新型コロナウイルスが経済に与える影響。SARS流行時と新型肺炎の影響を比較。

新型コロナウイルスが与える経済的影響

新コロナウィルスによる経済的影響はSARSを超える

中国で感染が急速に拡大し世界へも
中国政府の規制で観光客が減少
日本のGDP にも大きく影響

韓国経済は危機的状態。深刻な経済現状や今後の見通しは？韓国経済が深刻な事態に陥っています。サムソングループという財閥が、韓国GDPの2割近くを占めており、その業績次第で韓国経済が浮き沈みするからです。軍事協定の破棄で日本のみならず、米国とも関係悪化が懸念されます。今回は韓国経済の危機的状況について解説します。

感染が拡大する新型コロナウイルス

中国で発生した新型コロナウイルスの感染拡大は勢いを増しています。中国での感染者はすでに7,000人を突破し、死者も300人となっています。また日本を含む26か国・地域で170人の感染者が確認されています。

中国での新型肺炎の患者数は6000人を超える

中国では湖北省武漢市を発生源とした新型コロナウイルスによる肺炎が猛威を振るっています。2月2日には現在患者数は10,000人を突破し、死者も300人以上に上っています。これは、中国広東省で発生し2003年に大流行した新型肺炎SARS(重症急性呼吸器症候群)の中国本土の患者数5,327人をすでに上回っています。中国政府は武漢市を封鎖し、同市からの航空機の出発便、高速道路、鉄道などの運行を停止するなどの対応をしています。

日本を含む世界に拡散

新型コロナウィルスの感染者は中国本土以外では1月30日現在で日本を含む26カ国・地域で170人が確認されています。日本は14人でタイと並んで多く、武漢からのツアー客を乗せたバス運転手とバスガイドや政府のチャーター便における武漢市からの帰国者にも感染者が出ています。この他、タイ14人、香港とシンガポール各10人、台湾9人、オーストラリアとマレーシア各8人、韓国6人、ベトナムと米国が各5人などとなっています。

マスクの価格が高騰

（画像：Unsplash）

中国ではマスクが品薄になって、価格が高騰しているようです。こうした状況から日本のメーカーに中国からの注文が殺到しています。また、国内のドラッグストアなどでは中国人による購入が増え、販売を制限する店も現れています。

中国からの注文が殺到

新型コロナウイルスによる肺炎の拡大によって、中国ではマスクの売り切れが相次ぎ、価格も高騰しています。こうした状況を受けて、中国の消費者に向けて化粧品や日用品などをネットを通じて販売している日本のメーカーでは、武漢がある湖北省や海南省などからマスクの注文が急増していて品薄の状態となっています。メーカーでは1月20日ごろから昨年の12月の同じ時期と比べて売り上げがおよそ300倍から600倍にもなる日が続いるそうです。

ドラッグストアでは販売制限も

日本国内でもドラッグストアなどではマスクを買い求める中国人客が増えていて、マスクの9割近くが中国人によって購入されているそうです。留学生など日本にいる中国人が購入して、中国にいる家族などに送るケースも多いようです。人気があるのは箱入りの製品や日本製、ウイルス99％カットと書かれたマスクで、店頭に置くとすぐに売り切れるため、買い物は３つまでなどと制限している店もでています。

株式市場は続落

新型コロナウイルスによる影響は株式市場にも及んでいます。日本企業では中国工場の操業停止の長期化や中国政府の交通規制で日本ではインバウンド消費の減少懸念から1月30日の東京株式市場の下げ幅は一時400円を上回り日経平均株価は2万3,000円を割り込みました。

中国での生産や消費

新型コロナウイルスの感染拡大で懸念されているのが、企業の生産活動や個人消費への影響です。生産活動では、湖北省武漢市やその周辺の交通遮断により湖北省武漢市はじめ、中国全土で操業停止や部品供給網が寸断されて自動車などの生産が停滞すると見られています。個人消費も春節での旅行などが影響され交通費や娯楽費の減少が予想されます。湖北省武漢や周辺都市では旅行が規制され、香港と北京の春節行事も中止されました。上海ディズニーランドや北京の故宮博物院、各地の映画館なども休業しています。

医療関連の会社は上げる

新型コロナウィルスの感染拡大で注目されているのが臨床検査受託サービスや検査に使用する試薬・機器や防護服などの医療関連企業で、株式市場で値を上げそうです。臨床検査は医療機関から患者の検体を預かり、分析する事業です。今後、中国での感染拡大の動向によっては臨床検査への需要増が見込まれます。関連製品では、うがい薬、マスク、防護服、感染症防護対策キット、ウイルス除去製品、医療・衛生材料、抗菌化スプレー、消毒用アルコールや業務用ハンドソープなどの需要増が見込まれています。

アップルは販売に影響

アップルでは製造拠点が集中している中国で新型コロナウィルスの感染拡大が販売に影響すると懸念しています。交通が規制されている武漢市では部品調達に影響が出ていて、今後交通規制が各地に広がると部品の調達、従業員不足など生産面の混乱が販売にも影響すると見られています。

販売数に影響

中国にiPhoneなどの生産拠点を集中しているアップルでは、新型コロナウイルスの感染拡大は販売数に影響があるとしています。組み立て作業の大部分は中国で行われていて、組み立てラインの労働者不足が出荷数に響くと指摘されています。販売面では中国にある直営店の1つを休業しているほか、小売パートナーも多くが店舗休業や営業時間を短縮するなど従業員と顧客の感染予防策を講じていることによる影響も大きいようです。

部品も中国から

アップルでは中国に生産拠点を集中しているために、原材料の仕入れから製造、組み立て、出荷までの工程のどこかで問題が起きれば製造ができなくなる恐れがあります。武漢市とその周辺で行われている交通規制によって複数の部品調達先に影響が出ているとされます。アップルの中国サプライチェーンの従業員は数百万人といわれ、公共交通機関の運行停止などの規制が中国各地に広がると、従業員の勤務や作業ができなくなり生産にも影響が出ることは必至と見られます。

2003年にSARSが発生した時も大きな影響

2003年のSARSによる日本経済への影響は深刻でしたが、今回の新コロナウィルスによる影響はSARSの時よりもはるかに大きいと予想されています。これは中国の訪日観光客数やGDPがおおきく伸びて日本に及ぼす影響力が格段に増しているためといわれています。

GDPの低下

野村総合研究所の最近の発表によれば、新型コロナウイルスによる感染拡大の日本経済への影響は、SARSの発生時よりも格段に大きくなる可能性があるとしています。これは中国の春節の大型連休における旅行中止などにより旅行費や娯楽費の減少が大きいとされるためです。 SARSが流行した2003年5月の中国からの訪日観光客数は前年同月比-69.9%でしたが、それと同程度の影響が1年間続いたたとして同様に計算すると、今回の影響は日本のGDPを2兆4750億円と0.45%も下げる計算となります。

2003年より影響力が増した中国

今回の新型コロナウィルスによる影響が2003年のSARSより大きくなると予想される理由は、2003年当時に比べ現在の中国の影響力は非常に大きいからです。たとえば中国からの訪日観光客数を比べると、2002年に対して2019年は21.2倍にもなっています。また中国の名目GDPは2003年が215兆円（約13兆元）に対し2019年は1,600兆円（約99兆元）と7.4倍に拡大していて、中国の消費支出も経済成長の4割程度だったのに比べ今は6割も占めています。

見えぬ終焉。解決には時間が必要か？

新型コロナウィルスの発生源はコウモリとされ他の動物を経て人に感染したと見られていますが、今や人から人への感染が急速に拡大していてその終焉が見えない状況です。ワクチンの開発にはようやく着手されたばかりです。オーストラリアにある研究所が新型コロナウィルスの培養に成功したとされ各国での研究は加速されそうです。しかし、SARSの場合もまだ研究段階で治療法は確立されておらず、今回も解決までには時間がかかると予想されます。当分は隔離と検疫、一般的な感染予防策を徹底するしかなさそうです。

東大教授の大澤昇平が中国人を差別する内容のツイートで炎上。東大は解雇処分に。炎上騒動の発端は、東京大学大学院の大澤昇平が2019年11月20日に自身のTwitterアカウントで行ったツイートです。差別的発言が問題となりました。東京大学および関連企業は相次いで業務提携解消や、寄付停止を発表しました。大澤昇平は12月1日に謝罪を行いましたが、自身の責任を曖昧にしてしまったことで、炎上騒動はまだ収まっていません。今回は大澤昇平について紹介します。