伊藤詩織さんが山口敬之を相手取った裁判で勝訴。彼女の勇姿やセカンドレイプの問題に迫る。

伊藤詩織さんはそれでもあきらめず、今度は民事訴訟で精神的苦痛を受けた損害賠償を山口敬之氏へ請求します。これが2017年9月28日のことなので、検察審査会の議決を終えて、すぐに次の行動に移ったことがわかります。 この民事訴訟が2017年9月から2年以上続くことになります。

伊藤詩織さんが起こした民事訴訟は、損害賠償金額1100万円というものでした。 「望まない性行為により精神的苦痛を受けた」というのが、伊藤詩織さんの訴訟理由です。民事訴訟で1100万円の請求というのは比較的高額で、伊藤詩織さんの怒りや絶対に許さないという強い気持ちを垣間見ることができます。 しかし、山口敬之氏は依然として非を認めず、同意の上での行為であったと主張を一貫していました。 裁判での争点はどちらの証言がより信憑性があるかどうかという点になりました。 両者の主張の一貫性や時系列などに矛盾がないか精査が行われました。

山口敬之氏は伊藤詩織さんの訴えを受け入れないだけでなく、伊藤詩織さんに対して名誉棄損の訴えを起こします。伊藤詩織さんの民事訴訟から約2年が経った、2019年2月のことです。 山口敬之氏が伊藤詩織さんへ請求した慰謝料は1億3000万円、それに加えて謝罪広告を掲載するように求めました。 1億3000万円の慰謝料を個人へ向けて請求するというのは極めて異例で、山口敬之氏がかなり強気で伊藤詩織さんに対抗したことがわかります。

強気な山口敬之氏の訴えに、実は同意があったのではないか、という噂も出ました。しかし、結局はこの山口敬之氏の訴えがきっかけとなって裁判所は伊藤詩織さん、山口敬之氏両名の訴えを同時に審理することにします。 その結果、裁判所は伊藤詩織さんの訴えを認める判決を下し、山口敬之氏の名誉毀損の訴えを退けました。山口敬之氏は、伊藤詩織さんへ損害賠償330万円を支払うよう命じられ、事件は幕を閉じました。 裁判所は伊藤詩織さんの主張の方が整合性があり信頼できるとし、伊藤詩織さんの主張は事実であり山口敬之氏の名誉毀損には当たらないとしました。