シンギュラリティ(技術的特異点)の到来
1分でわかるニュースの要点
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2045年にシンギュラリティが起きると言われている
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未来ではAIが仕事をして、人間は労働から解放される
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AIと共存するために人間は変わらなくてはいけない
シンギュラリティ(技術的特異点)とは
シンギュラリティとは人工知能が自律的に進化し、人間より遥かに優れた超知能を獲得するという仮説です。人工知能の進化は2045年頃にピークを迎えるとされ、その時には様々な問題が起こると予想されています。
1956年から今に至るまでの人工知能の変遷
人工知能の歴史はおおまかに3つに分けられます。それぞれ以下の通りです。 ・1956年からの黎明期。2度の人工知能ブームがあったものの技術的問題で長らく停滞 ・2000年代の過渡期。計算技術の飛躍的向上とディープラーニングの発明で第3次人工知能ブーム到来 ・2012年以降の成熟期。産官学の現場で人間並みの高度な汎用人工知能が開発され始めた
2045年問題が話題に
発明家レイカーツワイルは技術の進歩が18ヶ月で2倍になるムーアの法則と、画期的発明が連鎖する収穫加速の法則によって、2045年頃にシンギュラリティが来ると予想しています。 具体的には2029年頃に人工知能が人間以上の知性を獲得し、人間の手を離れた人工知能が自ら予測不能の進化を始め、2045年には安価なコンピューターとして世界的に普及すると言われています。その結果ほとんどの仕事で、人工知能が人間に取って代わるのが2045年問題です。
シンギュラリティ(技術的特異点)は到来しない考えも
シンギュラリティ到来が囁かれる一方で、批判の声も少なくありません。物理的限界、社会経済的問題など批判の根拠は様々ですが、主立った批判の主張は以下の通りです。 ・ムーアの法則と収穫加速の法則は無制限の進歩を前提としているが、実際には限界があるので人工知能は人間を超えない ・技術的に可能だとしても、社会的需要がなければ普及しないのでシンギュラリティは来ない
シンギュラリティ(技術的特異点)が到来した社会はどうなる?
シンギュラリティが訪れた場合、社会生活は激変するでしょう。大半の仕事は人工知能が担当するようになり、人々は労働から解放されます。そういった社会になれば今よりもずっと自由で、文化的な生活が重視されるはずです。
「人間がやらなくて良い仕事」をAIが行う
シンギュラリティが到来した社会では、労働力の必要な仕事は人工知能(AI)が取って代わるでしょう。具体的には工場や農業などの生産業、膨大な知識と正確性が必要な医療、事務経理のデスクワークなどです。 また情報の分析や商品開発、マネージメントのアドバイスも、人間よりAIの方が効率的にこなせるはずです。
文化が発達する
シンギュラリティで人間の単純労働や頭脳労働は、確実に減少します。働かなくてもベーシックインカム(基礎所得保証)で生活できるので、人間は労働以外の活動がメインになっていきます。それはAIが苦手とする創造的活動です。 絵画や彫刻などの美術、作詞や作曲、小説の執筆といった創作活動が仕事の代わりに発達していきます。シンギュラリティの到来した社会では、人類史上かつてないほどの文化が花開くはずです。
人々が自己実現のために生きる世界
近年クオリティオブライフ(QOL)の考え方が一般的になりつつあります。ただ漫然と生活するのではなく、生活の質を向上させ、より良い暮らしや幸福を追求する概念です。 シンギュラリティの到来した社会では、このクオリティオブライフが何よりも重要になるでしょう。労働から解放された人々は限りなく自由な生活の中で、なりたい自分になる、自己実現のために生きるようになります。
シンギュラリティ(技術的特異点)の到来を人類はどう迎えれば良いのか
シンギュラリティが2045年、あるいはそれと前後する時期に本当に訪れるかは現時点で不明です。しかしAI研究が日進月歩で進んでいることから、遠くない将来にシンギュラリティに近い変化は必ず起こります。 そんな時代を生きていくために、私達人間は変わらなくてはいけません。AIが人類より便利で賢くなってしまうのなら、AIにできないことを模索し、新しい価値観を生み出す必要があります。 重要なのは知識偏重の勉強ではなく、柔軟な思考力と発想です。その力がなければ、シンギュラリティの到来した社会で、人類とAIが共存するのは難しいでしょう。