1分でわかるヘリオス航空522便墜落事故
ヘリオス航空522便墜落事故とは
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ギリシャ航空史上最悪の飛行機事故
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事故原因は点検時のミス
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機体はアテネ北方の山岳地帯に墜落
ヘリオス航空522便墜落事故は2005年8月14日に起きた航空事故で、乗客・乗員121名全員が命を落とす大惨事となりました。 事故原因は離陸前の点検時に起きた些細なミスで、それに気づかずに機体は離陸してしまいした。機内の気圧が下がり、パイロットや乗客は意識を失います。やがて燃料を使い果たした機体はアテネ北方の山岳地帯に墜落してしまいました。
ヘリオス航空522便墜落事故の概要
「ヘリオス航空522便墜落事故」は2005年にギリシャで起きた飛行機事故です。離陸前の機体点検時のミスにより、機内が酸欠状態に陥ってしまいました。 結果的にアテネの北方の山岳地帯に墜落し、この事故はギリシャ航空史上最悪の事故となってしまいました。この事故の概要について説明します。
2005年にギリシャで起きたヘリオス航空の航空事故
2005年の8月14日、キプロス新興航空会社ヘリオス航空の522便はキプロスからプラハへ向けて離陸しました。 しかし、与圧システムの異常により、機内の気圧は急激に低下していきます。そのことに気づかずに飛行を続けた結果、乗客・乗務員全員が低酸素症になり、ほとんどの人たちが意識を失ってしまいます。 操縦士も意識不明のまま、機体は自動操縦で飛行を続けましたが、やがて燃料が底をつき、アテネ北方に位置するグランマティコ村付近の山間に墜落しました。
乗客乗員の121名が死亡した
「ヘリオス航空522便墜落事故」は乗客乗員合わせて121名全員が死亡するという最悪の結末で、ギリシャの航空史に刻まれることとなりました。 あと航行が5分続いていたら、アテネ市街地への墜落を防ぐための戦闘機による撃墜が検討されていたほどです。 事故を防ぐためのチャンスはいくつもあったにも関わらず、このような大惨事に発展してしまったことは航空会社の大きな反省点となりました。
ヘリオス航空522便墜落事故の原因
今回の事故の原因は離陸前点検の不備にありました。事故前の点検の際、整備士は本来ならバルブをオートモードに戻さなければならないところをマニュアルモードのままにして立ち去ってしまい、それに誰も気がつかなかったのです。 墜落事故の原因について詳しく解説していきます。
整備士によるスイッチの戻し忘れ
事故原因は、事前点検の時に起きていたと言われています。点検の際、機内を航行時と同じ気圧にするために空気を取り込むバルブをマニュアルモードにし、空気を取り込みます。 点検が終わったらバルブを開けて、空気を排出した後バルブをオートに戻します。そうすることで航行中でも自動で機内の気圧を一定にキープしてくれるのです。 しかし事故前の点検の際、整備士はバルブをオートモードに戻すことを忘れてしまいました。
パイロットが確認するも見落としていた
点検の数時間後、操縦士たちがコクピットに入りました。この時点でバルブはオート状態にされていなければならなかったのですが、マニュアルにセットされた状態のままでした。そして操縦士たちはそのことに気づくことなく、離陸の準備に取り掛かりました。 そして9時7分定刻通り、キプロスの空港を離陸します。バルブが正常に機能していないままであったために機内の気圧は低下を始めます。 それにより警報が作動しました。しかし、気圧の低下を知らせる警報の音は離陸警報装置と全く同じ音だったため、異常の原因に誰も気が付きませんでした。
機内の異常に気づかず低酸素症に
操縦士たちはバルブが正常にセットされていないことに気がつかないまま飛行を続けます。 しかし、機体が高度16,000フィート(約5,000メートル)にのぼろうとした時、マスター警報装置が作動し、客席から酸素マスクが落下しました。そして人々はようやく異常に気がつきます。 機体の上昇に伴い、機内の気圧はどんどん低下していきました。そして機内の酸素はどんどん薄くなり乗客・乗員は低酸素症に陥ります。低酸素症になると呼吸機能が低下し、神経の機能が衰えて意識を失います。