1分でわかる野田小4女児虐待事件
1分でわかるニュースの要点
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小4女児が父親から虐待を受けて死亡
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児童相談所の在り方と問題
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妻・なぎさ被告は懲役2年6カ月、執行猶予5年
野田小4女児虐待事件の概要
千葉県野田市の当時小学4年生だった栗原心愛さんが、父親の栗原勇一郎被告から日常的な虐待を受け、暴行を受けて死亡するという痛ましい事件がありました。 この事件は、父親による虐待と、それを介入する児童相談所の対応が問題視されています。
栗原勇一郎被告による犯行
2019年1月に野田市で起こったこの事件は、栗原心愛さんが実の父親である栗原勇一郎被告による虐待が日常的に行われ、死亡するという事態になりました。 栗原勇一郎被告は傷害致死罪で起訴され、現在公判が開かれています。裁判では、虐待に至った経緯やどのような状況だったのか。小学校4年生という小さな命を奪った真相について、事件の背景や経緯が争点となっています。
小4女児の心愛さんが虐待を受ける
当時小学校4年生だった栗原心愛さんは父親の栗原勇一郎被告に拳で殴られるなど身体的な虐待の他、しつけと称して夜中に立たせられるなど、精神的な虐待を受け続けていました。 母親の栗原なぎさ被告も同居していましたが、栗原勇一郎被告への恐怖から虐待を受けている栗原心愛さんを助けることはできず、結果的に栗原心愛さんが死亡するという最悪の結末を迎えました。
小学校のアンケートで助けを求めていた
そんな日常的な虐待に耐え兼ね、2017年11月に小学校で行ったいじめのアンケートで父親からいじめを受けていることを告白しました。事態を把握した児童相談所は、栗原心愛さんを一時保護しました。 しかし、その後栗原勇一郎被告は、小学校に対して「訴訟を起こす」などと抗議したため、条件付きで一時保護が解除されました。 助けを求めてから一時保護されるも、問題が解決していない栗原勇一郎被告の元に戻らざるを得ない状況となっていました。
児童相談所の対応に批判
アンケートに書かれた内容を元に担任が栗原心愛さんに聞き取りを行ったところ、拳で10回なぐられたと答えたことから、児童相談所が一時保護に踏み切ります。 しかし、栗原勇一郎被告はこれに激高し、アンケートの結果を見せるよう威圧的に抗議し、児童相談所は栗原心愛さんが書いたアンケートのコピーを栗原勇一郎被告に渡してしまいました。 この児童相談所の対応に避難が集中しました。
児童相談所は年々増加する相談数でパンク状態
児童相談所の対応に疑問の声が多数出る中、虐待の件数は増加傾向にあるため、対応しきれないという問題も出ています。窓口での相談の他、家庭訪問やケース会議、さらには警察や関係機関との調整など、児童相談所のみでは判断できません。 児童相談所は厚生労働省の管轄になり、2018年の全国にある児童相談所の設置数は210ヶ所と圧倒的に施設数が少ない状況です。そのため、対応したくてもできない現状があることも今後考えていなかえればいけない課題のひとつです。
児童虐待防止法改正が2020年4月から適用
虐待によって命を落としてしまう子を一人でも救うべく、親であっても体罰を禁止する児童虐待防止法の改正が国会で成立し、2020年4月から適用されることになります。 今回の法改正のポイントは、父親によって命を奪われた栗原心愛さんのように、しつけと称した虐待を阻止するために改正されました。主な改正点としては、児童相談所に医師や保健師を配置すること。そして児童相談所内での役割(一時保護と保護者担当)の明文化などが盛り込まれています。