ささやき女将で話題になった船場吉兆食品偽装事件。その後や湯木佐知子の現在は。

店舗で提供する梅酒の製造を、酒類の製造に必要な許可を得ることなく無許可で行っていたことも明らかになりました。 味には定評があり、開業当初から多くのお客様に提供されていました。自家製梅酒は本店だけでなく博多店でも製造されていたといわれています。 既にあらゆる偽装問題の発覚によって営業を停止していた船場吉兆側は、酒類の無許可製造で国税局から指摘を受けた際に「営業再開時にはメニューから外します」と回答しています。

さらには全ての店舗において、お客様が食べ残した料理の一部を回収し再利用していました。 「天ぷら」は揚げ直し、「鮎の塩焼き」などは焼き直していました。また「わさび」は形が崩れたものを「わさび醤油」として使い回し、「刺身」は盛り直して出していました。 これらは父である前社長・湯木正徳氏の指示で常態化されていたのです。使い回しの料理は「下座のお客様に出す」と、客を差別していたのです。

これらの食品偽装などの問題に対し、船場吉兆側はすべて「パートの判断によるもの」として責任転嫁を図っていましたが、進む捜査の中で経営陣側の行き過ぎた採算主義の方針が明らかとなり、ついに謝罪会見を行うことになります。 そこでマスコミによって注目されたのが、女将が社長にささやく姿でした。 その姿は「吉兆ブランドを守りたい」という、経営者としての熱意の表れなのかもしれません。もしくは「困った息子を助けたい」という、母親としての愛情の姿だったのかもしれません。謝罪会見の状況を解説します。

相次ぐ問題は「従業員の判断」として、船場吉兆の経営陣側は責任を否定していましたが、従業員からの証言や物的証拠（納品書など）により、次第に経営陣側の主張に矛盾が生じてきました。 そこでついに、2007年12月に女将の湯木佐知子氏と社長の湯木喜久郎氏によって謝罪会見が開かれ、経営陣の関与を認めることとなりました。 記者からの質問や非難の声に、湯木喜久郎氏は混乱しハッキリと回答することができませんでした。そこで母である湯木佐知子氏が記者への返答内容を耳打ちし、湯木喜久郎氏がそれを繰り返すといった会見の姿が話題となりました。