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華城連続殺人事件ではイチュンジェによる残虐な強姦殺人が繰り返し発生。事件から分かる韓国社会の問題とは。

もくじ

1分でわかる華城連続殺人事件

  • 1986年から1991年の5年間に10人の女性が強姦・殺害された
  • 連続強姦殺人事件として捜査が続けられたが、2006年に時効が成立
  • 2019年に最新のDNA鑑定で犯人を特定し、自白させた

華城連続殺人事件の概要

1986年に始まった華城連続殺人事件は1991年まで続き、10名の女性が強姦・殺害されました。警察でも大規模な捜査を行ったものの犯人を特定できず、2006年に公訴時効を迎えます。 しかし事件発生から30年を経た2019年、犯人が特定され自白を引き出しました。ここでは華城連続殺人事件の概要について、詳述します。

1986年から1991年にかけて韓国・華城で起きた連続強姦殺人事件

華城連続殺人事件は1986年、華城郡(現・華城市)で強姦・殺害された女性の遺体が見つかったことから始まりました。そして同様の強姦・殺害事件が1991年まで、華城郡周辺で続くことになります。 犯行現場は畑・農水路・山中のいずれかで、事件が起こるのは雨か曇りの日に限られていました。 農村地帯の半径2㎞以内という範囲で次々と女性が被害にあい、その残虐性から韓国国民を震え上がらせたといわれています。

残忍な姿で死体を遺棄

被害者女性は、10代から70代と年齢層が幅広いです。最初の被害者は71歳の女性で、1986年9月に下半身を露出させたうえで脚がXを描くように腹の上で縛られていました。 被害者の1人である23歳の女性は、持参していた傘を何度も陰部に刺されたことにより亡くなっています。別の被害者の陰部には桃の欠片が、また別の被害者にはボールペン・フォーク・スプーンなどが入れられていました。 犯人は、被害者女性の死体を残忍な姿で遺棄し続けました。

大規模な捜査が行われたが犯人を特定できず

華城連続殺人事件の犯人が犯行を重ねる中、警察は大規模な捜査を行いました。捜査に動員された警察官は、機動隊員も含めて約167万人にのぼります。 目撃証言があり警察がプロファイリングした結果、2万1,000人が対象者として調べられました。DNA鑑定は570人、毛髪鑑定は180人に実施されています。 しかし犯人を特定することができず、2006年4月に公訴時効を迎えました。

 

多くの人々が犯人と疑われた

3000人以上の人々に疑いをかけ捜査お来ないました。 冤罪をかけられた人々は辛く苦しい日々を送ったとされています。中には自殺を行った人も存在しました。 2019年9月19日に韓国警察は、女性を次々と殺害していた犯人を特定したと発表しました。 捜査の過程で採取した犯人の毛髪や体液などを用いて、最新技術によるDNA鑑定したことで犯人特定に至ったそうです。この事件の犯人は、別の事件によって収監されていた受刑者でした。

イチュンジェによる自白

華城連続殺人事件の犯人は、イチュンジェ受刑者でした。DNA鑑定により韓国警察からの追及を受け、犯行を自白したといわれています。 ここでは華城連続殺人事件の犯人である、イチュンジェ受刑者について詳述します。

韓国・華城で生まれ育つ

イチュンジェ受刑者は1963年に、華城郡台安邑陳雁里(現在の華城市陳雁洞)の集落で生まれました。そして1994年4月3日までは、華城連続殺人事件の犯行現場から半径3㎞以内に住んでいたことがわかっています。 1986年9月15日に初めての犯行が行われてから、1991年4月3日に最後の犠牲者が出るまでの間にイチュンジェ受刑者も取り調べを行われたことが予想されます。 しかし韓国警察はイチュンジェ受刑者を深く追究することはなく、容疑者として他の5人の男性を逮捕していました。

1994年に義妹を性的暴行の末殺害し服役中

イチュンジェ受刑者は1994年1月に忠清北道清州市において、当時20歳だった妻の妹に対し性的暴行をしたうえで殺害するという事件を起こしています。 さらに義妹の死体を遺棄した容疑も加わり、無期懲役という判決が下りました。その後は釜山刑務所に収監され、服役しています。 すでに服役を始めてから、25年が経過したことになります。

DNA鑑定が一致し自白

イチュンジェ受刑者を犯人だと特定したのは、最新技術を駆使した鑑定によりDNAが一致したことによります。 華城連続殺人事件の犯人は5件目・7件目・9件目の事件で、毛髪や体液などを残していました。それがイチュンジェ受刑者DNAと一致したそうです。 2019年11月2日に韓国警察は、イチュンジェ受刑者が自白したことを発表します。その際に華城連続殺人事件を含めた強姦・殺害が14件、強姦事件が30件もの余罪が伝えられました。

華城連続殺人事件の背景にある韓国社会の闇

華城連続殺人事件の犯人がイチュンジェ受刑者だと明らかにしたことで、韓国警察の杜撰な捜査に対する批判の目が向けられるようになりました。しかしその背景には、韓国社会の闇があったのです。 ここでは華城連続殺人事件の背景にある、韓国社会の闇について詳述します。

社会的弱者に対する卑下

かつて韓国の経済紙に「他人のせいにする韓国文化は、国と自分の境遇を卑下する方向にまで拡大している」という一文が載ったことがあるといいます。 富裕層と庶民層の経済格差が激しく、男尊女卑傾向の強い韓国社会は社会的弱者を卑下する傾向が強いようです。 そのため華城連続殺人事件の捜査の過程でも窃盗で捕まった16歳の少年に自供を強要し、取り調べ中に拷問して死亡させるという事件が起こっていました。

性暴力への認識

韓国では女性に対して性暴力をふるうケースが頻繁に起こっています。2019年にスピードスケートのショートトラック韓国女子代表のシム・ソクヒさんが、コーチから性的暴行を受けていたことが明らかになりました。 現代でも性暴力が絶えないことを考えると、華城連続殺人事件が発生した当時は女性をぞんさいに扱う男性はさらに多かったことが予想できます。 韓国にもMeToo運動は広がっていますが、長年培われた性暴力に対する認識はなかなか変わっていません。

華城連続殺人事件の映画化やドラマ化

華城連続殺人事件は、映画やドラマなどでメディア化されています。そして犯人が特定された今、再び注目を集めているようです。 ここでは華城連続殺人事件をモチーフにした作品について、詳述します。

映画「殺人の追憶」

韓国で2004年に公開された「殺人の追憶」という映画は、ポンジュノ監督がメガホンを取りました。俳優のソンガンホさんとキムサンギョンさんが、刑事のコンビを演じています。 容疑者として逮捕した男性に暴力をふるうシーンがあるなど、事実をもとにした作品となっています。映画の動員人数は510万人にのぼるそうです。 俳優の斎藤工さんが絶賛している作品でもあり、犯人の自白を受けて再び注目が集まっています。

ドラマ「シグナル」

韓国で2016年1月22日から3月12日に放映されたサスペンス・ヒューマンドラマ「シグナル」は、未公開事件を捜査するという内容です。その第2話から第4話のモチーフが、華城連続殺人事件でした。 このドラマは日本でもリメイクされ、2018年4月10日から6月12日まで「シグナル長期未解決事件捜査班」として放映されました。坂口健太郎さんが初主演を務めたことでも、話題となっています。 これらのドラマを再視聴する人も、増えているようです。

まとめ

韓国三大未解決事件の一つとされていた、華城連続殺人事件について説明しました。2019年9月に犯人が特定され、11月には自白を引き出しています。 しかし華城連続殺人事件はすでに公訴時効を迎えているため、イチュンジェ受刑者が訴追されることはありません。真実を明らかにすることで、少しでも遺族に報いてくれることを期待したいところです。

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