2001年に起きた歌舞伎町の雑居ビルでの火災
歌舞伎町ビル火災は、2001年に起きました。事件の現場となった雑居ビルである「明星(みょうじょう)56ビル」には、麻雀を楽しむ店やセクシーパブなどが入っていました。 実際に火災が発生したのはその麻雀店がある3階とセクシーパブのある4階あたりです。麻雀店があるエレベーター辺りが出火元でした。「歌舞伎町ビル火災」は他に類を見ないほどの大きな被害を出した火災事件として数えられるようになり、マスコミにも大きく取り上げられました。 この事件は多くの犠牲者を出すとともにビルの管理体制を見直す機会を作ったものであると言えます。
歌舞伎町ビル火災の原因と被害拡大の理由
歌舞伎町ビル火災(画像:Unsplash)
「歌舞伎町ビル火災」は、なぜ起きてしまったのでしょうか。そもそも雑居ビルでそれほど大規模な火災が起こることはあまり考えられません。
歌舞伎町ビル火災の原因はガスメーター。放火の可能性が高い
歌舞伎町ビル火災の真実は明らかになっていません。 火災の原因は、3階に設置されたガスメーターにありました。発見時の状態はガスメーターそのものがガス管から外れた状態でした。これは何者かの手によって外されたのではないかという説が持ち上がりました。 配管を繋いでいる部分が自然に溶解するほど高温になることは考えにくいということから、今もなお放火なのではないかという説は消えていません。
火災報知器の設置の不備
火災報知器の設置についても問題がありました。もともと電源が切られていたために作動しなかったということもあり、火災が発生した時点では役に立ちませんでした。 また、4階にある火災報知器に至っては、天井に備え付けてある火災報知機を内装材で覆い隠されていました。歌舞伎町ビル火災が起こった時には火災報知器はその役割を果たせず、ビル管理側の不手際が明らかとなりました。
避難通路に荷物があり、客の避難が進まなかった
被害が拡大した理由の1つとして挙げられるのが、避難通路に大量の荷物が高く積み上げられいたせいで通れなかったということです。3階と4階の間は椅子とロッカーで塞がれており、唯一の避難経路である入り口の階段にたどり着くことができませんでした。 また、3階には避難器具が設置されておらず、4階のものは使うことができない状態であったため、客は実質的に閉じ込められた状態になっていました。
44人が一酸化炭素中毒で死亡
「歌舞伎町ビル火災」で死亡したのは3階と4階にいた客と従業員を合わせて44人です。この数字は驚異的なもので、戦後の火災事件・事故の中でもかなり大規模な被害であると言えます。 歌舞伎町ビル火災の被害者は、全員一酸化炭素中毒で亡くなっています。大やけどを負って亡くなってしまったわけではなく、煙が回ってために呼吸ができなくなり絶命したと考えられます。
数名の従業員は窓などから脱出した
火災から逃れるために窓から飛び降りて脱出した人がいました。火事が起きていることを知った従業員のひとりは3階の非常口からそのまま飛び降り、火災が起きていると通報しました。他にもふたりの従業員が事務所の窓から飛び降りて助かりました。 この3名はいずれも3階の麻雀店の従業員でした。また、他にも脱出した人物がいるという目撃情報もありますが、定かではありません。