1分でわかる大阪2児餓死事件
大阪2児餓死事件の要点
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シングルマザーの母親が2児を自宅に閉じ込め、50日間放置して餓死させた事件
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母親は逮捕され、懲役30年の実刑判決が下された
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ネグレクトが社会問題化する中で起こった事件
2010年に大阪市内のマンションで、3歳と1歳の2児が母親の育児放棄が原因で餓死しました。 この事件は幼い子どもが50日間も放置され餓死したニュースは世間に衝撃を与えました。児童虐待が世間で注目され、児童相談所の役割が注目された事件です。今回は大阪2児餓死事件について紹介します。
大阪2児餓死事件の概要
大阪2児餓死事件は、風俗店に勤務するシングルマザーの下村早苗が3歳女児と1歳男児を自宅で餓死させた事件です。子供2人を自宅のマンションに閉じ込めて外出し、食べ物を与えることなく50日間放置し続けました。 なぜ、このような事件が起こったのでしょうか。大阪2児餓死事件について見ていきましょう。
風俗店に勤務する下村早苗はホスト遊びが原因で金銭的に困窮していた
下村早苗は、2人の子供を育てるシングルマザーでした。結婚歴はありましたが、離婚した原因が夜遊びや不倫、消費者金融からの借金であったため、元夫からの支援は受けられず生活は困窮していました。 下村早苗は大阪の風俗店に勤務し、お店も下村早苗のためにマンションを提供してあげます。 一方、風俗店に客としてやってきたホストと恋仲になり、ホスト遊びに興じるようになります。借金の取り立てから逃げるようにホストのもとを転々としたようです。
下村早苗は子供2人を部屋に残し扉をテープで固定し家を出た
外泊が増え下村早苗は自宅に戻らない時間も徐々に長くなっていきます。自宅に戻ると2人の子どもがいるのが嫌だったなどと供述しています。 下村早苗は6月初旬に2人の子供を置いて外出します。このときはまだ放置してはいけないと思ったのか、6月9日にいったん様子を見に家に戻ります。 しかし、再び外出します。部屋には2食分の食事を残し、室内の扉に粘着テープを貼り、子供達が外に出られないようにしたのです。
約50日間子供を放置し子供は餓死した
下村早苗はSNS上で「焼肉美味しい」などといって写真を投稿、おしゃれで楽しげな生活を表現していたようです。現実逃避を満喫していました。 その間、子どもは放置され続け、誰からも救いの手を差し伸べられませんでした。発見されるまで、結局約50日間放置され続けたことになります。 気温が上がる時期に冷房を消した部屋に放置され、ひたすら母親の帰りを待ち続けた子供たちの気持ちを思うと、心が沈んでしまいます。
異臭が問題となり下村早苗は一旦帰宅するもホストとホテルで一夜を過ごした
7月の終わりに、マンション住民から異臭の苦情があり、管理人は風俗店上司に連絡を入れます。その頃には下村早苗は風俗店勤務も休みがちだったようです。 下村早苗は一旦帰宅しますが、2人の子どもの変わり果てた姿を見て、早々に部屋を出たといいます。上司にも「子どもらも放ったらかしにしてるから部屋には行かないで欲しい、どうしていいかわからない」とメールで連絡します。 その日、彼女はそのまま交際相手のホストと遊びに出かけてホテルに宿泊したといいます。
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大阪2児餓死事件の犯人逮捕と判決
下村早苗は逮捕されます。マスコミ報道が流れ、下村早苗に対するバッシングは相当なものがありました。 しかし、1人での育児の大変さを理解する者もおり、下村早苗がどのような刑罰を受けるのかは注目を集めました。下村早苗が逮捕後どのように裁かれたのかについて見てみましょう。
下村早苗は逮捕後精神鑑定がなされた
これまでの行動を見れば分かるとおり、下村早苗は普通の精神状態ではなかったのではないかと思われます。子どもを置き去りにしたことはもちろん、遺体を発見した当日も通報せず、ホストと遊び続けたのですから、まともな精神状態ではなかったともいえます。 つまり、刑事責任能力がないという可能性も考えられたのです。逮捕後、下村早苗は精神鑑定がなされました。 その結果、刑事責任能力はあると判断されました。そして、大阪地検は下村早苗を殺人罪で起訴します。