すかいらーくが24時間営業を廃止へ
すかいらーくが24時間営業を全面廃止
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すかいらーくホールディングスがグループ全店の24時間営業廃止を発表
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2020年1月から4月までの間に段階的に廃止される予定
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24時間営業見直しがファミレス業界で起こる可能性
人員不足とコスト削減
ファミレスチェーンを運営する外食大手の株式会社すかいらーくホールディングスは、1月20日にグループ店舗の24時間営業を全面廃止することを発表しました。 グループの全店約560店で深夜の営業時間を短縮し、人件費を抑えるとともに、優秀な人材をピーク時に集中させることが狙いとなっています。 24時間営業の廃止は現在24時間営業中のガスト、ジョナサン、バーミヤンの約150店に対して行われ、1月から4月にかけて段階的に実施されていく予定です。
働き方改革も影響
24時間営業の全面廃止は、すかいらーくホールディングスが推進する働き方改革の一環です。 すかいらーくホールディングスは従業員の健康や快適な職場環境を重視し、女性だけでなく高齢者の雇用充実も見越して、営業体制の見直しを図ってきました。これまでにも約550店で営業時間を短縮する実績を残しています。 2019年末には、すかいらーくホールディングスはグループ全体の8割に当たる店舗で年末年始の休業も行っていました。
すかいらーくグループの業績
すかいらーくホールディングスは外食大手会社としてファミレス業界で存在感を示してきましたが、近年は減益が続いています。外食産業には厳しい風が吹いているとも言えます。 グループの業績が悪化してしまった原因はなんだったのでしょうか?
人件費の高騰で3年連続の減益
2016年まですかいらーくホールディングスの営業利益が好調でしたが、そこから3年連続で減益に転じました。 減益の主な原因は人件費にあります。すかいらーくホールディングスはグループ全体で約10万人の従業員を抱えています。しかも毎年そのうちの半数ほどが学校の卒業や家庭の事情で入れ替わるため、単純な人件費以外にも新たな募集と教育にかかる費用も重くのしかかります。 そうした中でアルバイトの単価が年々高騰し、増加する人件費がカバーしきれず減益となりました。
売り上げは増加
すかいらーくホールディングスは減益が続くものの、グループ既存店の売り上げ自体は好調です。来店客数が6年連続で減少する一方、1人当たりの客単価が増加傾向にあるためです。 すかいらーくホールディングスはガスト、ジョナサンなどの主力ファミレス店において、季節限定メニューや日本各地の名物料理を再現するフェアなどを精力的に行っています。これらの施策が好評となって、客単価増加に繋がりました。 2019年9月の営業情報によれば、すかいらーくホールディングスの売り上げは前年度比で1.5%の増加となったようです。
消えゆく24時間営業
24時間営業の業態変化はファミレスだけに限りません。ファミレスと同じく24時間営業が当たり前のコンビニ各社にも、時短営業の波が押し寄せています。 ファミレスもコンビニも、どうしてこのような状況になったのでしょうか?
コンビニも24時間営業問題に直面
コンビニの24時間営業問題にフォーカスが当たったのは、業界最大手セブンイレブンの1店舗がきっかけでした。 2019年2月、大阪府東大阪のセブンイレブン加盟店が、人材不足を理由として時短営業に踏み切りました。セブンイレブン本部は契約違反を主張して加盟店と対立し、2019年末には一方的な契約解除にまで及びました。 この問題は同業他社のローソン、ファミリーマートにまで波及し、時短営業の容認や実証実験などの取り組みに繋がりました。今後はコンビニの24時間営業も見直される流れとなることでしょう。