パワハラを受けたヤマハ社員が自殺
1分でわかるニュースの要点
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厚生労働省はパワハラを6つのパターンに類型
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政府は2020年6月にパワハラ法案施行
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パワハラの根絶には企業風土の改革が重要
上司からのパワハラが原因で休職
電子ピアノやアコースティックギターで有名な楽器メーカーヤマハにおいて、パワハラを苦にした30歳代課長職の男性が自殺しました。故人は昨年4月に課長職に昇進したばかりです。 その頃から50歳代執行役員の男性と仕事を共にする機会が増えていますが、叱責されることも増え11月からは休職していました。その後1月に自殺が発覚し弁護士による調査でパワハラであったことが判明しました。
パワハラした上司は3月末で退職
パワハラが認定された50歳代執行役員は退任させられ3月末で退職となっています。依願退職か懲戒退職かは明らかにされていません。一般の例だとパワハラの加害者たる社員に対しては社内規定に基づく懲戒処分が下されます。 重度のパワハラとして免職処分に規定されていれば懲戒退職です。規定されていなければ懲戒処分が下された後、事実上の退職勧告により依願退職となります。
根絶が難しいパワハラ問題
ヤマハだけでなく多くの企業でパワハラ問題が表面化しています。恐らくニュースで報じられるのは氷山の一角であり、実質的にはもっと多くのパワハラが存在していると思われます。これだけマスコミに取り上げられても根絶が難しいパワハラ問題の本質は何でしょうか。
三菱電機でもパワハラで自殺者
家電メーカーの三菱電機では20歳代の新規採用社員が30歳代の教育担当からのパワハラを苦に自殺しています。被害者のメモには加害者からの自殺を促す言葉の数々残されていました。 そのため加害者は自殺教唆の容疑で書類送検されています。三菱電機では2012年から2019年の間に5人の自殺事件が発生しており、企業風土に問題があるといえるでしょう。
学生スポーツでも問題になるケース
パワハラ問題が相次ぐのは企業だけではありません。スポーツ界にも古くからパワハラ体質が根付いています。有名レスリング部の総監督が現役アスリートから告発されたのは記憶に新しいとことです。 高校野球では有名校の監督がパワハラにより解雇される事件が毎年のように報じられており、活動停止になるなど大きな問題化しています。
線引きが難しいパワハラの問題点
パワハラといえば暴力や暴言が想定されますが、その種類は多岐にわたり線引きが難しいのが実態です。厚生労働省は6つのパターンに類型化して注意喚起しています。少子高齢化が進む中、パワハラが続くと労働力不足はさらに加速するでしょう。しかし未だに根絶には至らないパワハラの問題点とは何でしょうか。
悪意を持たずともパワハラに該当するケース
厚生労働省はパワハラを6つのパターンを類型化し具体的な事例についても指針を出す方向です。さらに2020年にはパワハラ防止法が施行されることも決まりました。 企業は法律や指針をもとに社内規定を改正するなど根絶に向けた取組みを強化しています。一方では悪意を持たない行為もパワハラだと申告され管理者がメンタル疾患となるケースが増えているのも最近の傾向です。