破産者マップが閉鎖から復活か？プライバシー侵害や名誉毀損で訴訟されたサイトの運営の目的とは。

世の中には親の介護や病気など致し方ない理由で破産する人も存在します。ただ破産者情報には個別の事情までは記載されません。破産の事実と個人名、住所などが記載されるのみです。 破産者マップにも個別の事情が掲載されることはないので、不本意で破産してしまった人にとっては破産者マップは非常に迷惑なものになります。 すべての破産者を一律に扱ってしまうこと自体に問題があり、破産者マップはその問題を助長してしまったといえます。

破産者マップによる破産者情報の公開はプライバシー権の侵害にあたる可能性があるとされ、集団訴訟に向けて弁護団が結成しました。 サイトの削除、損害賠償の請求のために訴訟の準備を進めている模様です。 破産者マップの存在自体が利用者にとって有益性が少ないと主張され、本当に破産者の情報を知りたければ官報を見ればよく、わざわざマップ形式にして公開する必要はないとも言及されています。

破産者のプライバシーを無視した運営に対して行政が動きました。個人情報の取り扱いを所管している政府の個人情報保護委員会は破産者マップの運営者に対して行政指導を行いました。 本人の同意を得ないで個人情報をむやみ提供するのはNGとしました。この行政指導を受けて、破産者マップは2019年3月19日に閉鎖されました。 ただ破産者マップの運営者は反省している姿勢を見せておらず、「破産者マップが本来の意図とは異なる使われ方をされて残念」というコメントを残して、消息を絶っています。

破産者マップは姿を消しましたが、同じようなサイトがネット上に作られています。サイトの名前は「Monster Map」です。 Monster Mapは日本の行政の網から逃れるために、海外のサーバーを経由するなどして法律の目を抜けてきています。破産者マップと同じように行政が指導ししにくい状況です。 Monster Mapが出現した時期から考えると、ほとぼりが冷めた後に同じ手口で破産者の情報を公開しようとしている者がまだ存在していると考えられます。