1分でわかるジー・オーグループ
1分でわかるニュースの要点
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大神源太が創設した詐欺グループ会社
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実態のない通販ビジネスの被害額300億円
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集められたお金は大半が私的利用
ジーシステムによる様々な事業
大神源太が考案したジーシステムは登録会費やエントリー料の名目でお金を集める仕組みです。被害に遭った人々は大きな金額を騙し取られました。言葉巧みにお金を集める詐欺システムの実態や集金額の詳細について迫ってみましょう。
ジーシステムでの広告費を募る詐欺
大神源太はジーシステムと呼ばれる通販システムを考案し、登録者から会費やエントリー料をせしめていました。ただし通販システムといっても実態はありません。 システムを使用するためには会員登録が必要でしたが、その際には高額な登録料が必要です。さらに商品を販売するには広告費が発生しますが、実際に通販が行われた形跡はありません。 つまり架空の通販システムをでっち上げ、登録料と広告費を2重で巻き上げるシステムです。また、詐欺システムを下支えする会員は求人サイトなどで、新規在宅ワークを装って募っていました。
300億円以上を集めた
詐欺の手口としては非常に幼稚なものでした。しかし大神源太は自らをプロデュースする能力にたけており、瞬く間に会員を集めます。中には高齢者やリストラに遭った人々など社会的弱者も多く含まれていました。 その結果300億円を超える資金を短期間のうちに集めます。騙された人の中には、内心「上手くいくわけがない」と感じていた人もいたようです。 しかし多額の資金を投入しており引き返したくても引き返せない状況であったことが想像できます。こうしてジー・オーグループは大きな金額を手にしますが、大半は大神源太の私的用途に消えました。
大神源太の登場するCMや映画などが話題に
ジー・システムが巨額の富を得た背景には、独特の宣伝力があったといえるでしょう。大神源太は会員から集めた大金を派手なCMや映画に注ぎ込んでいきます。 これらは自主製作の陳腐な作品ではなく、大きなお金が注ぎ込まれていました。CMにはアクション映画で有名なジャン・クロード・バンダムが起用されています。 本人逮捕で公開にならなかったものの映画にはアクション俳優のジェフ・スピークスマンと共演を果たしました。そのためユーザーはジー・システムの仕組みを信用してしまったといえるでしょう。
出資法違反、詐欺などの容疑
ジー・オーグループが実質的に資金集めを開始したのが1996年です。プロモーション活動の成果もあり短期間のうちに巨額の資金を集めます。 しかし実態のない詐欺商法であったため2002年には警視庁の一斉捜索が始まりました。大神源太は出資法違反と詐欺容疑で身柄を拘束されます。これまでにも数々の詐欺事件を繰り返してきましたから早い段階からマークされていたのは明らかです。 ずる賢い人間であれば、警察の捜査を察して自粛するものですが、最後まで派手な活動を辞めなかったところに大神源太の本質が見え隠れします。
ジー・オーグループの裁判とその後
大神源太らジー・オーグループ幹部は一斉捜査から6か月後に逮捕されます。グループ企業は実態もなくすぐさま破綻しますが、被害者の無念が晴れる状況になるはずもありません。こういった状況下で裁判はどのような結果を迎えたのでしょうか。
大神源太には懲役18年
主犯の大神源太には懲役18年が言い渡されました。詐欺事件にしては重く感じる人もいます。しかし集めた金額が300億円を超えるなど社会に与えた影響の大きさが考慮されたといえるでしょう。 彼はこの判決を不服として最高裁まで闘い続けますが判決が1年たりとも覆ることはありませんでした。現在は懲役に服しており模範囚だったとしても当分は娑婆に出てくることは不可能です。 しかし被害者にお金が戻ることはなく、後味の悪い結末となったことは確かだといえるでしょう。
グループ会社は全て破綻
ジー・オーグループは通販ビジネスのほか債権回収や新聞社など7社の共同体でした。ただしほとんどは名ばかりの会社であり実態はありません。 また警視庁の一斉捜査がはじめると次々に破産宣告を受けており一社たりとも残っていません。もちろん大神源太の出所はずいぶん先のことになりますから復活することもないでしょう。 一説には財産を隠しており出所後に裕福な暮らしをするのではないかとの噂もありますが真相は定かではありません。
悪徳商法は現在もはびこる
いつの時代にも悪徳商法は日常生活の中ではびこっているのが実態です。事件が大きくなると人々は警戒しますが、少し時間が経過すれば同じような事案が発生します。世間を騒がせた事件やその後の規制はどうなっているのでしょうか。
安愚楽牧場、ケフィア、豊田商事
近年世間を騒がせた事件といえば「安愚楽牧場」「ケフィア」「豊田商事」が思い浮かびます。いずれも言葉巧みに騙され、大きな金額を盗み取られた事案です。 犯人グループは高齢者など社会的な弱者にターゲットを絞り、あり得ない儲け話で近寄ってきます。最初は小遣い程度の出資が気付いた時には数百万円から数千万円の被害に陥っているパターンが大半だといえるでしょう。 最悪なのは犯人が逮捕されても、既に集めたお金は消えていることです。いずれの事件でも被害者は泣き寝入りするしかありませんでした。
年々規制は強まっている
ジー・オーグループによる悪徳商法ではわずか5~6年の間に300億円を超える被害に拡大しました。主犯の大神源太は懲役18年が確定したものの、グループ会社は消滅しており被害者にお金は戻ってきません。 こういった詐欺事件は年々規制が強まっているものの後を絶ちません。騙す側に問題があることは明白ですが、あり得ない儲け話に飛びつく側にも問題があるといえるでしょう。 怪しい話には耳を貸さず、地道にお金を貯めることが詐欺被害に遭わないための防止策だともいえます。