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大韓航空機爆破事件とは?北朝鮮工作員の金賢姫という女性に迫る。

もくじ

1分でわかる大韓航空機爆破事件

  • 北朝鮮工作員金賢姫らによる大韓航空機の爆破
  • 乗員・乗客115名全員が死亡
  • 生き残った犯人金賢姫は死刑判決後特赦

大韓航空機爆破事件の概要

大韓航空機爆破事件とはどのような事件だったのでしょうか。犯人は日本人の偽造パスポートを持っていました。この事件には北朝鮮による日本人拉致事件も関わりがあります。まずはこの恐ろしい事件がどのようなものだったのか概要から見ていきましょう。

1987年に起きた大韓航空の旅客機が爆破されたテロ事件

大韓航空機爆破事件とは1987年に北朝鮮工作員が韓国大韓航空旅客機に時限爆弾を仕掛け乗客・乗員全員を殺害した事件です。 当該旅客機はイラクのバクダットを出発して、UARのアブダビ、タイのバンコクを経由してソウルに向かう予定でした。 旅客機はインド洋近くのアンダマン海上空で北朝鮮工作員が仕掛けた時限爆弾によって爆破・墜落し乗客・乗員全員は全員死亡しました。

死者は乗客・乗員115人全員

大韓航空機爆破事件では乗客・乗員115人全員が行方不明となり、その後全員の死亡が認定されています。 旅客機の乗員は11人でした。乗客104人の多くは中近東に出稼ぎに出ていた韓国人で、国に里帰りの途中で命を落としてしまいました。 旅客機に時限爆弾を仕掛けた北朝鮮の工作員2人はアブダビで旅客機を降りバーレーンに向かいました。

犯人・金賢姫と金勝一

大韓航空機を爆破した北朝鮮の工作員は金賢姫と金勝一でした。二人がどのようにして旅客機を爆破するに至ったのか、その経緯とともに身柄拘束後の行動についても詳しく見ていきましょう。

日本人になりすました北朝鮮の工作員

二人が北朝鮮からまず向かったのは当時のソ連モスクワでした。その後ハンガリー、オーストリアと移動し、さらにオーストリアのウィーンから当時のユーゴスラビアのベオグラード、イラクのバクダットへと移動しました。 ハンガリーまでは北朝鮮のパスポートを使っていましたが、オーストリアから日本の偽造パスポートを使い始め、それ以降は日本人になりすまして活動を行いました。 旅客機爆破に使った爆発物はベオグラードで別の北朝鮮工作員から受け取りました。

経由地のアブダビ空港で降機

二人はイラクのバクダットで当該大韓航空機に乗り込みました。 二人が機内に持ち込んだ爆発物は液体爆弾、プラスチック爆弾と時限装置に使った日本製のトランジスターラジオでした。ラジオは改造されていましたが実際にラジオとしても使えるものでした。 二人は旅客機の手荷物入れに爆発物を残したまま経由地であったUAEのアブダビ空港で飛行機を降りました。その後ローマに向かうためバーレーンに向かい、そこでローマ行きの飛行機を待っている時に拘束されました。

金勝一は事情聴取前に服毒自殺

犯人の一人である北朝鮮の工作員金勝一は日本人蜂谷真一になりすましていました。 韓国の捜査当局はアブダビで降機した日本人パスポートを持つ男女二人に疑いの目を向けていました。日本の捜査当局も中東を拠点とする日本赤軍の事件への関与を危惧し、日本人パスポートを持つ二人をマークしていました。 日本外務省の調査によりパスポートの偽造がわかり、日本大使館員がバーレーンの警察とともに二人を拘束しました。警察が事情聴取をしようとしたとき金勝一はタバコを吸うふりをしてカプセルに入った薬物で服毒自殺してしまいました。

金賢姫は自殺未遂に終わる

もう一人の犯人である金賢姫は偽造パスポートで蜂谷真由美になりすましていました。二人は日本人親子という設定でした。 金賢姫もタバコに隠された薬物入りカプセルを警察から奪い取り自殺を図ろうとしましたが、これをかみ砕く前に警察に取り押さえられカプセルを取り出されてしまいました。 バーレーンでの取り調べが終わった後、金賢姫は韓国の捜査当局に引き渡されました。自殺を防ぐため口にはマスクが被せられました。金賢姫は韓国で死刑判決を受けますが、その後特赦されています。

金賢姫は事情聴取の後、自供

金賢姫は韓国での取り調べで日本の渋谷恵比寿にいたなどと言い張ったり、その後中国人であると供述するなどして犯行を認めませんでした。 しかしながら韓国捜査当局の執拗な取り調べの中で供述の矛盾点が次第に露呈され、次第に追い詰められていきました。 金賢姫は取り調べ中韓国当局に韓国のソウル市街に連れて行かれ、豊かで活気のある街や生き生きとした市民見た彼女は、これまで自分が北朝鮮で教えられてきたことがまちがいであることに気づき自供を始めました。

大韓航空機爆破事件の目的

大韓航空機爆破事件は金正日の指示のもとに実行されたとされています。金正日はどのような目的でこのような大胆な事件を起こそうと考えたのでしょうか。そこにはオリンピックとの関係がありました。大韓航空機爆破事件が起こってしまったそもそもの要因を見てみましょう。

韓国政府の国際的信頼を低下させる

金正日は原因不明の航空機事故に見せかけて大韓航空機を爆破し、韓国の国際的な評判を失墜させることを目論みました。 特に旧ソ連を中心とした社会主義の国々にソウルオリンピックをボイコットさせようと考えました。 当時韓国単独開催によるソウルオリンピックへのエントリー締め切りが1988年1月17日に迫っていました。大韓航空機爆破事件が起こったのが1987年11月29日ですから、タイミング的には頷けます。

結果的に北朝鮮が国際的に孤立

結果的には北朝鮮の謀略が明らかとなり、北朝鮮はテロ国家と見なされてしまいました。 当時社会主義国であったハンガリーは金賢姫らが日本人の偽造パスポートを使っていたことを知り、北朝鮮の謀略があったと認識しました。ハンガリーはそれを当時社会主義国の盟主であった旧ソ連に報告しました。 これにより金正日の思惑はもろくも崩れ去りました。ソウルオリンピックが旧ソ連などの参加を得て、つつがなく開催されたことはいうまでもありません。

大韓航空機爆破事件の作品化

大韓航空機爆破事件は世界的にも注目される事件だったことから、韓国や日本において音楽や映画、テレビでメディア化されました。どのようなものだったのか以下で具体的に見てみましょう。

音楽・映画

日本のロックバンドRCサクセションは大韓航空機爆破事件を題材にして歌いました。曲は1988年発表のアルバムにも収録されています。 事件は1990年韓国で『政治犯・金賢姫/真由美』というタイトルで映画化されました。残念ながら日本では劇場未公開です。 映画は大韓航空機爆破事件をストレートに描いた作品で、前半では大韓航空機の乗客だった韓国人出稼ぎ労働者の人間模様を描き、後半では犯人である金賢姫にスポットをあてています。

テレビドラマ

犯人の金賢姫が日本人拉致被害者と思われる女性から日本を学んだことが明らかになり、日本では北朝鮮による拉致被害との関連で大韓航空機爆破事件がメディアで取り上げられることが多くなりました。 2002年実行犯から見た事件の流れが日本テレビ系列で2時間ドラマ化され大きな反響を呼びました。 2007年と2010年にはそれぞれフジテレビ系列、TBS系列で事件が特別企画ドラマとして放映されました。

まとめ

大韓航空機爆破事件は北朝鮮という国家による航空機爆破テロ事件であったことに大きな特徴があります。この事件を切っ掛けに北朝鮮による日本人の拉致事件もその実態が明らかになっていきました。 もちろん北朝鮮は謀略の事実を認めていませんが、犯人の自供や客観的証拠から犯行は明らかです。日本の近傍にこのような国が存在することを片時も忘れてはいけません。

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