1分でわかる富士山滑落事故
1分でわかるニュースの要点
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ニコ生配信者が富士山で遭難
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約800m落下し激しく損傷した遺体で発見
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視聴者数稼ぎが目的の軽率な行動が原因
富士山滑落事故の概要
2019年に発生した富士山滑落事故は動画配信者が落下する模様がネット上に映し出されるショッキングなものでした。驚いた視聴者の連絡で救出を試みる死亡が確認されます。なぜ配信者は雪山の登山に踏み切ったのか、事故の真相や動機に迫ります。
ニコ生配信者が配信中に滑落
ニコ生配信者が富士山登山を配信中に滑落する事故が起きました。ニコ生はライブ配信を目玉としているサイトです。さまざまな人々が趣向を凝らした動画を配信しています。 ちょっとしたアイデアで誰も見たことがないようなシーンが見られるのが大きなメリットです。その反面、ウケを狙うあまりリスキーな動画をライブ配信する配信者も多くいます。 配信者の安易な発想が悲惨な結果に結びつきました。今回の事故はまさにリスクを省みず危険な登山を行ったことに起因していえるでしょう。
死亡し遺体で発見
配信者は富士山の登山プロセスをライブで配信していました。その最中に誤って足を滑らせてしまいます。配信者は約800m落下し全身を強打しました。 その一部始終はサイトに映し出され視聴者が100当番通報することになります。すぐさま警察が出動し救出を試みるも配信者は既に死亡していたのが事故の概要です。 遺体は激しく損傷しており事故の凄惨さを物語っています。死亡した配信者は40代後半の男性であり単独で登山していた模様です。
とても軽装であった
ライブ配信していた男性はとても軽装であったことが確認されています。スパッツを掃いていた形跡はなく、本格的な登山用の靴ではなくスニーカーの可能性もありました。 本来、富士山クラスの雪山になればハイカットの登山靴が常識です。雪山登山には靴だけでなく服装とレイヤリングがとても重要になります。 特に冬は気温が低いだけでなく、気候が激しく変化するのが特色です。したがって汗をかき過ぎないウェアが必須といえるでしょう。配信者はこの点も十分に考慮できていなかったと推察されます。
雪山に対する知識が不足していた可能性
前項のとおり服装からしても配信者は雪山に対する経験や知識が著しく不足していたこと考えられます。さらに事故が発生した10月下旬の富士山は閉山されており非常に危険な状況です。 専門家はこの点を厳しく指摘し安易に登山する人々に警鐘を鳴らしています。つまり滑落事故は起こるべくして起きた事故だといえるでしょう。 富士山といえば日本人に最も親しみがある山です。それだけに簡単に登れると勘違いしている人もいます。しかし雪山であることは変わりなく経験者であっても十分にリスキーだといえるでしょう。
視聴数稼ぎが目的だったか?
雪の富士山は素晴らしい景色で知られます。その反面、非常に危険でベテラン登山家であっても慎重に準備を進めるのが通例です。 言い換えれば、雪山の富士山登山をライブ配信すれば注目を集めることは間違いありません。ニコ生に代表される動画サイトには多くの人々が集まります。 配信者は視聴数を稼ぎたいがために危険な動画や法律に触れるものを多く配信しているのが実情です。この事件も視聴数稼ぎが目的であり、刺激的な動画を求めエスカレートした結果だといえるでしょう。
雪山の恐ろしさ
ベテラン登山家でも雪山の登山には慎重です。反対に無知な人ほど雪山を甘く見る傾向が強くなります。気軽に登山することはリスキーな行為であることを腹に落とし込まないと、哀しい事故がなくなることはありません。雪山の真の恐ろしさとはどのようなものでしょうか。
年間10人程度が命を落としている
雪山の真の恐ろしさは経験者でなければ理解できません。だからこそ、経験者の声に耳を傾けるべきです。年間10人程度の登山家が命を落としています。 怪我や高山病などになった人を含めると相当数が雪山の恐ろしさを体現しているといえるでしょう。遭難を経験した人はパニック状態となっても「遭難したことに気付かない」と証言しています。 山中を彷徨っているうちに、足を滑らせ谷底に落下することはベテラン登山家においても十分に起こりえることだといえるでしょう。
気軽に行うべきではない
死亡したニコ生配信者は閉山されている雪山の富士山に単独で登りました。さらに登山靴やスパッツといった装備はなく軽装であったことがうかがわれます。 その動機は視聴数稼ぎであったと推察されますが、非常に危険な行為です。雪山の真の恐ろしさは実際に遭難を経験した人でなければわかりません。 一方無知な人は「天候が悪かったから」「自分は大丈夫」と考えがちです。山を甘くみていると命を落とすだけでなく、多くの人々に迷惑をかけてしまうことを自覚しなければなりません。