苗山事件の真相とは。大地震の直後に起きた謎多き放送事故の詳細や様々な説に迫る。

1分でわかる苗山事件

1分でわかるニュースの要点

2007年の能登半島地震の中継で起きた放送事故
苗山と名乗る人物がインタビューの最中に別人になる
何が起きたのか真相は今でも不明

井の頭公園バラバラ殺人事件とは？未解決事件の様々な謎について迫る。1994年4月、東京都三鷹市で発生した「井の頭公園バラバラ殺人事件」は、当時ニュースで広く取り上げらました。その凄惨な事件は世間を大いに震撼させるものでしたが、同時に多くの謎が残る事件でもありました。今回は多くの謎を残した「井の頭公園バラバラ殺人事件」について紹介します。

新型コロナウイルスに関連したデマが流出。情報の取捨選択、情報リテラシーが求められる。新型コロナウィルスに関するデマ情報が拡散されています。熱湯やアオサが予防になるなど、科学的根拠がないものが人づてにあたかも真実であるかのように広まっています。インターネットやSNSで良かれと思って拡散されるこういった情報は裏付けのないまま瞬時に拡散される可能性が高いため、個々人の判断で見極める必要があります。今回は新型コロナウイルスに関連したデマに切り込みます。

苗山事件の概要

2007年の能登半島地震の直後、NHKのある番組が現地とコンタクトを取りました。その際に行われた電話インタビューで、不自然な沈黙の後に、インタビューされていた人物の声が明らかに変わりました。その時、最初に電話に出た人物の名前を取って、苗山事件と呼ばれています。

2007年に起きたNHKでの謎の多い放送事故

2007年3月25日、石川県の能登半島で地震が発生しました。この地震発生を受けたNHKのある番組は、スタジオから現地の中能登町役場と電話中継を試みます。放送事故が起きたのはその最中でした。地震直後の混乱のせいか情報が少なく、謎めいた事件とされています。この時の放送は視聴者が録画しており、現在でも動画サイトなどで視聴することができます。

能登半島で震度6の地震が起き、中継の際に事件発生

能登半島地震は震度6の地震でした。NHKは現地と連絡を取って、奇跡的に繋がったのが中能登町役場です。電話インタビューでは最初、地震で役場に駆けつけたという人物が、冷静に受け答えをしていました。しかし不自然なタイミングで会話が途切れた後、なぜか電話の声が別人に変わっていました。

苗山事件の謎

事件の謎は大まかに3つあります。どんな理由で途中で別人と入れ替わったのか、どうして1人目と2人目で発言に矛盾があるのか、そしてなぜ地震直後に不通の起きていた現地と電話が通じたのかという点です。詳細を見ていきましょう。

電話のインタビューに｢苗山｣さんが対応

電話のインタビューに答えた1人目の人物は、自分のことを苗山と名乗りました。苗山さんは50代前後の男性と見られており、非常に落ち着いた声で、アナウンサーの質問に1つ1つ丁寧に返答していました。ところが苗山さんの声は役場の停電について答えたことを最後に、数秒間途切れてしまいます。そして通話が戻った時にはまったく別人になっていました。

沈黙の後に、苗山さんとは違う男性の声に変わる

電話の声が変化したのは、中継が始まって2分が経過した頃です。停電に回答していた苗山さんの声が、不自然に沈黙してしまいます。数秒後、電話の声は苗山さんよりも高く、ハキハキ喋る男性のものに変わっていました。この事件は1人目と2人目で声と口調に明かな違いがあることから、謎めいた放送事故として徐々に有名になっていきました。

電話を誰かと変わったかNHKが尋ねると否定

電話の声が別人に変わったことは、インタビューしていたアナウンサーも気づいたようです。アナウンサーは声が変化した後電話の担当が変わったかどうか2回を尋ねています。2人目の声は別人になったことを否定、あるいは沈黙で返し、あくまでも苗山さんだとし続けました。なぜ同一人物と押し通したかは不明ですが、少なくとも207年に苗山という人物が中能登町役場にいたことは間違いないようです。

地震直後になぜ電話が通じたのか

電話口の不自然な交代に注目されがちですが、苗山事件の謎は他にもあります。それはなぜ現地と電話が通じたのかということです。中能登町は能登半島地震の震源地間近で、その影響から固定電話も携帯電話も数時間不通になっていました。それにもかかわらず中継が繋がっていたのは、事件の一番の謎かもしれません。衛星電話なら災害時でも使用可能なので、中継で衛星電話が使われた可能性はあります。

苗山事件の真相の様々な説

苗山事件の電話中継は2分30秒ほどで終わりました。その後は不自然な点の追跡調査も行われず、10年以上経過した現在でも真相は不明なままです。しかし苗山事件が未解決事件、都市伝説として有名になっていくにつれて、いくつか仮説が考え出されていきました。特に有力なのは混線説、操作ミス説、事故隠蔽説の3つです。

役場内部で混線が起こり、別人に繋がった

有力仮説の1つがこの混線説です。事件が起きた当時、能登半島地震で現地は大変な混乱状態でした。地震で電柱の倒壊が発生し、中能登町役場内の電話線にも大なり小なり影響が及んでいたはずです。その結果、インタビューの途中で混線が起こり、苗山さんが別人と入れ替わったのではないかと言われています。この仮説なら、会話の途中で不自然に間が開いたことにも説明がつきます。

現場の操作ミスで別人の受話器に切り替わった

操作ミス説は現場の混乱に着目しているという点では、混線説と近い仮説となっています。役場に限りませんが、一般的に使われる内線は、簡単な操作で受話器の切り替えが可能です。苗山さんがなんらかの理由で通話を保留しようとした結果、誤って別人の受話器に繋がってしまった、というのが操作ミス説です。会話途中の不自然な間も、重要な伝達事項を聞くために受話器から離れたと考えば辻褄が合います。

情報伝達を優先して同一人物のまま話した

混線説も操作ミス説も、通話者が別人に変わったことの説明にはなっていますが、別人が苗山さんを装って話し続けた謎は残ったままです。そこで考えられたのが、情報伝達を優先したという仮説です。中能登町役場では当時、複数の職員が地震の対応に当たっていたはずです。中能登町役場から各地の被害確認、情報伝達など様々な連絡を電話で行っていたに違いありません。混線か操作ミスのどちらかが発生した後、2人目の人物は交代したことを否定して余計な時間をかけるより、そのまま話続けた方が有益だと考えたのではないかと言われています。

事故隠蔽説

さほど有力ではないものの、苗山事件を陰謀論的に捉えた事故隠蔽説という仮説もあります。苗山さんは当初、インタビューに対して地震の影響で停電が起きていると語っていました。しかし2人目の人物はアナウンサーの質問に対して、復旧したと断言しています。発言が矛盾していることから、苗山事件は能登半島地震で発生した志賀原子力発電所の事故を隠蔽しようとして起きた、というのが事故隠蔽説の根拠です。ただし苗山さんは地震直後の停電を語ったのに対して、2人目の人物は現在復旧していると言っているので、時間経過で停電が回復しただけの可能性があります。

同姓説や多重人格説

他にはやや突拍子もない話ですが、同姓説や多重人格説という仮説もあります。同姓説は混線説や操作ミス説の派生で、2人目の人物も苗山さんと同じ苗山姓だったとする仮説です。多重人格説は1人目も2人目も苗山さん本人ではあるものの、人格が切り替わって声が変わったという仮説ですが、こちらの信憑性はかなり低いでしょう。

苗山事件、苗山さんのその後

苗山事件の後、苗山さんがどうなったか詳細は不明です。一部の人が中能登町役場に苗山さんの確認をしたところ、該当する職員はいないと回答されたとも言われています。しかしこの質問と回答は、あくまでネット上の噂なので、本当にこのやりとりがあったかは怪しいです。中能登町役場の広報誌によると、少なくとも2007年まで苗山という職員が在籍していたことは間違いありません。2011年には広報のお悔やみ欄に苗山さんの名前があったとの噂もありますが、こちらも本当かは不明です。また中能登町役場がホームページ上で、苗山さんの無事を告知したという噂も流れましたが、これはフェイクニュースだったことが判明しています。このように2020年現在でも、苗山事件は情報が錯綜して真相が不明のままとなっています。

苗山事件に類似の放送事故

苗山事件のような放送事故は今までに日本以外でも起きています。代表的なものだとマックスヘッドルーム事件やワイオミング事件などが有名です。原因や犯人も未だにわかっておらず謎の多い電波ジャック事件、放送事故として扱われています。詳細は下記のリンクからぜひご一読ください。

マックスヘッドルーム事件は最も有名な電波ジャック事件。誰が何の目的で犯行に及んだのか。1987年にアメリカで発生した未解決の電波ジャック事件です。犯行が1日に2度、それも他に例がないほど長時間電波ジャックが行われたことから、テレビ史に残る有名な事件となっています。マックスヘッドルーム事件は犯行の意図が不明で、真犯人がどうやって実行したのかという謎が多く残されています。犯人像には諸説ありますが、いずれも仮説の域を出ていません。

ワイオミング事件はフェイクニュースの可能性。不気味な電波ジャック事件の真相とは？ワイオミング事件はアメリカのローカル局のニュース番組が何者かに6分間にわたり乗っ取られたとされる電波ジャック事件です。オカルト関係者を中心に興味が持たれ解明が進められた結果、YouTube上に流されたフェイクニュースである可能性が高いとされています。ネット上に真相暴露記事がアップされましたが、事件をねつ造した人物の特定には至っていません。今回は謎が謎を生んだワイオミング事件に切り込みます。