バチェラーのやらせ疑惑から考える、オンライン動画配信サービスの放送倫理の行方。

放送倫理・番組向上機構（BPO）は、憲法に基づいた放送における言語や表現の自由を確保しつつも、視聴者の基本的人権を擁護するために放送への苦情や放送倫理の問題に対応するために、NHKと民放連によって設置された第三者機関です。 問題のあった番組に対し、勧告・見解・意見の通知を行いますが、放送局に対し命令や指示などの強制力はありません。あくまでも発信側が自主的な判断によって放送倫理を順守していくことが必要で、その助言を行うのがBPOの目的です。 近年メディアを席捲しているオンライン動画配信サービスについてはBPOの取り締まりの対象外となっています。そのため番組の作り手側は、自分たちが発信したい内容を規制なく自由に発信できるとして動画配信に注目が集まっています。

人気お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志氏は自身が出演するフジテレビ系ワイドナショーにて、地上波放送におけるバラエティ番組制作の難しさについて発言しています。BPOの規制に対し作り手側が委縮し、面白い番組が発信できない問題点について提言しました。 地上波では放送できないがネット番組では放送できる内容としては以下があげられます。 ・視聴者層が狭く視聴率が見込まれないニッチな内容 ・子供のことを考慮すると放送できない過激な内容 ・広告スポンサーの問題で地上での発信が難しい内容 ・所属事務所などの問題を抱える芸能人が出演している内容 こうした内容が発信できるネット番組には、作り手側も視聴者側も注目が集まっています。

ネット動画配信サービスはどんどん市場規模を拡大させていきました。BPOからの厳しい規制を受けることなく、また広告スポンサーや幅広い視聴者層を気にすることなく番組を発信できるコンテンツは、芸能人が自身をアピールする場としても注目が集まっています。 視聴者側も家族など周りの目を気にすることなく見たい番組を好きな時間・好きな場所で視聴することができるため人気は集まっています。しかし情報の偏りによって個人の思考も偏ってしまう点、また個人間で情報格差が生まれてしまう点も新たな課題です。 お茶の間で家族揃ってテレビを囲むという時代から、今は自分のスマホで見たい時間に見たい場所で視聴するという時代に変遷しています。家族間や友人間のコミュニケーションが希薄化するのではないかという問題も危惧されます。

YouTubeは「you（あなた）」の「tube（ブラウン管）」という名の通り、ネット上に個人が自由に動画を投稿し自由に視聴することができるサービスです。2005年にアメリカで設立され、日本では2007年頃から普及しました。 youtube上で自身のコンテンツを発信する人々は「ユーチューバー」と呼ばれ、子供の将来なりたい職業の上位に挙がってくるほどの人気です。続いてはYouTubeの変遷について詳しく解説していきます。

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