1分でわかるセンター試験廃止と大学入学共通テスト
大学入学共通テストとは
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センター試験が廃止され新たに導入
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記述式問題や民間試験が実施される
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公平性や採点方法に課題
センター試験の廃止
センター試験とは「大学入学者選抜大学入試センター試験」の略名です。1994年度に導入されて以降、大学入試には重要な試験だとして定着していますが2019年度で廃止の予定とされていました。
センター試験の問題点、廃止の理由
全問マークシート方式のセンター試験は「豊富な知識量を測れる」といった点で学校関係者からも高い評価を受けています。 しかし一方では、自ら問題・課題を発見し、解決策を考える「問題解決能力」や「応用力」を測る点では十分ではないとの指摘もありました。 加えてセンター試験は毎年1月に1回しか実施されないことから、「インフルエンザ」「積雪」などの影響を受けやすいなどのデメリットも見逃せません。そこで、これらの問題点をカバーできる新たな試験制度が検討されてきました。
移行措置は行われない
センター試験は2019年度で廃止されました。そして2020年度からは「大学入学共通テスト」が段階的に導入されますが、いわゆる移行措置は行われないと発表されました。 これまでも学習指導要領の改訂により出題範囲が現役受験生と浪人生では異なる年度がありました。この場合、浪人生に不公平とならないようセンター試験では選択問題を設けるなどの移行措置がなされました。 しかし、センター試験の廃止による大学入学共通テストへの移行では出題範囲に変更がなく本質的に問うている学力は変わらないため、移行措置は必要ないと判断されたのです。
大学入学共通テストが2020年度から導入される
(画像:Unsplash)
センター試験に代わる大学入学共通テストは2020年度から導入の予定です。しかし経験値の全くない受験生や関係者は、大きな不安を募らせています。そこで、大学共通テストの概要や課題について解説します。
記述問題などの導入
大学入学共通テストでは知識に対する理解の程度を問うものや、判断力・思考力・表現力が問われる問題が出題される方針です。そのため国語と数学では記述問題が導入されます。 国語では社会生活における問題発見・解決能力を測ることを目的に、80~120字程度の文章を書く記述式問題が3題程度出題される予定です。そのため試験時間が20分程度延長されます。 数学では発想力や構想力を測ることを目的に、記述式問題が3題程度出題される予定です。これに伴って試験時間は10分程度延長されます。
「話す」「書く」能力の重視
英語力を向上させる上でポイントとなるのが「話す」「書く」の力です。しかし、これまでのセンター試験では「読む」「聞く」力が求められてきました。 そのため教育現場では受験対策のために「読む」「聞く」学習に重点を置かざるを得なかったのです。その結果「話す」「書く」ことができない学生が増えるといった問題が起きました。 こういった問題を克服するため大学入学共通テストでは「話す」「書く」に加え、「読む」「聞く」力が求められるようになるのです。
英語の民間試験
英語については「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つのスキルが評価できる内容とするため、大学入試センターでは民間試験の導入に向け準備を進めています。 2017年11月には「大学入試英語成績提供システム」の運営要項が施行されました。併せてこれに参加する民間試験の募集も行い、実用英語技能検定など7団体から応募がありました。 しかし、「受験会場が限られる」「採点や出題における公平性の確保が十分ではない」といった問題が指摘されています。