漫画村は漫画の違法アップロードサイト。犯人の星野ロミの逮捕や類似サイトの出現まで解説。

1分でわかる漫画村

1踏んでわかる漫画村の問題

漫画村のシステムと著作権はどうなっているか
漫画村の運営者で逮捕された星野ロミ
漫画村による被害と類似サイト

漫画村とは

2016年にサイトが開設され、無料で漫画が読み放題になっているのが漫画村です。読める漫画は、ほとんどが違法にコピーされているものであり、著作者などに許可を取っているものではありません。無料で漫画が読み放題ということで、かなりの利用者がいたのですが、2018年に閉鎖されています。社会現象にもなった漫画村の実態を、これから1つずつ紹介していくので参考にしてみてください。

著作権を無視した違法漫画アップロードサイト

先程も少し触れていますが、漫画村は著作者に許可を取らないまま漫画をアップロードしているサイトです。そのため、著作権法違反になるのですが、この著作権が少し事態をややこしくしているのです。著作権に関しては後ほど詳しく紹介しますが、問題が長期化したたため、かなり長い間漫画村での違法アップロードは続いてしまいました。読む側としては嬉しいかもしれませんが、実際に漫画を出版している側からすれば、商売が成り立たなくほど深刻な問題なのです。

海外サーバーを経由しており運営者が匿名になっていた

漫画村の違法アップロードが長期化した要因の1つとして、元になるサーバーが海外を経由していることにあります。これにより、漫画村の運営者は「海外サーバーなのだから日本の法律である著作権法は適用されない」と主張していました。しかし、これは誤りであり、たとえ海外のサーバーを経由していても、日本向けのコンテンツとなっている場合は、著作権が適用される事例が過去に存在しているのです。裁判では、過去の判例が基準になることが多いので、漫画村は違法サイトである可能性は高かったのです。

月のユーザー数は1億人でかなりの額を稼いでいた

漫画村のサイトが2016年に開設されて、2018年に閉鎖されるまでの間、かなりのユーザーが漫画を読んでいました。その数は、月間約1億人とも言われており、日本国内のサイトランキングでも上位に食い込む大型サイトとなっていました。これだけ目立つサイトでありながら、実情が漫画の違法アップロードをしているとなれば、目を付けられないわけがありません。実際、これだけのアクセスがあるので、広告収入などでかなりの額を稼いでいたことが容易に伺えます。ちなみに被害額は、約3200億円とも言われています。

漫画村の運営者：星野ロミ

漫画の違法アップロードを続けていた漫画村ですが、運営者である星野ロミはすでに逮捕されています。この人物は、漫画村以外にもかなりの違法サイトを運営していたとされ、今後さらなる余罪を追及されるとことになるでしょう。ここからは、星野ロミがどんな人物で、どのように逮捕されたのかについて紹介していきます。

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フィリピンに逃亡していたところを現地の警察に逮捕された

星野ロミは、漫画村を開設してからは日本でサイト運営を行っていました。しかし、2017年5月に講談社などの被害にあった出版社が警察へ告訴したため、事態は次第に動き始めます。捜査を続ける中で、星野ロミとその関係者数名が特定されるとともに、政府が漫画村の接続遮断をプロバイダに要請したため、アクセス自体がほとんど出来なくなりました。そのため、漫画村はすぐに閉鎖へと追い込まれてしまいます。閉鎖された後、星野容疑者はすぐにフィリピンへ渡りましたが、2019年7月、現地警察に身柄を拘束されています。

日本に強制移送された

フィリピンで身柄を拘束されたころ、ほぼ時を同じくして日本にいた漫画村の運営に関わる男女2名も逮捕されています。そして、フィリピンから身柄を移送された星野容疑者は、2019年9月24日、日本において逮捕される流れとなっています。また、先程の男女2名以外にも、男1名が星野容疑者の移送前に逮捕されています。これにより、星野容疑者を含む男3名、女1名が逮捕されることになりました。いずれも、サイトにおける違法アップロードを認めています。

著作権法違反で逮捕、刑事告訴された

著作権法違反で逮捕された星野容疑者らは、元々刑事告訴されていたので、今後裁判で判決がなされることになるでしょう。また、刑事裁判以外に民事訴訟もあるため、かなり重い刑罰が下る可能性が高いです。民事訴訟により損害賠償金額は、現時点の予想として、約1億円以上と言われています。これは、著作権法による金額としては過去最高クラスのものとなります。また、刑事訴訟による判決の予想としては、10年近い懲役が下されると予想されます。著作権法では、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金とされているので、これはほぼ確実なものと言えます。

漫画村による出版社への被害額は3000億円を超える

漫画村によって最も被害を受けたのは、紛れもなく各出版社となります。そのため、すでに民事訴訟が行われているのですが、被害額としては、先程も少し触れたとおり、3000億円を超えると言われています。ここからは、被害額や損害賠償についても紹介していきます。著作権法侵害における最大級の被害なので、参考にしてみてください。

はるか夢の址は漫画違法ダウンロードの海賊版サイト。運営者の逮捕や損害賠償請求が起こる。2019年11月大阪地裁ははるか夢の址（あと）運営者3人の控訴を棄却し、3人それぞれに懲役3年などの有罪が確定しました。運営者3人は2017年に逮捕され、2019年1月に実刑判決が言い渡されていました。懲役刑の他、3人には1億円を超える賠償金の支払いが命じられています。今回ははるか夢の址問題に切り込みます。

漫画村は広告でかなりの収益をあげていた

サイトを運営する人は、掲示する広告によって収益を出しています。広告は、主にGoogleや、その他の広告を出す企業から出ています。これらの広告をクリックする、広告サイトの商品が購入されるなどすることで収益が生み出されています。漫画村も、同じく広告収入から収益を出しているのですが、この収益はサイトに訪れる人が多ければ多いほど増えることになります。そのため、月間で約1億人も利用されていた漫画村の収益は、かなりのものになっていたと予想されています。

出版社が損害賠償を求める民事訴訟を起こした

漫画村が違法アップロードを行うことで、多くの漫画が無料で世間に露出することになります。本来、漫画などのコンテンツは紙・ネット問わず有料で提供されているものです。これがなければ、出版社は会社として利益を出せなくなってしまうのです。そのため、漫画村に違法アップロードされることで被害を被る出版社は、損害賠償を求める民事訴訟を起こすことになっていしまいました。被害額は、先程も紹介したとおり約3000億円以上とも言われているため、広告収入で稼いだ以上の金額になるでしょう。

漫画村の類似サイトの出現

漫画村が閉鎖され、運営者も逮捕されたことから、一連の出来事は収束に向かうかと思われていました。ですが、漫画村が閉鎖された後、類似サイトとされるものがまた出てきているのです。これにより、再び漫画村のような被害が出る可能性もあり、今後も摘発される可能性は高いと言えるでしょう。ここからは、漫画村の類似サイトについて紹介していきます。

違法サイトとわかってコンテンツを利用するのは違法

そもそも、漫画村のように違法アップロードを行うことは著作権法違反になることはよく知られていることです。ですが、これらのサイトを違法サイトと知っていながら利用する行為も違法と判断される場合があるのは、あまり知られていないことだと言えます。違法にアップロードされた漫画を閲覧するだけでは、ほとんど法に触れることはないとはいえ、場合によっては違法とされる可能性はあります。これは主に、違法にアップロードされたものをダウンロードした場合に該当するため、注意が必要と言えるでしょう。

ウィルス感染のリスクが大きい

漫画村やその他類似サイトを利用していると、ウイルス感染する可能性が高くなってしまいます。これは、ほとんどの違法サイトに当てはまることであり、感染すると、個人情報の流出やパソコンの機能が使えなくなるなどの被害を被ることになるのです。また、いくらウイルス対策ソフトを使っていても、ウイルス自体が日々進化していることも考えておかなければなりません。実際、個人情報を抜き取られて被害に遭うケースはよくあるため、安易に利用することは避けるべきでしょう。自己防衛のためにも、違法サイトの利用は控えましょう。

漫画の電子版の市場は拡大

漫画村での違法アップロードによる被害が注目されるのは、被害額だけが理由ではありません。これには、ネットの普及に伴う電子書籍の市場拡大が関係しているのです。紙媒体と違って、電子書籍はスマートフォンがあればいつでも簡単に見ることが出来るため、需要が高まっています。そのため、電子版の漫画を読む人は年々増加しており、漫画村はその流れを利用したサイトだったことがよく分かるのです。電子書籍などの市場規模は、現時点で、約3600億円とも言われており、今後も拡大が予想されます。そのため、今後も漫画村のような事例は頻繁に出てくることが予想され、ニュースで見る機会も増えることでしょう。

まとめ

漫画村が違法サイトであることや運営者の逮捕、その他類似サイトの出現から利用の危険性などを紹介してきました。これらは便利になったネットの機能を逆手に取ったものであり、手口はまだ多くあると言えるでしょう。今回のような違法サイトは、基本的に利用しないことが1番なので、いくら便利でも利用はしないようにしましょう。