Zoomにセキュリティの脆弱性が発覚し株価が一時下落。台湾やドイツでは利用を制限へ。

セキュリティの脆弱性が発覚したZoom

1分で分かるニュースの要点

セキュリティの脆弱性発覚で株価が一時下落
台湾政府やドイツ外務省が使用禁止に
Zoomに代わるオンライン会議代替ツールは

新型コロナウイルスの影響を受けテレワークに注目。問題点や事例とは？新型コロナウイルスの影響でテレワークが企業の間で導入が進んでいるといわれています。それ以前から働き方改革の一環として注目を集めていたテレワークですが、人と接する機会が少なくなるのはウイルス拡散の観点からは好都合です。しかし、テレワークの拡大には様々な課題があるのも事実です。テレワークの問題点はいったい何なのでしょうか。

台湾やドイツでは早くも利用を制限

世界的に利用者が広がっているオンライン会議ソフトウェア「Zoom（ズーム）」にプライバシー保護やセキュリティの脆弱性の問題が発覚し、米国ではGoogleなどの企業が使用を禁止しています。同社は誤って中国のサーバーにもデータを送信していたことを認めており、台湾政府やドイツ外務省といった政府機関も利用を禁止すると発表しています。

何者かが侵入する「Zoom爆撃」

Zoomではあらかじめオンライン会議に参加できるメンバーが決まっていますが、そこに何者かが侵入して妨害行為を行う「Zoom爆撃（Zoombombing）」が問題になっています。 Zoom爆撃は会議等への乱入だけでなく、公序良俗に反するポルノ画像を残したりチャットにヘイトスピーチを流すなどの事例が確認されています。米FBIボストン支部は3月30日にマサチューセッツ学校での発生を受け全米に注意を呼びかけていました。

Zoomの株価は一時下落

Zoomの9月5日（米国時間）に発表した第2四半期（4∼6月）の業績が好調だったこともあり、株価は3月23日に159.56ドルまで上昇しここ最近の最高値を付ける勢いを見せていました。しかし、セキュリティーの脆弱性が発覚後の4月7日には113.75ドルまで反落しています。

部分的に対応策を発表も完全な問題解決には至らず

Zoomは8日にサードパーティー（第三者団体）を加えたチームを編成し、90日に渡るプライバシー保護とセキュリティーの脆弱性の強化に取り組むと発表しました。更に同社は4月1日にも同様の発表をしていますが、未だにセキュリティーの脆弱性などを理由に社内での使用を禁止する企業がありGoogleは社内の使用基準を満たしていないとして現在も使用を禁止しています。

投資家からは集団訴訟

この問題が発覚したことでZoomは投資家らから虚偽の声明を出し誤解を招いたとして、米カリフォルニア州連邦裁判所に集団訴訟を起こされています。原告である投資家らはZoomの発言は証券法違反に抵触する行為であるとし、この問題は3月から4月の新型コロナウイルス感染拡大が始まらなければ明らかになることはなかっただろうと指摘しています。

オンライン会議などに使える代替ツールは？

新型コロナウイルス感染拡大によってテレワークが増え、ビジネスのオンライン会議や個人でも利用する人が増えています。この度主流となっているZoomに問題があることが分かったことで、代替ツールを利用してオンライン会議を行うユーザーが増加しています。

Microsoft Teams

Microsoftのコミュニケーションツールで個人や他のメンバーの持つ知見や技術を組み合わせて問題を解決するためのハブとなることを目標に作られており、Microsoftの他の主要ソフトとの親和性が高く、WordやExcelを共同で編集することもできます。 Microsoftは1日の利用者数（会議参加者数）はテレワーク、リモートワーキングの増加によって2億人に達したとしています。

skype

skypeは最大で10人まで同時にビデオ通話を行うことができ、オンライン会議やチャット機能で複数の人とコミュニケーションが取れるためビジネスでも十分利用可能です。また、4月6日にはskypeの機能を使ったMeet Nowがリリースされ、より便利にオンライン会議を利用することができるようになりました。Meet Nowはアカウント不要で動作しチャットやファイルの受け渡しも可能です。

一度失った信頼をどこまで取り戻せるか？

Zoomは信頼回復のため米Facebookの元最高セキュリティ責任者アレックススティモスを起用し、同社のセキュリティの立て直しを図る考えです。しかし、政府機関や米宇宙ベンチャーのスペースXも使用を禁止すると明らかにしており、失った信頼を回復するのは難しい状況です。ただ、4月9日の株価は124.51ドルまで戻しており、大株主李嘉誠（りかせい）氏の支えによる持ち直しに市場は期待しているようです。

利用者急拡大のzoom、セキュリティの問題が発生。企業や団体の対応とは？新型コロナウイルスの影響でテレワークが推進されていることから、オンライン会議システム「zoom」の利用者が急増しています。2020年4月現在、利用者数は2億人に達しました。しかしzoomは、情報漏えいなどのセキュリティ上の脆弱性が指摘されており、対応に追われています。これを受け、zoom運営は今後、問題解決に努め、より使いやすいサービスにしていくことを発表しました。

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