後妻業の女が犯した連続殺人の真実
後妻業の女・筧千佐子被告の連続殺人事件
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資産家の高齢男性を次々と殺害し遺産を相続
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一審・控訴審で死刑判決、現在上告中
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事件の背景には高齢者の心の闇
京都・大阪・兵庫で起きた連続青酸死事件
小説『後妻業の女』そのままのような事件が京都・大阪・兵庫で起こりました。資産を持つ高齢の男性が亡くなり遺体から青酸化合物が見つかりました。 犯人として逮捕されたのは筧千佐子被告でした。彼女は遺産を目当てに次々と資産家の男性の後妻になったり内縁の妻となって、相手を殺害後多額な遺産を相続していました。
現在最高裁へ上告中
筧千佐子被告は3件の殺人と1件の殺人未遂罪で起訴され、一審の京都地裁で死刑判決を受けました。二審の大阪高裁でも一審判決が支持され、控訴は棄却されました。 控訴審に筧千佐子被告は出廷せず、新たな証拠調べや被告人質問なども行われないまま控訴審は結審しました。現在被告側は最高裁に上告しています。
筧千佐子被告
筧千佐子被告はどのような人物なのでしょうか。彼女は福岡の名門高等学校を卒業しています。九州大学にも入学できるような成績だったようです。そのような彼女を連続殺人へと駆り立てたものは何だったのでしょうか。
遺産目的の殺人か
筧千佐子被告は2007年12月から2013年12月にかけて3人の男性を殺害し、もう一人を殺害しようとして逮捕されました。動機は遺産目当てでした。 筧千佐子被告が起訴されているのは4人の殺人と殺人未遂ですが、彼女が結婚相談所を通じて結婚・交際した男性のうち6人が数年のうちに不審な死を遂げています。男性達はいずれも筧千佐子被告への遺産相続を約束し、公正証書を作成させられていました。
8名の死に関与した発言も4名分は不起訴
筧千佐子被告の毒牙にかかったのは8人とも10人以上ともいわれています。また相続した遺産は10億円ともされています。 彼女は高等学校卒業後メガバンクに就職し、町工場の経営者と結婚後大阪に転居しました。その後工場の経営が悪化し夫は病死したため、彼女は数千万円の借金を一人で背負うことになりました。金に困った彼女は次々と資産を持つ高齢者に近づき遺産目当ての殺人に及ぶようになったとされています。
筧千佐子被告の裁判では証拠と責任能力が争点
裁判では物的証拠の乏しさと彼女の責任能力が争点になりました。彼女は認知症の疑いがあったようです。弁護側は死亡した男性達は病死の疑いがあると主張しましたが、一審・控訴審で死刑判決となりました。どのような理由で死刑判決となったのでしょうか。
物的証拠が乏しさと筧千佐子被告の認知症を弁護側は指摘
筧千佐子被告の犯行には決定的となる物的証拠が不足していました。起訴された事件以外にも疑わしい男性の死亡事実が数件ありましたが、これらが起訴されていないのは、物的証拠の乏しさを物語っています。 また筧千佐子被告には認知症があり、弁護側は彼女に犯行の責任能力が疑われると主張していました。