1分でわかるはるか夢の址
はるか夢の址とは
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はるか夢の址は月間1000万人以上が利用
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はるか夢の址の運営者は2017年に逮捕
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中心メンバーは有罪、1億円以上の賠償金が確定
はるか夢の址とは
はるか夢の址は漫画、小説などの海賊版を閲覧することのできる日本有数の巨大違法サイトでした。はるか夢の址の運営形態や被害規模はどのようなものだったのでしょうか?
漫画や雑誌の海賊版を違法アップロードしていた
はるか夢の址はリーチサイトに分類される海賊版サイトでした。 リーチサイトは海賊版漫画などを違法にアップロードや公開しているわけではありません。外部サイトにある海賊版漫画や雑誌などのファイルへユーザーを誘導し、収益を上げる仕組みとなっています。 運営者は表向きには違法アップロードに関係していないことから、違法性が高いながらも法的にはグレーに近いとされていました。
被害額は700億円以上にも
はるか夢の址は関係者の家宅捜索が行われた2017年7月19日に運営者逮捕に先立って閉鎖されました。 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の調べによると、はるか夢の址には月間で1300万人もの人が訪れていたそうです。 ダウンロードされた漫画、雑誌の総数は2億冊にものぼると推定され、被害総額は概算で700億円以上と見られています。
はるか夢の址の運営者逮捕と裁判
はるか夢の址の運営者は9つの府県警による合同捜査で2017年に逮捕されました。大阪地裁で行われた裁判は2019年に判決が出ています。逮捕から裁判まではどのようなことがあったのでしょうか?
はるか夢の址の運営者9名が逮捕
はるか夢の址は普通の企業のように関係者が一ヶ所に集まっていたわけではなかったため、大阪府警や福岡県警を初めとする合計9府県警によって捜査が行われました。 家宅捜索が行われたあとの2017年10月31日運営関係者と目される9名が逮捕されました。 運営の多くは紅籍会という組織のメンバーでした。紅籍会ははるか夢の址以外にも複数のサイト運営に関わっていたようです。
はるか夢の址の中心メンバー3名に実刑判決
大阪地裁は2019年1月17日はるか夢の址の運営中心メンバーだった3人に対して執行猶予なしの有罪判決を下しました。 中心メンバーはそれぞれ懲役3年6ヶ月、懲役3年、懲役2年4ヶ月の実刑を受けています。大阪地裁ははるか夢の址の中心メンバーの行為を著作権法違反、不正指令電磁的記録作成等に該当すると指摘しました。 中心メンバーらは控訴しましたが11月1日に大阪高裁によって棄却され、判決が確定しました。
はるか夢の址の中心メンバー3名が講談社へ1億6000万円の支払い
大手出版社の講談社は2019年7月すでに刑事事件で実刑判決を受けていたはるか夢の址の中心メンバー3名に損害賠償を求める民事訴訟を起こしました。 この民事訴訟はヤングマガジンやイブニングなど合計8誌の違法アップロードを理由にして行われたものです。 講談社の主張は全面的に認められました。大阪地裁は11月18日に中心メンバー3名へ損害賠償金として約1億6,000万円の支払いを命じました。
漫画村をはじめとする海賊版サイトが蔓延る現代
違法にアップロードされた漫画、雑誌を読める海賊版サイトははるか夢の址だけではありません。 2018年に社会的に大きく注目された漫画村、2019年に報道で取り上げられたフリーブックスなど月間1,000万人を超える海賊版サイトはいくつもありました。 漫画村、フリーブックスはすでに摘発又は閉鎖されていますが、海賊版サイトを巡る問題はいたちごっこの状態を呈しています。水面下には国内国外を問わず数多くの海賊版サイトが今も存在しています。
捜査、犯人追求に手間がかかる実情
はるか夢の址のようなリーチサイトの場合、以下のような理由で捜査することが非常に困難です。 ・海賊版サイトを海外のサーバーで開設 ・実体のない会社を通して運営 ・違法アップロード自体は運営ではなく有志ユーザー また海賊版サイトの多くがいわゆる企業の体裁をしていないことから、構成メンバーの実態把握がしづらいという事情もあります。
海賊サイトの根本的撲滅には至っていない
漫画村が有名になったことで、日本ではようやく違法コンテンツを排除する機運が高まってきました。その一方で海賊版サイトは未だになくなる気配がありません。 海賊版を視聴する利用者がいる限り、違法アップロードがなくなることはないのかもしれません。 私達に唯一できることは、あやしいコンテンツをけっして利用しないということです。海賊版サイトも利用者がいなければ成り立ちません。1人1人が意識することで海賊版サイトの撲滅を図ることが重要です。