チ-37号事件とは日本を揺るがす未解決の偽札事件。経緯や犯人像について解説！

目撃証言から作成したモンタージュを一般に広めるなど、警察は捜査の幅を広げましたが犯人の居場所を特定することができませんでした。犯人はお釣りを受け取る時に顔を晒しているはずなのに、その尻尾を掴むことができなかったのです。 犯人が千円札を使う場面に直接出くわさない限り、逮捕することはできなかったでしょう。それほどこの偽札は精巧に造られており、見分けることも困難だったのです。

「チ-37号事件」は世間に大きな影響を与えました。偽札というのは日常に入り込んでしまうと回収することも難しくなってしまう上に、通常の紙幣に対する信頼にも関わる厄介な代物です。そのため早期解決が望まれていました。 しかし「チ-37号事件」は解決されることが難しかったため、世の中に波紋が広がっていきました。

警視庁は、偽札1枚を届け出れば3000円を、犯人に関する重要な情報の提供をすれば1万円から100万円という破格の懸賞金を出すことを決定しました。また、銀行協会も犯人に関して有力な情報を提供した場合には100万円を支払うとしました。 このように多額の懸賞金がかけられたというだけで、「チ-37号事件」がいかに世間にとって大きな影響を及ぼした事件であったかがわかるでしょう。それほど犯人確保に対して、そして事態収束のために切羽詰まっていました。

「チ-37号事件」を受けて、千円札の信頼が損なわれてしまうことを恐れた政府は、1963年11月1日に新紙幣を発行しました。新しい千円札では、肖像が聖徳太子から伊藤博文に変えられていました。 このように、紙幣そのものすら変えてしまったのが「チ-37号事件」は多大なる影響を与えた事件と言えます。「チ-37号事件」がなければ、紙幣が変えられることはなかったでしょう。