シャペコエンセの墜落事故から3年が経過した現在
墜落事故で多くの選手を失ったシャペコエンセの復活劇とは
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航空機事故で主力選手を失ったシャペコエンセ
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事故の大きな要因は人的なミス
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チームは奇跡的に復活するも3年後2部に降格
2016年11月に起きた墜落事故
2016年11月28日ボリビアのビルビル国際空港からコロンビアのコルドバ国際空港に向かっていたラミア航空の2933便がコルドバ国際空港の南にある山中に墜落しました。 航空機にはブラジル1部リーグ・セリエAのサッカーチームであるシャペコエンセの主力選手とチームのスタッフに加えて取材陣が乗っていました。
選手や監督を乗せた飛行機は71名が死亡
この航空機事故では71名が死亡しました。生存者はわずか6名でした。航空機に乗っていたシャペコエンセのメンバーはサッカー南米大陸選手権の決勝ファーストレグに向かう途中でした。 主力選手やチームの首脳陣をも事故で失ったシャペコエンセは壊滅的な状態に陥りました。
墜落の原因は燃料不足
世界のサッカー史上に残るこの悲惨な航空機事故の原因は燃料不足とされています。そこには到底信じられないような人的なミスが存在していました。シャペコエンセを悲劇に陥らせた墜落事故の真相に迫ります。
重なったヒューマンエラー
事故の大きな要因は航空機の燃料不足でした。これにコミュニケーション不足という人的要因が加わったという見方が一般的です。 事故を起こした2933便の最長飛行距離は当日予定していた飛行距離とほぼ同じでした。燃料の余裕は全くなかったにもかかわらず、当日の突発的な要因で目的地の空港上空で待機を余儀なくされ、航空機は墜落してしまいました。空港の管制官とパイロットのコミュニケーションがうまく機能し、またパイロットが的確な判断をしていればこの事故は避けられたのではないかと考えられています。
航空管制官に批判が集まるも問題はなく
2933便は燃料に余裕がなかったため当初は途中の空港で給油する予定でしたが、出発が遅れ途中の給油ができませんでした。重量オーバーも重なり燃料がカラカラの状態で航空機は目的地の空港上空にさしかかりました。 2933便の燃料不足状態を把握していなかった空港の管制官は他の航空機の突発的な原因のため2933便に空港上空での待機を指示しました。 この管制官の指示が原因で2933便が墜落してしまったのではないかと管制官は一時強いバッシング受けましたが、燃料不足を認識しながら通常の飛行を強行したことで非難されることを恐れたパイロットの連絡不足と判断ミスが事故の要因であり、管制官には特段の問題がなかったことが後日明らかになりました。
事故から現在にかけてのシャペコエンセ
事故によって主力選手を失ったシャペコエンセはその後どうなったのでしょうか。事故で生還できた選手や2933便に搭乗せず偶然事故を免れた選手達はどのようにしてチームを立て直していったのでしょうか。事故後のシャペコエンセの苦悩と栄光などに迫ります。
事故の翌年にクラブ史上最高の成績
悲惨な事故による選手達の訃報を受けて、決勝の対戦相手であったコロンビアのチームは決勝戦を辞退してシャペコエンセにタイトルを譲るよう申し出ましたが、シャペコエンセは丁重にこの申し出を断ります。 事故後シャペコエンセの選手・家族・スタッフは様々な葛藤や挫折に直面しますが、やがて幾多の困難を乗り越えシャペコエンセの選手達はサポータも含めた強い一体感を獲得することに成功し、翌年の2017年のシーズンでクラブ最高順位の成績を収めました。