘッドルーム事件の捜査と諸説

マックスベッドルーム事件は、アメリカの放送電波規制に違反しています。連邦通信委員会(FCC)と連邦捜査局(FBI)が捜査を担当しますが、結局犯人が捕まることはありませんでした。今も真犯人は不明なままですが、犯人像についてはいくつか仮説が立てられています。

局内の人間による犯行の説

連邦通信委員会と連邦捜査局は捜査によって、犯人の中に高度な専門知識を持つ者がいると判断しました。そこで犯人として考えられるのが、被害にあったテレビ局内部の人間です。捜査当局も当然その線を入念に調べたはずですが、逮捕者は出ませんでした。 シカゴのテレビ放送に詳しいクラシック・シカゴテレビ・ミュージアムのリッククライン氏は後に、独自見解としてテレビ関係者が犯人だと語っています。 リッククライン氏は当時の捜査で犯人が見つからなかったのは、犯人がテレビ局での仕事を失うことを恐れて、事件後も慎重に行動したためだろうと考えています。

電波関連に精通している者による犯行の説

連邦通信委員会と連邦捜査局は捜査開始後、マックスベッドルーム事件の犯人は専門技能を持った人間の可能性が高く、おそらく放送技術者だろうと目星をつけました。 当時のテレビ局はスタジオ送信機リンク(STL)という技術によって、高層ビルの受信アンテナを中継して放送していました。STLの放送に割り込むには、高出力の送信機の信号を受信アンテナに正確に浴びせる必要があります。 連邦通信委員会のマイケルマーカス博士によると、小型のテレビアンテナでも受信アンテナの至近距離で使用すれば、STLの周波数を上回る可能性があるそうです。犯人がどちらの方法を使ったにせよ、電波関連に精通した技術者であることは間違いないでしょう。

マックスヘッドルーム事件に類似の電波ジャック事件

マックスヘッドルーム事件と同じように、犯人の意図が不明確な電波ジャックは他にもあります。例えばキャプテン・ミッドナイト事件やワイオミング事件などは、類似した事件として引き合いに出されることが多いようです。

ワイオミング事件

ワイオミング事件は、アメリカのワイオミング州で起きたと言われている電波ジャック事件です。2004年頃にネット上で映像が公開されて、話題になりました。 映像はニュース番組の最中にノイズが発生し、「3333-3333-3333」の文字列とともに、意味深なメッセージと男性の頭部のアニメーションが交互に映る謎めいたものでした。 しかしこのワイオミング事件をテレビで目撃した証言はなく、いつどの放送局で発生した電波ジャックかも不明です。さらに2007年、制作者を名乗る人物がフェイク映像だと告白していることから、でっち上げである可能性が高いです。

キャプテン・ミッドナイト事件

事件が発生したのはベッドルーム事件の前年、1986年4月26日のことです。ケーブルテレビ局HBOが映画「コードネームはファルコン」の放送中に電波ジャックされ、カラーバーを背景とした謎のメッセージが映し出されました。 送り主はキャプテン・ミッドナイトと名乗ったことから、キャプテン・ミッドナイト事件と呼ばれています。メッセージはHBOの月額料金が高額だと指摘し、競合するケーブルテレビを推奨するメッセージが数分間流れました。 事件後、匿名の通報によって、フロリダ州に住むジョンマクドゥーガルが逮捕されています。動機はHBOの料金と放送内容に不満を持ったからのようです。

電波ジャック事件は未解決となることが多数

電波ジャックは事件の発生を事前に察知できないこと、放送に遠隔操作で割り込むことから、犯人の証拠が残りにくいです。 しかも政治的意図のない愉快犯が行った電波ジャックの場合となると、証拠どころか手がかりとなる情報すらほとんどありません。そのため電波ジャック事件は未解決に終わるケースが多いです。 昔は情報を伝える手段が、テレビやラジオなどに限られていました。現代ではインターネットを使って誰でも情報発信が可能なので、今後はテレビの電波ジャック事件が起こること自体なくなっていくかもしれません。

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