1分でわかる福岡一家4人殺害事件
1分でわかるニュースの要点
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金銭目的で中国人留学生が引き起こす
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生活苦に耐えられなくなり強盗事件を計画
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中国政府は事態を重く捉え捜査に協力
福岡一家4人殺害事件の概要
福岡市東区で発生した「福岡一家4人殺害事件」は残忍で冷酷な手口から日中両国に大きな衝撃を与えます。犯人は早い段階で逮捕されましたが、明らかにされたのは哀しくも残酷な事実ばかりでした。今も多くの人々の記憶に残る凄惨な事件の概要とは如何なものだったのでしょうか。
中国人留学生3名による犯行
「福岡一家4人殺害事件」の犯人は中国人留学生3名です。犯行に使われた凶器などの入手経路などから、すぎさま捜査線上に3人の姿が浮かびます。3人のうち2人は中国でも両親の間に親交があり福岡市内でも同居していました。 残りの1人とは福岡市内のネットカフェで知り合い3人は意気投合します。3人とも苦しい生活を強いられていたため、いつしか窃盗などの犯罪行為に手を染めるようになりました。 3人は私立大学生、日本語学校生、専門学校生と将来を嘱望されていただけに家族の落胆ぶりは想像に難くありません。
金銭目的の犯罪を企てており余罪もあった
3人の留学生は金銭目的の犯罪行為を繰り返すうち、強盗計画を企てるようになります。エスカレートする犯罪行為は誰にも止められなかったのでしょう。 実際、彼らは他の中国人留学生らとともに事件直前まで日本語学校やファーストフード店などから現金を盗難しています。その他にも数多くの余罪があり、「福岡一家4人殺害事件」へとつながっていきました。 当初はアルバイト先をターゲットとしていましたが面が割れることを恐れ頓挫しています。そこで「裕福そうな住宅」を中心にターゲットを物色するようになりました。
ベンツを所有する家庭に強盗に入る
「福岡一家4人殺害事件」の被害者宅は福岡市内の閑静な住宅地にありました。40代前半の夫婦は2人の子供に恵まれ幸せに暮らしており主人の愛車はベンツです。 中国人留学生のアルバイト先が付近にあり、偶然「ベンツ」を見かけたことからターゲットに選ばれてしまいます。彼らは被害者宅には多額の預金があると考え、強盗計画を練り始めますが極めて幼稚なものでした。 また犯行発覚を恐れ最初から全員を殺害することを決めていたほか、分け前を増やす目的でそれぞれが仲間の1人を殺害することも考えています。
事件発覚を恐れ一家4名を殺害
犯行は2003年6月19日から20日にかけて実行されました。当初は主人が帰宅した瞬間に押し入ることを計画していましたが、偶然にも窓が開いていたことから次々と侵入します。 被害者宅は2階建てで子供たちは2階、夫人は1階で入浴中でした。中国人留学生たちは1階の夫人を浴槽で殺害しました。さらに2階に上がり長男を殺害した後、長女を人質にして主人の帰宅を待ちます。 20日未明に帰宅した主人は娘を殺害しないよう懇願するも聞き入れられることはなく、一家4名は殺害され博多港に遺棄されました。
凌遅刑などの残虐な一面も
「福岡一家4人殺害事件」では犯行手口の残虐性から「まるで凌遅刑のようだ」と指摘する人もいます。凌遅刑とは清の時代に中国で行われていた処刑方法です。 極刑に処す犯罪者の身体を生きたまま削ぎ落す残虐なものでした。中国人留学生の犯行は身体を削ぎ落すものではなかったものの、次々と家族を殺害します。さらに主人は暴行を加えられた後、生きたまま海中に沈めらました。 この事件をきっかけに中国人の犯行手口は「残虐」「冷徹」「非情」といったイメージがついたのも事実です。
福岡一家4人殺害事件の逮捕と裁判
「福岡一家4人殺害事件」はその残虐性からマスコミを大いに賑わせます。さらに犯人が中国人留学生であり2人は中国国内で逮捕されたことから、その行方が大いに注目されました。異例な措置が取られることとなった逮捕から裁判までのプロセスに迫ってみましょう。