金屏風事件は近藤真彦と中森明菜の交際問題が発端で起きた事件。芸能界の闇に迫る。

• 中森明菜が金屏風の前で謝罪会見
• ジャニーズ事務所の陰謀説も
• 以後中森明菜は人気が低下し芸能活動を中止

金屏風事件はジャニーズに関する最大の事件とされています。様々な憶測を呼んだ事件で真相は未だ闇の中ですが、日本が生んだ歌姫の一人である中森明菜がこれを境に芸能界から遠ざけられたのは事実です。金屏風事件に結びついていった中森明菜の自殺未遂の経緯を探ります。

当時近藤真彦と中森明菜はともに人気絶頂でした。ジャニーズ事務所に所属する近藤真彦はたのきんトリオで一緒だった田原俊彦らとともに事務所の稼ぎ頭の一人でした。 中森明菜もヒット曲を量産しており、フアンも多く松田聖子と並ぶ人気者でした。 近藤真彦と中森明菜はツーショットで雑誌の表紙を飾りテレビの歌番組やバラエティ番組に共演し、結婚も間近と噂されていました。その交際は6年にも及ぶとされていました。

中森明菜は近藤真彦に多額のお金をつぎ込んでいたとの噂があります。その額は8,000万円とも1億円ともいわれています。 中森明菜に怪しげな投資話を持ちかけたのは当時近藤真彦のマネージャーだった男だといわれています。中森明菜がつぎ込んだお金は間に入った人間が全て使い込み、投資話は消えてしまったようです。 また当時近藤真彦はカーレーズにのめり込んでおり、多額の資金を必要としていました。中森明菜が二人の新居のために貯めていた資金を近藤真彦がこのカーレースのために使い込んでしまったとの情報もあります。

1989年2月暴露雑誌フライデーに近藤真彦と松田聖子の二人がニューヨークで密会しているとの情報が二人の写真とともに掲載されました。 当時松田聖子は神田正輝と結婚して娘を出産後渡米し、アメリカでの音楽活動に意欲を燃やしているところでした。 写真ではニューヨークのラウンジで二人が寄り添っているもので、「ニューヨーク密会」と報じられましたが、記事をよく読むと二人はたまたまニューヨークで会っただけで、決してスキャンダラスな内容ではありませんでしたが、真相は闇の中です。

中森明菜はスポットライトを浴びる華やかな姿とは全く異なる私生活を送っていたようです。事務所との関係でもトラブルが絶えず、家族ともお互いに信頼関係を失っていたとされています。 そのような中森明菜にトドメを刺したのがフライデーによる近藤真彦と松田聖子の密会報道だったとされています。当時中森明菜が唯一心を許し頼りにしていたのが近藤真彦で、その彼に裏切られた思いだったとされています。 彼女は1989年7月近藤真彦の部屋の浴室で自殺を図りました。重傷でしたが運び込まれた病院で6時間もの大手術の後、かろうじて一命をとりとめました。

金屏風は通常結婚会見などのおめでたい場で使われる小道具です。なぜ彼女の謝罪会見の場にこれが使われたのでしょうか。この不自然なシチュエーションは憶測を呼びました。そこにはある陰謀があったとされています。

金屏風が置かれた中森明菜の記者会見はジャニーズ事務所による陰謀だったとする説があります。 当時男性アイドルにとって女性関係はタブーでした。人気絶頂で事務所の稼ぎ頭であった近藤真彦の人気が低下することはジャニーズ事務所として何としても避けたかったと考えても不自然ではありません。 まもなく結婚かとうわされる近藤真彦と中森明菜の関係は事務所にとって好ましくなく、金屏風の会見は二人の仲を引き裂くための策略ではなかったかと噂されています。

中森明菜の金屏風会見を仕組んだのはジャニー喜多川の姉であるメリー喜多川ではないかといわれています。彼女は近藤真彦を格別にかわいがっていたとされています。 自殺未遂で表舞台から身を隠していた中森明菜を近藤真彦との結婚会見をすると嘘をついて誘い出し、メリー喜多川が会見前に中森明菜に近藤真彦とは何の関係もないと話すよう脅しをかけたと噂されています。 金屏風はそのための仕掛けだったという説です。同席した近藤真彦も二人の仲はよき友人にすぎない旨語りました。

中森明菜をトップスターに育て上げたのは研音でした。金屏風会見後中森明菜はその研音との契約を解除し、新事務所を設立しました。 新事務所設立には当時近藤真彦のマネージャーだった小杉理宇造も参画していました。この所属事務所移転騒動も実はメリー喜多川が仕掛けたとの噂があります。研音の悪口を中森明菜の吹き込み、彼女の不満の矛先をかわそうとしたという噂です。 小杉理宇造は中森明菜が新事務所で活動を開始する前に事務所を去ってしまい、彼女は一人取り残されてしまいました。

メリー喜多川による一連の中森明菜追い落とし作戦の真偽は定かではありません。ただ金屏風事件後中森明菜の人気は下降をたどり、次第に表舞台から去って行ったのは事実です。 近藤真彦との結婚会見とだましておびき出され、実は謝罪会見をさせられたというのはありそうな話ではありますが、一説では中森明菜の復帰会見を祝おうとしてホテル側が勝手に金屏風を用意したともいわれており、全ては藪の中です。 当時ジャニーズ事務所はあの手この手で芸能界の権力を手中に収めようとしており、金屏風事件もその文脈の中で語られることが多い事件です。

金屏風事件後近藤真彦と中森明菜の関係は報じられることが次第になくなり、二人の関係は終止符を打ったとされています。 中森明菜は一応2010年までディナーショーなどをしながら芸能活動を続けましたが、以後芸能活動を中止し渡米しています。 2014年のNHKの紅白歌合戦において中継でゲスト出演し話題になりましたが、その歌声はかつてのものとは比べようがないものでした。近藤真彦は1994年に一般女性と結婚しています。

ジャニーズ事務所の権力の凄まじさはSMAP解散騒動にも表れています。人気タレントを多く抱える芸能事務所はテレビ局に対して絶対的な権力を行使できます。意向に従わなければ所属のタレントを出演させないと圧力をかけることができます。これにマッタをかけたのが公正取引委員会でした。

2019年7月公正取引委員会がジャニーズ事務所に注意喚起したことが報じられました。ジャニーズ事務所が元SMAPの三人のメンバーを民法の番組に出演させないようにテレビ局に圧力をかけたことに対する注意喚起でした。 元SMAPの三人はジャニーズ事務所との契約を解除し、別の芸能事務所を設立していましたが、その後NHKを除いて三人がレギュラー出演する全ての番組が終了しています。 近年公正取引委員会はタレントなどのフリーランスに対しても独占禁止法を適用するようにしており、ジャニーズ事務所による民法への圧力を座視できないと考えたと思われます。

ジャニーズ事務所にとって人気タレントは虎の子であり、大事な金のなる木です。これらを失うことは事務所の存在意義をもなくしてしまいます。 したがってジャニーズ事務所は人気タレントを守るためには手段を問わず戦います。人気タレントの関係を取り沙汰された多くの女性が表舞台から消されたという噂が絶えないのはそのためです。 一方で事務所の意向に反して勝手な行動をとるタレントにも容赦しません。皆が後に続くと金のなる木を失ってしまうからです。見せしめと思えるような元SMAPの三人に対する仕打ちをみていると背筋が寒くなります。