高輪ゲートウェイ駅が開業
1分でわかるニュースの要点
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山手線沿線では約50年ぶりの新駅
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駅名は公募されたが物議を醸す
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周辺エリアの再開発事業の一環
高輪ゲートウェイ駅が開業された背景
高輪ゲートウェイ駅は山手線沿線では約50年ぶりの新駅です。新駅の開業にあたっては周辺地域の再開発とセットで行われていますが、その道のりは決して平たんなものではありません。高輪ゲートウエイ駅が新設された背景とはどういったものでしょうか。
品川駅~田町駅の間隔が長すぎた
山手線沿線において最も駅間距離が長いのが品川駅~田町駅間でした。駅間距離は約2.2kmにあり新駅建設は長年の懸案事項だったといえます。 新駅を設置するためには広大な敷地を必要とします。しかし田町エリアには適当な敷地がなく、新駅構想は積み残し課題となっていました。 ところが2015年に上野東京ラインが開設されたことにより、JRが所有する田町車両センターの一部が使えることが判明します。そこで新駅の設置計画が急ピッチで進められました。
東京オリンピックの開催に合わせて開業
東京オリンピックの開催も新駅構想の追い風でした。オリンピックには選手だけでなく、各国から関係者や観光客が集まる一大イベントです。 開催国はライフラインの整備に力を入れ、多くの人々の利便性の向上に力を注ぎます。東京オリンピックは上野東京ラインの開設から5年後に開催されることが決まっており、新駅開設には抜群のタイミングです。 そこで新駅の開設日を2020年3月に定め、東京都を中心に準備を整えてきました。ところがコロナ騒動で新駅開設に関するイベントが縮小されたのは、皮肉というほかありません。
高輪ゲートウェイという名が物議を醸す
新駅に命名された「高輪ゲートウェイ」が物議を醸しました。駅名を決めるにあたってJRは一般公募から募っています。しかし「高輪ゲートウェイ」は決して人気が高かったわけではありません。 上位には「高輪」「芝浦」「芝浜」といったオーソドックスな名前が並んでいました。「ゲートウエイ」とはIT関連でよく使われる玄関、窓口といった意味です。 JRは「高輪ゲートウェイ」を世界と日本、過去と未来の玄関口にしたいとの思いが強く「ゲートウエイ」には拘りがありました。ここでも東京オリンピックを意識したことが伺えます。
高輪ゲートウェイ駅開業に伴う経済効果
高輪ゲートウェイ駅開業に伴う経済効果は1兆4,000億円程度と見込まれています。これは単に新駅が開設されたことによる経済効果だけではありません。 JRは2027年を目途にリニア新幹線の実用化を目論んでいます。成功すれば高輪ゲート駅の1駅隣の品川駅でリニア新幹線が発着する予定です。 そうなれば品川駅はもちろん、隣接する高輪ゲートウェイ駅の利用増も見込まれます。つまりJRは東京オリンピックだけでなく、リニア新幹線の発着まで視野を広げながら新駅開発を行っていました。
高輪ゲートウェイ駅周辺の再開発
高輪ゲートウエイ駅構想は単なる新駅の開業ではありません。東京オリンピックの開催はもちろんリニア新幹線の稼働を見据えた一大プロジェクトです。 高輪ゲートウェイ駅周辺には7棟ものビジネスビルが建設予定であり、その敷地面積は13ヘクタールにものぼります。 ちなみに東京ミッドタウンが11.4ヘクタール、六本木ヒルズが11.6ヘクタールですから、いかに大きなプロジェクトであるかがよくわかります。このような華々しい門出がコロナウイルス騒動で縮小されたのは本当に残念です。