1分でわかる目黒女児虐待死事件
ニュースの要点
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2016年12月に香川県の児童相談所は女児を一時保護
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2017年に2度父親を傷害容疑で書類送検するも不起訴
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2018年3月女児が死亡し、両親を保護責任者遺棄致死罪で逮捕
目黒女児虐待死事件の概要
「目黒女児虐待死事件」は、2018年3月2日に発生しました。同日18時過ぎに5歳の女児が、衰弱した状態で救急搬送されたことで発覚したのです。残念ながら女児は翌日死亡してしまいました。
船戸結愛ちゃんが義理の父親の船戸雄大に虐待された
「目黒女児虐待死事件」の被害者の名前は、船戸結愛(ゆあ)ちゃんといいます。結愛ちゃんの母親である優里被告が、2016年に船戸雄大被告と再婚し香川県善通寺市で同居を始めました。 そして、船戸雄大被告による結愛ちゃんへの虐待が始まります。同年8月には近隣住民から児童相談所へ通報があり、虐待は認知されていました。 2018年1月に船戸一家が東京に転居した際には、香川県の児童相談所から管轄である品川相談所への案件移管も行われていたのです。
児童相談所により保護、指導など受けていた
2016年9月に、船戸夫婦の間に長男が誕生しています。しかし結愛ちゃんへの虐待が治まる気配はなく、同年12月に児童相談所が一時保護に踏み切りました。 2017年2月に一時保護は解除されたものの、3月には再び一時保護を受けます。しかし同年7月には両親に対する指導措置をつけるという条件で、一時保護を解除しました。 同年8月に結愛ちゃんは医療センターに搬送され「パパにやられた」と訴えたものの、優里被告が否定したため再び保護されることはありませんでした。
船戸雄大は傷害で書類送検されたことも
結愛ちゃんはパジャマ姿のままで家の中に入れてもらえない様子や、顔や体にアザと傷があることを近隣住民に目撃されています。ネグレクトや虐待を日常的に受けていることは明らかで、近隣住民は結愛ちゃんのことを心配していました。 そのため何度となく児童相談所に通報され、2017年2月並びに5月には結愛ちゃんに対する傷害容疑で書類送検もされていました。しかし傷害容疑はどちらも不起訴となり、結愛ちゃんは自宅で両親のもと生活せざるをえない状況に置かれていました。
目黒女児虐待死事件の逮捕と判決
結愛ちゃんが搬送先の病院で死亡したのは、2018年3月3日のことです。その日に船戸雄大被告が、同年6月には母親である優里被告も逮捕されました。
船戸結愛(ゆあ)ちゃんの両親を保護責任者遺棄致死で逮捕
2018年3月3日、船戸雄大被告は結愛ちゃんへの傷害容疑で逮捕されます。そして虐待の証拠を掴み立件するため、警視庁は捜査を続けたました。 その結果、3ヶ月後の同年6月6日に保護責任者遺棄致死の容疑で、両親が逮捕されます。食事を与えないばかりか、体調不良を訴えても病院を受診させないまま放置していました。結愛ちゃんは嘔吐を繰り返し、皮膚に異常が出たりと衰弱していき、そして死亡しました。
東京地裁により母親の船戸優里に懲役8年の判決が下され、控訴
2019年9月17日、東京地裁において船戸優里被告の判決公判が行われました。裁判員裁判で下された判決は、懲役8年です。 検察側の求刑は懲役11年でしたが、弁護側が元夫からの心理的DVの影響があるとして懲役5年相当を主張していました。同年同月30日に判決を不服として、優里被告と弁護人は東京高裁に控訴しています。