旭川女子中学生集団暴行事件は少年達による強姦事件。少年犯罪を減らすために今すべきこと。

1分でわかる旭川女子中学生集団暴行事件

旭川女子中学生集団暴行事件とは

少年グループが2年間にわたって女子中学生に性暴力
教師達は見て見ぬふりで干渉せず
少年犯罪撲滅のための厳罰化が必須か

旭川女子中学生集団暴行事件の概要

旭川女子中学生集団暴行事件は一人の真面目な女子中学生が、10人の同じ中学校の男子不良グループに2年間にわたって、暴行・強姦など想像を絶する性的なリンチを受け続けた事件です。悲惨な少年犯罪の真相に迫ります。

女子中学生1名が男子中学生10名から日常的な性的暴行を受けた

事件は1994年秋から1996年の冬にかけ2年間にわたって続きました。クラスのアイドル的存在だった真面目な女子中学生が被害者です。舞台となったのは当時の北海道旭川市立北都中学校でした。犯行に及んだのは地元でも有名だった10人の不良グループです。彼らは学校の廊下をバイクで乗り回すような手のつけられない暴れ者達でした。被害者女子中学生が不良グループの一人からの告白を袖にしたことがきっかけでした。それから不良グループによる性的暴行が始まりました。最初はスカートまくりや胸・尻をタッチする程度の軽い嫌がらせでしたが行為は徐々にエスカレートし、やがて被害者にとって屈辱的な様々な行為を強要されるようになりました。

教師による通報で事件が発覚し警察が捜査に

事件が明るみになったのは1996年の冬でした。被害者女子中学生が不良グループに男子トイレに連れ込まれ、暴行を受け性器などを触られたうえ強姦された後泣いているところを教師が見つけ、少女を自宅まで送りとどけ両親に報告したことで警察が関与することになりました。被害者女子中学生に対する性的暴行は彼女が中学1年生の秋から2年間にわたって続けられていました。不良グループは暴力と脅迫的な言動で少女を完全な精神的支配下に置き、日常的に少女を強姦するだけでなく、下着を着けないで登校させたり浣腸などの暴行行為にまで及んでいました。これらの行為は学校内で公然と行われ、同級生や教師も黙認状態でした。

旭川女子中学生集団暴行事件の裁判と少年達の処分

警察が関与することになって不良グループ達は家庭裁判所で取り調べを受けることになりました。彼らは中学生ですから当然当時の少年法で裁かれることになりました。彼らの犯した行為を考えれば相応の処分が望まれるところですが、結果はどのようになったのでしょうか。

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少年たちの処分

少年達のうち主犯格の3人は少年院おくりになりました。残り6人は試験観察、1人は保護観察処分でした。少年法でいう試験観察とは最終的な保護処分を決定する前に対象者を観察下に置き、生活態度などの様子を見ることです。保護観察処分は社会の中で生活しながら立ち直るための指導を受けることです。少年法という縛りの中の処分ですからある程度やむを得ない結果なのかも知れませんが、少年といえども犯した罪に対して処罰が軽すぎるという印象は拭えません。

被害者側による損害賠償請求

1998年4月被害者女子中学生とその両親は旭川家庭裁判所による決定とは別途、北海道に対して損害賠償請求の訴訟を起こしました。問題意識は少年達の犯行を見過ごした学校側の対応が不適切だったということでした。北海道は旭川市の教育部門と教師の給与を負担しているので、責任の一端があるとして4,430万円の損害賠償を求めました。裁判の過程で少年達の凄まじい暴力と性的暴行の現状が明らかにされ、裁判所は1千万円の損害賠償を認定しました。

旭川女子中学生集団暴行事件の問題点

後から振り返るとなぜこのようなことが地方の中学校を舞台にしてまかり通ったのか不思議に思われます。被害者は2年間にわたって暴行され続けたのですから、教師や同級生が全く気づかなかったとは考えられません。ここでは事件を生んだ背景に迫ります。

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教師達の性暴力対処の不備

女子中学生は不良グループに性的暴行のために特別教室に連れ込まれそうになった際、通りかかった女性教師に助けを求めています。それを聞いて反応しかかった女性講師は不良達に「帰れ」と一括され、その場を立ち去り何の対処もしていません。まだ不良達の嫌がらせが初期段階の時、女子中学生は勇気をふるって担任の教師に体を触られることを訴えています。ところが担任は訴えから2～3日後のクラス会で軽く注意する発言をしただけでした。不良達の暴行はこれを境に一気に凶暴化しており、担任の対応のまずさが浮き彫りになっています。不良グループ達はいわゆる地元の札付きで、教師達には見て見ぬふりが当たり前という一種の空気感があり、毅然とした姿勢を示せなかったと思われます。

不良学生の存在

不良グループのリーダー格には地元有力者の息子やヤクザの子がいたとされています。彼らは中学校内外で幅をきかせており、おとなしい子は彼らに取り込まれ子分として女子中学生への性的暴行の際、見張り役などにされていました。彼らはこの旭川女子中学生集団暴行事件で問題になった女子中学生以外にも、複数の女子中学生に対して同様な性的暴行を働いていた可能性が指摘されています。彼らを野放しにさせてしまったことがこの事件の大きな要因と考えられますが、地域をあげて彼らをおさえる術はなかったのでしょうか。

旭川女子中学生集団暴行事件の類似事件

少年達の性暴力事件として有名なのが女子高生コンクリート詰め殺人事件です。埼玉県の路上でアルバイト帰りの女子高生が10代の少年達に拉致され、40日間も監禁されその間暴行・強姦され続けました。最後は殺されコンクリート詰めにして埋立地に遺棄されました。このほか少年による暴行・強姦事件としては市川一家4人殺人事件や名古屋アベック殺人事件などがあります。市川一家4人殺人事件では平成に入って初めて少年犯罪として死刑が確定し、刑が執行されています。

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少年犯罪のを減少させるためには

少年犯罪が凶悪化しています。近年特に凶悪化の傾向が強くなり、事件に性的な要素が加わっているようにみえます。何とかこの傾向に歯止めをかけることはできないのでしょうか。少年犯罪を減少させるために何ができるのでしょうか。

正しいSNSやインターネットの使い方

少年に特徴的なのは肉体と精神のアンバランスです。近年の生活レベルの向上から少年の肉体的成長は著しく、生理的な性的成熟も自然と低年齢化しています。一方で社会的な倫理観や道徳観は未成熟なままで、性的な妄想ばかりが膨らみがちです。最近のSNSやインターネットによる情報の洪水が少年達の未成熟な精神に刺激を与えています。十分に吟味されていない赤裸々な性的描写や刺激的なコンテンツが少年達に安易にインプットされてしまいます。道具や情報は使い方の問題とかたづけてしまうのは議論としては簡単です。しかしながら少年犯罪を少しでも減少させるのであれば、正しいSNSやインターネットの使い方に思いをはせることが重要だと思われます。

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教師、地方自治体が一丸となり少年犯罪を許さない

旭川女子中学生集団暴行事件の例に見るまでもなく、少年達は周囲の大人達の顔色・空気感を敏感に感じ取って行動を起こします。少年達にどこからが越えてはいけない一線かを明確に示すのは大人達の役割です。自由と野放しの無責任を混同してはいけません。自由には義務やルールがつきものであることを教えましょう。学校だけに子供達の教育を押しつけるのは現実的でないことは既に多くが気づいているはずです。見て見ぬふりしないで、ローカルなコミュニティ全体で子どの達の健全な成長にコミットする行動を起こすときです。