1分でわかる志布志事件
警察が作った不合理な冤罪事件とは何だったのか
-
小さな集落で起きた公職選挙法違反
-
警察の強圧的な取り調べが行われた
-
人生を狂わされた住民たちが勝訴
志布志事件の概要
2003年に投開票された鹿児島県県議会議員選挙で、候補者の中山信一と支援者に公職選挙法違反があったとして、中山夫妻と集落の住民13名が起訴、取り調べを受けます。 警察が行った取り調べの手法があまりに強圧的なものだったため、一次は容疑を認めた者も含め、2007年に行われた鹿児島地方裁判所の民事裁判で12名(1名は公判中に死亡)の無罪が確定します。 わずか6世帯の小さな集落で起きた冤罪事件でしたが、警察の強引な捜査が大きな社会問題となった事件でした。
事件の背景には2003年に行われた鹿児島県議会議員選挙
事件は2003年4月に投開票される、鹿児島県県議会議員選挙の直後に起こりました。無所属で当選した中山信一氏が、票の取りまとめを依頼したとして、懐集落に住む13名が公職選挙法違反に問われました。 このため森山夫人を含め、懐集落の住民と合わせ15名が起訴される事件となりました。 元々この議員選挙で中山信一氏が立候補しなければ、定員3名だったこともあり、現職候補3人が無投票で当選する見込みでした。 ところが、無所属の中山信一氏が立候補したことで、激しい選挙戦となり、各陣営の白熱した選挙戦へと変わっていきます。
鹿児島県警による違法な捜査が行われた
この捜査の公判では、捜査にあたった磯部一信警部は、起訴されたうちの5名の名前を上げて、熱心に中山信一氏の支援をしていたと証言しています。 しかし、有力者とされた加藤秀雄氏は警察のでっち上げだとして容疑を否認します。「確かに磯部一信警部が頻繁にやって来たものの買収について質問してきたのは事実だが、否定した」と答弁しました。 加藤氏は磯部警部がしつこく質問を繰り返えすため、「集落の2人が中山氏の農場で働いている」と公判で述べています。実はこの磯部警部への返答が、この事件の全ての始まりです。