トヨタが中国国内の閉鎖中企業の運営再開
1分でわかるニュースの要点
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トヨタが中国工場の稼働を再開
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生産・販売拠点として重要な中国市場
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業績への影響はあるのか
トヨタが中国工場の稼働を段階的に開始すると発表しました。 現時点では決算見通しについても業績への影響はないとしていますが、新型コロナウィルスの感染拡大はいまだ続いており収束していない状態です。 NEV規制が実施されるなか積極的に対応して年々生産台数を増やし中国市場を重要視してきたトヨタが、長期的視点で今後どう動いていくのか注目です。
トヨタは生産拠点として中国進出に注力
トヨタは生産・販売拠点として中国市場の進出に力を注いでいます。 年々中国での生産台数も順調に増加しており重要度も増していますが、トヨタはどうやってここまでの実績を可能にしてきたのでしょうか。
2018年度で100万台以上の生産
トヨタは生産・販売拠点を世界各国に有しておりますが、中国工場においての2018年の生産台数はゆうに100万台を超えて130万台強となっており、アジア全体の生産台数が約250万台でしたのでその半数を占めています。 中国ではアバロン・カローラなどを中心として販売が好調で年々生産台数も増加しています。 2019年累計も新規車種を追加した効果か140万台に到達し、アジア全体は前年並みだったところ中国市場は順調に推移していました。
NEV規制に対応したEV車両生産
中国は電気自動車(EV)を中心とした有害物質の排出の少ない新エネルギー車(NEV)の生産拡大のために、2019年にNEV規制を実施しています。 これは年間1万台以上を生産販売する自動車メーカーなどは一定台数のNEV車を販売しなければならないというものです。 これを受けてトヨタはEV事業の本格展開も視野に入れて新モデルの投入も行い対応してきましたが、さらに今回このNEV規制の改正案も浮上して今まで除外されていたハイブリッド車にも余地が出てくる可能性があり、そうなると益々持ち味を発揮できる重要な生産・販売拠点になっていくと思われます。
新型コロナウイルスの影響で工場運営再開に遅れが
新型コロナウィルスの影響で停止していた中国工場は、2月17日から各拠点の段階的な運営再開を発表しました。 もともと春節休み明けの2月4日から稼働開始だったところ部品の調達や従業員の安全を確認できたとして2週間遅れでの再開を決めましたが、本格稼働まではまだ時間がかかる様子で生産体制は通常の半分程度までに落ちるとのことです。 今だ感染拡大を続けている新型コロナウィルスですが、長引けば長引くほど経済活動にも大きな影響が出てくるといえます。
トヨタの業績への影響
トヨタは2月6日に行われた第3四半期の決算報告会において2020年3月期の見通しを発表し、売上高は29兆5,000億円と従来予想と同じとしていますが営業利益については従来予想の1,000億円アップ・前年比1.3%増の2兆5,000億円と上方修正をしました。 もとより前年同時期と比べ売上げ・利益ともに増加しておりましたので業績好調の順当な予測と言えますが、上記数字には新型コロナウィルスに関する影響は織り込まれていません。 中国へのさらなる積極展開を見据えたトヨタが、今後情勢が変化した際にどう動いていくのか気になるところです。