渋谷区短大生切断遺体事件は兄の武藤勇貴が妹を殺害した事件。近親相関的側面はあったのか？

1分でわかる渋谷区短大生切断遺体事件

1分でわかるニュースの要点

兄が妹を殺害し遺体を損壊した猟奇的殺人
３浪中であったことに強い劣等感を抱いていた
些細なことをきっかけに犯行に及ぶ

つくば母子殺人事件は医師の野本岩男が妻子を殺害した事件。夫婦間トラブルの真相とは？つくば母子殺人事件とは茨城県つくば市に住む医者が夫婦喧嘩の末妻を殺害し、同時に二人の子供も手にかけ、三人を横浜の大黒ふ頭から海に遺棄した事件です。医者の家庭という幸せなはずの家庭を負のスパイラルに陥らせたのは夫の無謀な投資と浮気でした。裁判の結果犯人の夫には無期懲役が言い渡されましたが、夫婦喧嘩のトラブルが原因の事件としては刑が重すぎるとも意見も一部にありました。今回はつくば母子殺人事件の真相に迫ります。

渋谷区短大生切断遺体事件の概要

2007年に発覚した渋谷区短大生切断遺体事件は猟奇的な事件として世間に衝撃を与えました。兄が妹を殺害しただけでなく、死体損壊にまで至った経緯についてはいくつもの憶測が流れます。何不自由なく生活していた富裕層の家族に何が起こったのでしょうか。

島根女子大生死体遺棄事件は矢野富栄の死亡で不起訴となった凶悪殺人事件。犯人の犯罪心理とは？2009年に発覚した死体遺棄事件です。広島県にある山で女子大生の頭が発見されたことを皮切りに、バラバラになった遺体が次々見つかりました。捜査は難航し、事件から3年後に死体遺棄罪の公訴時効が成立しましたが、7年かかってようやく犯人が特定されました。しかし特定した時点ですでに犯人は事故死しており、事件は容疑者死亡の不起訴処分となっています。

武藤勇貴が妹の短大生とトラブルに

事件の端緒は犯人武藤勇貴が妹の短大生とトラブルとなったことです。武藤勇貴は３人兄弟の真ん中にあたり兄、妹がいました。歯科医の両親のもとに生まれ自身も開業医を目指すも２度の受験に失敗しています。被害者となった妹は短大に通いながら女優業に勤しんでいました。Vシネマなどにも出演経験があり、将来に大きな夢を持っていたことが伺わされます。しかし妹は奔放な性格であり家族の中でも浮いた存在でした。事件の数日前にも母と口論を繰り広げており武藤勇貴に咎められたことが惨劇の引き金になります。

妹を殺害し遺体をバラバラに

武藤勇貴は口論の末、妹を殺害し遺体をバラバラにします。日頃からケンカの絶えない2人でしたが、母への暴言を巡り口論となり妹の頭部を木刀で殴りつけました。その後も口論は続きましたが、妹の「夢がない」の言葉は心に深く突き刺します。劣等感や嫉妬といった感情が一気に噴き出したのでしょう。妹の首を締め上げた上、水を貯めた浴槽に頭を沈め死亡を確認します。ここから武藤勇貴は妹の遺体をのこぎりなどで損壊し一部を保存するなど異常な行動を繰り広げます。

両親により発見、通報された

妹の変わり果てた姿は両親により発見され警察に通報されました。犯行後武藤勇貴は妹の遺体を損壊し一部は廃棄するものの大半は押し入れなどに隠します。異臭で気付かれないよう家族には「サメが死んだ」と告げています。事件の翌日に家族は順次実家に帰省することになっており、遺体発見には数日を要しました。自宅に戻った母があまりの異臭に武藤勇貴の部屋を確認たのがきっかけです。お腹を痛めた2人の惨劇に母親の悲しみは想像を絶するものだったでしょう。その日のうちに逮捕され驚くべき犯行の実態が明らかにされます。

近親相姦的側面が噂された

武藤勇貴と妹の間には近親相姦的側面が噂されました。実の妹を殺害しただけでなく、死体損壊にまで至った事件は大きく報道されます。一般の新聞だけでなく週刊誌やタブロイド紙の類まで連日面白可笑しく書き立てたのです。その中に近親相姦を指摘する記事がありました。妹が「あずみんの勇君」と呼んでいたことや過去に出演したドラマのテーマが「禁断の恋」であったというのが根拠です。しかし信ぴょう性に乏しく真偽を追いかける記者は現れませんでした。興味本位の記事が独り歩きする中で裁判は粛々と進められることになります。

渋谷区短大生切断遺体事件の背景

兄が妹を殺害した上に切断するといった猟奇的な事件は殆ど例がありません。いくつものメディアは兄妹の関係性や家庭環境などを報じましたが、的を射たとは言い難いものばかりでした。渋谷区短大生切断遺体事件の哀しい背景とは如何なものだったのでしょうか。

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武藤勇貴は歯科医を目指す浪人生

武藤勇貴は歯科医を目指す浪人生でした。歯医者の両親のもとに生まれ歯科医になることが運命づけられていたといえるでしょう。中学受験に合格し順風満帆だった彼の人生は大学受験で大きく狂うことになりました。歯学部は医大の中では比較的偏差値が低いことで知られています。歯科医の息子でありながら３浪している自身のふがいなさに悩み抜いていたことは容易に想像できるでしょう。つまり、武藤勇貴はコンプレックスに苛まれ心が病んでいる状況だったといえます。

妹は女優として活躍する短大生

妹は女優として活躍する短大生でした。芸能事務所に所属しビデオ映画に出演するなど女優へのステップを着実に上っていたといえます。しかし歯科医を営む家族の中では浮いた存在であったことは事実です。何事にも反抗的でわがままな性格は、時として家族に凶器のように襲い掛かることも少なくありませんでした。武藤勇貴は自由奔放に生きる妹を苦々しく思う反面、夢を追いかける姿に羨望の眼差しを向けていたのは間違いないでしょう。

武藤勇貴は懲役12年の判決

武藤勇貴には懲役12年の判決が下りました。裁判の焦点は責任能力の有無に絞られます。弁護側は妹の精神障害についても触れ減刑となるよう主張を繰り広げます。検察側は十分に責任能力はあるとして懲役17年を求刑します。しかし土壇場で多重人格症が立証され懲役7年が言い渡されました。あまりの結果に検察側は即刻に上告し、懲役12年を勝ち取るに至ります。刑期については殺人の猟奇性や実の妹を殺害した点から賛否両論でしたが、現行の司法制度の限界でもありました。

両親の手記が話題に

武藤勇貴の両親の手記が話題になりました。被害者の両親であり加害者の両親でもある父母の手記は望まなくとも注目を集めます。その内容は加害者である兄を擁護する内容が多く含まれており驚きを隠せない読者も少なくありません。特に妹が謝っていれば事件が起きなかったとも取れる記述は被害者の両親の手記とは思えませんでした。言い換えれば、妹の家族の中での微妙な立ち位置が垣間見れるといえるでしょう。また判決前に出版されたことから、減刑を勝ち取るためだと指摘する人もいました。

劣等感などが発展し起きる類似の事件

渋谷区短大生切断遺体事件は犯人の劣等感が生み出したと悲惨で哀しい事件です。閉鎖的で格差が激しい現代社会では、猟奇的ともいえる事件が頻発している状況にあります。マスコミを賑わせた類似の事件にはどのようなものがあるでしょうか。

開成高校生殺人事件

開成高校殺人事件（1977）は家庭内暴力に耐えかねた両親が息子を殺害した事件です。裁判では僅か試行猶予３年といった父親への温情判決が下りました。殺害された息子は名門高校に入学したものの、周囲の学友は全てエリート一家に生まれており、強い劣等感を抱いていたことが伺わされます。当初は夫婦で裁判を闘うなど仲の良さを見せつけていましたが、母親は裁判が終わると豹変しました。父親を罵り始め、挙句に自害するといった哀しい結末を迎えます。

開成高校生殺人事件の悲劇。DVから始まり息子を殺害した父親からみる教育の闇。開成高校に通うエリートだった息子は成績が下がり始めた頃から暴言が増え、次第に家族に対して暴力を振るうようになりました。精神病を疑われましたが診察で精神異常は認められず、家族への暴力は激化の一途をたどり最終的に父親が息子を殺害しました。開成高校殺人事件はエリートの中で生きる辛さがもたらした事件なのでしょうか。今回は開成高校殺人事件の概要とその要因に迫ります。

元農水次官の熊沢英昭による息子の殺害

元農水次官の熊沢英昭による息子の殺害事件（2019）もショッキングな事件として知られます。息子の家庭内暴力に耐えかねた熊沢英明が息子を刺殺しました。息子はエリート一家に生まれたことから劣等感に苛まれるようになります。暴力的でひきこもりがちであったため、家族は怯えながら生活しており娘は自殺に至っています。父親からすればやむにやまれない事情での犯行であったことが垣間見れます。ただし世間は熊沢秀昭が元農水次官であったことから、優遇されているのではないかといった懐疑的な意見も少なくありませんでした。

元農水次官の熊沢英昭による息子英一郎さんの殺害。8050問題の実態とは？事件は2019年6月1日に発生しました。犯人が元農林水産省事務次官だったこと、殺害された息子が凶悪犯罪を起こす可能性があったことなどが報じられ、話題となりました。刺殺された熊沢英一郎さんは家庭内暴力を振るう引きこもりでした。事件の初公判が12月11日に行われ、熊沢英昭被告は起訴状を全面的に認めています。

些細なことから殺人に発展するケースもある

些細なことから殺人に発展するケースが増加傾向です。特に渋谷区短大生切断遺体事件に代表されるように家族内で殺害するケースが散見されます。この事件の動機は妹の奔放な生き方への憧れや劣等感であるといえるでしょう。多くの殺人の動機の根底にあるのは自らが苛まれている劣等感です。劣等感が強くなると家庭内暴力に発展するケースが多く、耐えかねた家族が殺害するのが典型的なパターンだといえるでしょう。悲惨な殺人事件に巻き込まれないためには、日頃から家族内でのコミュニケーションを大切にすることが大切です。

ニート増加による日本の末路。過去の事件から見るニート問題の闇とは？「ニート」の多くは就職氷河期に就職できなかった人々です。働く気力もなく親に頼りながら「引きこもり」生活を続けています。「ニート」の多くは50歳代、両親も介護が必要な80歳代が大半となりました。これを8050問題と呼び政府は就職氷河期支援プログラムを打ち出していますが、一定の年代に偏ることは危険だと指摘されています。