水素水とは。水素水の定義を解説
1分でわかる記事の要点
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水素水は美容・健康面と謳われている
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詐欺まがいの商法が問題視された
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水素水に科学的根拠はない
「水素水」は気体の水素を水に溶かしたものです。水素は通常の状態ではガス(気体)ですから、これを水に溶解して水と一緒に水素を体内に取り込もうとするものです。 誤解してはいけないのは「水素水」は水素を液体状(水)にしたものでも、水素と水を化学的に反応させたものでもないことです。「水素水」の中で水素と水は別々に存在しています。 「水素水」は無色で、味も臭いもありません。工業用の「水素水」は半導体の洗浄水などに使用されています。
水素水の効果とされているもの
「水素水」の効果を考えるにあたっては、「水素水」と「水素」の効果を分けて考えることが重要です。「水素」の効果をそのまま「水素水」の効果としてはいけないのです。 「水素水」の効果は主に美容・健康面で話題になることが多いため、以下では美容・健康面に絞ってその効果を探ってみましょう。
美容・アンチエイジング
ストレスやアルコールなど様々な要因で私たちの体には悪玉活性酸素が蓄積されていきます。この悪玉活性酸素こそが私たちの体を老化させるのです。いわゆる「体が錆びる」のです。 水素はこの悪玉活性酸素を中和させ、取り除く効果があるとされています。このため、水素は美容とアンチエイジングに効果があるとされているのです。 では「水素水」に同様の効果はあるのでしょうか。残念ながら「水素水」が美容・アンチエイジングに効果があるという化学的な検証はなされていません。「水素水」によって水素が効果的に細胞に吸収されるかどうかやそのメカニズムが研究途上なのです。
病気の治癒
「水素水」で病気は治るのでしょうか。残念ながら答えは「NO」です。「水素水」は万能薬ではないのです。 しかしながら水素は私たちの体の中の悪玉活性酸素を中和させる機能を持っています。「抗酸化作用」といわれているものです。 体の様々な不調は悪玉活性化酸化によって引き起こされることはわかっていますので、「水素水」で水素を上手く体の細胞に吸収させることができれば、病気になるリスクを大きく減らす可能性はあると考えられています。
ダイエット
「水素水」は水素の働きによって一定のダイエット効果があるといわれています。理由は基礎代謝力アップと脂肪燃焼アップの二つです。 ドロドロ血液は血流を滞らせ代謝力を下げます。これが肥満の原因の一つになるのです。水素の摂取によって悪玉活性酸素を除去できれば血流が改善され、基礎代謝力がアップし肥満の改善に効果が期待できるのです。 水素には抗酸化作用に加えてミトコンドリアを活性化させる効果があるとされています。ミトコンドリアは脂肪を燃焼させる機能を持っていますから、「水素水」によって体内脂肪の燃焼を促進させる可能性があるのです。
アトピーやアレルギーの治癒
アトピーもアレルギーの一種とされていますが、花粉症などの季節はそのアレルギーを持つ人にとって正に地獄の日々です。「水素水」は水素の働きによってこのアレルギーにも一定の効果があるとされています。 水素の抗酸化作用はデトックスにも効果的で、アトピーや花粉症などのアレルギー反応の原因となる悪質な物質を除去する効果が期待できるのです。 「水素水」は無味無臭で癖がありませんので、子供から大人まで安心して摂取することが可能ですから、様々なアレルギーを持つ人には福音になるかもしれません。
水素水は様々な形や方法で商品化された
（画像：Unsplash）
「水素水」には多くの効果が期待されていますので、複数の事業者が様々な形で商品化し、活発なビジネスを展開しています。 ここでは、既に商品化されている「水素水」の現状について見ていきましょう。
ボトルやウォーターサーバーでの販売
水素水ボトルは何よりも携帯に便利でその手軽さが特徴です。職場や通勤途中・運動中などにいつでも「水素水」の摂取が可能です。 水素は地球上で最も小さな分子の物質ですから、非常に逃げやすい性質があります。通常のペットボトルだとあっという間に空気中に抜けてしまいます。このため、タンブラー型で常時電気分解によって水素を補給してくれるタイプのものも販売されています。 家庭や職場に据え付けるタイプが水素水ウォーターサーバーです。ミネラルウォーターサーバーのようなイメージで使います。様々なタイプのものがあり、通常は数千円でレンタルできます。
スティックの販売
コストを抑えて「水素水」を摂取したい方にお薦めなのがスティックタイプです。水道水の中にスティックを入れるだけで「水素水」を発生させることができます。1本で数ヶ月使えますので非常に経済的です。 いつでも作りたての「水素水」を摂取することができるのですが、水にスティックを入れても直ぐに「水素水」になるわけではありません。少し時間がかかるのです。しかも作り置きはできませんので、一度作ると飲みきる必要があります。 手軽さといういう意味では問題がありますが、ローコストで継続的に「水素水」を摂取したい方にはスティックタイプがお薦めです。
水筒の販売
「水素水」用の水筒も販売されています。家庭などで水素水サーバーが利用でする場合は水筒に入れて持ち運ぶのも一手です。 ただ気をつけたいのは前にも触れたように水素は非常に小さな物質で逃げやすい性質がありますので、水筒の形や材質には注意が必要です。 基本的にはアルミ素材を選ぶ必要があります。また口が大きいと蓋を開けた途端に水素が抜けてしまいますので注意が必要です。
水素水生成器の販売
飲むたびに「水素水」を購入するのは不経済です。このため家庭などで「水素水」を生成する水素水生成器が販売されています。 据え置き型のものや持ち運び型のものがあります。用途に合わせて選ぶことになりますが、注意したいのは水素の発生濃度です。 「水素水」の濃度はppmという単位で表示されています。「水素水」の効果の上限は0.4ppmだとされています。これ以上は濃度を上げても効果が変わらないのです。しかも摂取した「水素水」の6割は体内から直ぐに排出されるといわれていますので、濃度は1.0ppm程度のものを選ぶのが適当です。
高濃度水素水
「水素水」には多くの効果が期待されますが、問題は「水素水」に含まれる水素を如何にして体内に取り込むかです。 容器に入った「水素水」は開封した途端水素が空気中に逃げ出しますし、飲用した「水素水」も呼気の形で直ぐに体外に出てしまいます。 これらの影響をできるだけ避けるようにするのが高濃度水素水点滴法です。これだと直接血液中に水素を取り込みますので非常に効果的といえます。
水素水の風呂
水素水生成器や入浴剤で水素リッチな入浴が可能です。水素風呂といわれる入浴方法では、皮膚や呼吸から水素が継続的に摂取することができます。 皮膚から取り込まれた水素が血液中に行き渡るまで7分程度かかるといわれていますので、ぬるま湯で10分程度の入浴が効果的です。 水素風呂は温浴効果と水素の相乗効果が期待され、血液循環の促進により老廃物の運搬も促進されますので疲労回復やリラックス効果が期待されます。
中には詐欺まがいの商法で水素水を売りつける業者も
近年「水素水」にまつわる消費者トラブルが頻発しています。悪徳業者による悪徳商売がはびこっているのです。 その原因といては大きく二つあります。一つは「水素水」の科学的証明です。実は「水素水」の効果に関する科学的な証明は商用レベルでは存在しません。科学的な論拠が求められるトクホや機能性表示食品として認められた「水素水」関連商品は皆無なのです。 二つ目はその売り方です。悪徳商法といわれるものには訪問販売とマルチ商法があり、消費者宅を訪れ押し売り的な売り方をしたり、ネズミ講式の会員に勧誘する商法が「水素水」関連製品の販売で多く見られるのです。
消費者庁が誇大広告などに注意喚起
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2017年3月消費者庁は「水素水」関連製品が科学的な裏付けがないままに宣伝され、水素自体が検出されない商品などが存在することを受けて、関連企業に対して再発防止命令を出しました。 処分を受けたのは通信販売業者3社で、「水素水」関係では初めての事例になりました。 併せて消費者にも注意喚起し、これが話題となっていた水素水が「効果がない」「ただの水」といった大きなマイナスイメージを持たれる切っ掛けになりました。
水素水の効果に科学的根拠はない
（画像：Unsplash）
「水素水」の主な効果は抗酸化作用によるものが大半ですが、その科学的根拠はどうなのでしょうか。 結論からいえば、人体を対象とした「水素水」による抗酸化作用のデータはバラついており、確かな科学的根拠があるとはいえない状況です。
論文で証明されている
水素自体が持つ特性に関する基礎研究は進んでおり、動物実験による研究論文でその抗酸化作用などが確認されています。 「水素水」を用いた同様な実験でも効果が確認されたものもあり、論文数も増加していますが、残念ながらそのメカニズムは明らかになっていません。 人体に対する「水素水」の効果に関する臨床データも十分なものはないのが現状となっています。
水素水の効果として確実なのは「水分補給」
国民生活センターは「水素水」に関して、関連商品の表示と水素濃度の整合性などのテストを行うとともに、事業者に対するアンケートを実施しました。 テストでは製品の溶存水素量が表示より下回っているものがあり、ペットボトルのものには溶存水素の存在が確認されませんでした。 アンケートでは「水素水」の最も期待できる効果として「水分補給」があげられています。
水素水製造者が「水素水の科学的根拠がない」という見解に対し反発
（画像：Unsplash）
消費者庁の注意喚起や国民生活センターの調査・公表をきっかけに、インターネット上では「水素水」やそれを取り扱っている企業などに対する批判的な情報が見られるようになりました。 これに対して「水素水」関連製品を取り扱っている企業は対応に追われることになりました。 ここでは具体例として水素水を多く販売していた伊藤園と日本トリムの動きを見てみましょう。
伊藤園の主張
お茶で有名な伊藤園は2008年から「還元性水素水」として「水素水」の販売を行ってきましたが、最近「高濃度水素水」としてリニューアルした製品の販売を開始しています。 「水素水」に関する具体的な効果に関しては、薬事法の規制があるので製品販売にあたって効果をうたうことはできないとしています。 実際伊藤園のホームページでは「水素水」の具体的な効果については一切うたっておらず、水素の量やボトルからの水素の逃げにくさなどが記載されているだけです。インターネット上での「水素水」に対する批判は伊藤園でも把握しているとしています。
トリムの主張
日本トリムは「水素水」の発生装置を製造・販売している企業ですが、「水素水」の効果には根拠がないとするインターネット上の主張に対して反論しています。 日本トリムは同社が販売する電解水素水整水器には胃腸病を改善する医学的な根拠があると主張しているのです。また同社はインターネット上で流されている「水素水」の効果に懐疑的な情報によって業績への影響はないとのプレスリリースもしています。 しかしながら日本トリムの主張を実証するエビデンスとしてのデーターは必ずしも十分に開示されていないのが現実のようです。
情報リテラシーをもち正しい理解で水素水を購入する
（画像：Unsplash）
話題の「水素水」とは何なのか。どのような効果が期待されているのか。またその効果はどこまで実証されているのかなどについて解説しました。科学的な根拠は必ずしも十分検証されているとはいえない状況のようですが、現実的には様々な形の「水素水」ビジネスが行われています。 インターネット上での聞き心地の良い台詞だけに左右されず、自分の目と耳でしっかり情報を把握したうえで上手な「水素水」の使い方を考えましょう。
