芸能人に対するSNSの誹謗中傷が改めて問題視
1分で分かるニュースの要点
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SNSでの誹謗中傷をきっかけに木村花さんが急逝
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SNSでの芸能人への批判を考え直すよう声があがる
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ネット上での誹謗中傷には訴訟リスクも
「テラスハウス」に出演していた木村花さんの死がきっかけに
人気バラエティ番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんが2020年5月23日に急逝しました。木村花さんは「テラスハウス」での言動を巡ってSNSで誹謗中傷が相次いでいました。このことが木村花さんを精神的に追い詰め、自殺に追い込んだとみられています。 この木村花さんの死をきっかっけに俳優の的場浩司さんが「『ネットだからいいか』『有名人だからいいか』ではすまされない」とSNSでの誹謗中傷に対して警鐘を鳴らした他、藤田ニコルさん・ダレノガレ明美さん・最上もがさんなど多数の芸能人がSNSでの個人攻撃に対して声を上げています。
匿名性の高いSNSで誹謗中傷を受ける芸能人
匿名性の高いSNSでは芸能人の言動に対して誹謗中傷が相次いでいます。 2020年4月には新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさんのニュースに対して、タレントの足立梨花さんが「1カ月以上会ってませんので大丈夫です」とツイートしたところ炎上しています。その結果、足立梨花さんはインスタのストーリーで「わたしがしねばよかったんだ」などを書き込むなど、精神的に追い詰められています。 芸能人も些細な言動の揚げ足を取られ、多数の人から攻撃されることによって精神的に追い詰められる事態が発生しています。
誹謗中傷のコメントに声を上げる芸能人
芸能人はこれまでも心無い誹謗中傷に悩まされてきました。こうした誹謗中傷に対しては必ずしも無視をしてもそれがエスカレートしていく場合もあり、無視をすることが得策ではないケースもあります。そのため、芸能人の中には誹謗中傷に対しては訴訟を起こしている人もいます。
アンチからの誹謗中傷に悩む芸能人も多く
匿名掲示板の中には、「アンチ専用」「ブログアンチ」「嫌いな人だけ」のように、誹謗中傷をするためだけに作られたスレッドもあります。 こうしたアンチによって女優の北川景子さんはテレビ番組に出演した際の食べ方が汚いとして誹謗中傷が相次ぎ、ブログを閉鎖する事態にまで追い込まれています。 このようにアンチからの誹謗中傷に悩み、ブログの閉鎖やTwitterの停止などSNSでの情報発信をやめる決断を迫られた芸能人も多数います。
”無視”することが解決策にならない人も
人の噂も七十五日というように、無視をすればよいかというとそうでもありません。 誹謗中傷がエスカレートしていれば、その芸能人がテレビ番組などに出演した際にはテレビ局やスポンサーにクレームが入り、仕事に影響を及ぼす可能性もあります。 また、誹謗中傷を無視していても、SNSをしている限り少なからず誹謗中傷の言葉が本人の目に飛び込んでくることになり、精神的苦痛を受けることになります。 このように無視をしていたとしてもそれが解決策にならないケースも多数あります。
訴訟を視野に入れる芸能人も
メンタリストDaigoさんは自身に対して誹謗中傷の言葉を投げかけるアンチの記録を何年も前から残しており、訴訟の準備をしていることをTwitterで明らかにしています。 このように誹謗中傷に対して訴訟を起こし毅然とした態度で対応する芸能人もいるため、SNSによる誹謗中傷はリスクがあることを認識する必要があります。
誹謗中傷への訴訟は、
実はもう1ヶ月前から始めてるんですが、裁判所がコロナでお休みで対応遅いのです。コロナ開けに開戦ですな。
— メンタリストDaiGo (@Mentalist_DaiGo) May 24, 2020
SNSの誹謗中傷がなくなることはあるのか?
匿名性の高いSNSでは意見に歯止めがきかなく極端な発言が行われる傾向があることも炎上に関する研究で指摘されています。このように誹謗中傷がエスカレートしやすいSNSでは法規制や一人一人のマナー向上が求められています。
法律の規制や訴訟などで少なくなる可能性も
現在の法体系においても、SNSでの誹謗中傷に対しては、名誉棄損罪や侮辱罪、脅迫罪などの罪に問われる可能性があります。 実際に先ほどの川崎希さんの例だけでなく、俳優の西田敏行さんや、タレントの堀ちえみさん、女優の春名風花さんなどが掲示板への誹謗中傷に対して訴訟を起こしています。 法規制が進んだり、こうした訴訟リスクをSNSの利用者が理解することでSNSでの誹謗中傷が少なるなる可能性はあります。
自由であるからこそマナーが大事になるSNS
匿名性が高いSNSのメリットの1つは匿名だからこそ気楽に情報を発信することができる点にあります。 しかしながら、気楽に自由に情報を発信することができるからこそ、そこには一人一人の道徳心が必要にもなります。 SNSの誹謗中傷に対しては規制の強化や訴訟リスクの認識といったいわば性悪説に基づいた対策も必要です。しかし、それと同時に、一人一人のマナーの向上によって誹謗中傷を減らすという性善説に基づいた対応もSNSの利用者には求められています。