新型コロナ感染拡大で不安が募る妊婦
1分で分かるニュースの要点
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妊婦の感染が胎児に与える可能性は
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京都市が妊婦全員にPCR検査を実施へ
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政府は妊婦の働きやすい環境づくりを経済団体に要請
感染を恐れる妊婦の人々
日本産婦人科感染学会では最新の情報を取りまとめ、新型コロナウイルスが妊婦へ感染した場合のリスクについて説明しています。 妊婦の多くは妊娠すると新型コロナウイルスに感染しやすいのか、感染すると重症化しやすいのか、胎児への影響はないかといった不安を感じています。同学会や厚生労働省ではこうした妊婦の心配に対し、妊婦以外の人に比べ特別リスクが高くなるといったデータはないと説明しています。
胎児への影響は未知数
現時点で新型コロナ感染によって、胎児の異常や、流産、早産、死産といった例は報告されていませんが、子宮内の胎児が新型コロナに感染したと疑われる例があったとも公表しています。 妊婦が新型コロナに感染した場合は重症化しやすいといわれますが、それは新型コロナ以外の肺炎でも同じことで、特別な対策を講じる必要はなく小まめな手洗いや人混みを避けるといった健康管理を徹底するよう呼びかけています。
母子感染などの明確なデータは未だなく
新型コロナ感染による母子感染の明確なデータは今のところ報告されていません。一部の例として報告されているのは、ニューヨークで陽性反応のあった妊婦43人が出産した新生児に検査を行ったところ新型コロナの感染は確認されなかったとする事例があります。
感染した妊婦が無事に出産
北里大学では4月27日に新型コロナに感染していることが分かった妊婦が、4月上旬に無事出産していたことが分かりました。 母子感染はなかった模様で、北里大学によると新型コロナに感染した妊婦が出産したのは国内では初めてとのことです。妊婦は肺炎症状を訴えPCR検査を受けたところ、新型コロナに感染していることが判明し治療を受けていました。
京都市は妊婦へのPCR検査を進める方針
京都市では同市に在住する妊娠全員に、PCR検査を実施する方針であることを明らかにしました。妊娠38週前後の妊婦を対象とするとしており、市内にある民間の産科病院などと連携して進めて行く方針です。 検査は新型コロナ感染の疑いの有無を問わず行うとしており、京都大学医学部附属病院や足立病院、中部産婦人科医院などで行われ、京都府医師会会営検査センターで分析するとしています。
妊婦の休業要望への対応を義務化へ
新型コロナ感染の拡大によって外出自粛が広がっていますが、仕事のため外出を余儀なくされている妊婦も多く政府は経済団体に対して妊婦に対する配慮を要請しました。厚生労働省では感染リスクを減らすようテレワークや時差通勤の積極活用、集団感染予防の徹底などを挙げています。
企業に対し休業要望に応じるよう義務付けへ
今月1日加藤勝信厚生労働大臣は企業に対して妊婦らの休業要請に応じるよう、義務付けを行うことを明らかにしました。 加藤勝信厚生労働大臣は会見で医師の診断を受けて本人が休みやテレワークなどを希望した場合、企業や事業主は応じるよう求めました。また、法的な裏付けとして「男女雇用機会均等法の指針」の改正をすると述べました。来年1月までの時限的措置で、新型コロナ感染のための特例とするとしています。