医学部の不正入試問題で東京医科大に受験料返還義務
1分でわかるニュースの要点
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女子や浪人生に対して点数の操作が発覚
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該当する元受験生に対して受験料の返還を求め裁判
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入試制度への影響と期待
女子や浪人生の点数を操作した問題
東京医科大学は2013年~2018年に行った入学試験で女子や浪人生の点数を操作するという、入試の不正が行われたことが社会問題となりました。 これは、医学部の2次試験において、女子や浪人生が不利益になるような採点の操作を行い、合格点に達しながらも不合格判定を行いました。これらの問題を受け、受験料の返還を求めて裁判が行われています。
該当する受験生に返還義務
入試の不正を受けたのは、女子学生と浪人生の一部であることが分かっており、該当する受験生に対して、1回の受験料(4万円~6万円)の返還を求め裁判が行われています。 3月6日に開かれた裁判では、受験料や、出願する際の郵送料なども返還義務があると認定しました。しかし、受験に伴う宿泊費や交通費は個人によって事情が異なることから却下されました。
他にも複数の提訴をしている消費者機構日本
受験生の代わりに裁判を起こしたのは、特定非営利活動法人消費者機構日本です。 消費者機構日本は、被害者に代わり提訴の権限を持つ特定適格消費者団体に認定され、複数の提訴を抱えています。
(画像:Unsplash)
順天堂を提訴
順天堂大学の医学部でも入試の不正が行われ、受験料(入学検定料)の返還請求が行われています。 これは平成29年度(2017年)と平成30年度(2018年)に順天堂大学に出願し、入学検定料を払ったが不合格となった女性と浪人生が対象となります。2019年10月18日に、入学料等の返還に関しての申し入れを東京地方裁判所に行いました。
他にも元受験生が東京医科大を提訴
特定非営利活動法人消費者機構日本は、受験生の代理として裁判を起こしていますが、個人で大学を訴えるケースもあります。 東京医科大学を提訴したのは、東京医科大学を受験した元受験生で、東京医科大学他2つの大学を相手取り、不当な点数調整で不合格にされたとして、慰謝料を求める損賠賠償を起こしました。
今後の対応は未定も裁判所の判決は大きい
2018年に医学部の入学試験において、女子や浪人生を対象とする入試の不正問題が発覚しました。不正を公表し文部科学省が不適切と判断した大学は全国10大学に及びます。 2020年には大学入学共通テストの変更が予定されています。すべての受験生にとって不利益にならない入学試験の在り方が問われます。