中国競泳の孫楊が8年間の出場停止に
1分でわかるニュースの要点
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孫楊に8年間の出場停止処分
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ドーピング検査妨害の疑惑
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実質キャリア終了となるのか
ドーピング検査を妨害した疑惑
東京五輪でも有力候補として競泳自由形の出場が決まっていた孫楊(28)は、2018年9月に中国の自宅にて抜き打ちのドーピング検査をされた際に、検査を妨害した疑惑がありました。 孫楊はドーピング検査に応じたものの検査の書類を破ったり、側近であるスタッフが孫楊の血液の入った容器を金づちで破壊したりしたというものです。
スポーツ仲裁裁判所がWADAの訴えを認めた形
WADA(世界反ドーピング機関)はスポーツ仲裁裁判所に孫楊の資格停止と最大8年間の出場停止処分を求めており、聴聞会を開かれた後にこれを認めた形となりました。 孫楊の過去には2014年11月中国での大会後に、禁止薬物で興奮作用のあるトリメタジジンに陽性反応を示して3ヶ月の資格停止処分を受けたことがあります。
孫楊は無実であると主張
2012年ロンドン、2016年リオと2度のオリンピック競泳で金メダルを3つ、世界水泳選手権で通算11度のタイトルにも輝いた孫楊は無実であると主張しています。 孫楊は選手生命最後の望みをかけてスイス最高裁へ提訴する構えを明らかにしました。
国際水泳連盟からは処分は下らず
孫楊の主張は、抜き打ち検査として訪れた検査官が身分証明書を提示せずに検査を開始するなど、正式な手順を無視したものだったので持ち出しを阻止したというものでした。 国際水泳連盟は2019年1月に彼の主張を認め、ドーピング規則への違反には問わずに警告処分にとどめており、その後も国際大会への出場を認めています。
スイス最高裁へ提訴か
孫楊はスポーツ仲裁裁判所の判決に対して自身のSNSに「スポーツ仲裁裁判所の判決は理解できないし、ショックで怒りがこみ上げる。」との声明を発表しています。 孫楊は弁護士と協議の上でスイス連邦最高裁判所に提訴することを決めており、これを受け中国水泳連盟も彼をサポートすると公言しました。
疑惑以降、競泳界では同じ表彰台に上がることを拒否されることも
2019年7月に韓国で行われた世界水泳で孫楊は2冠を達成しました。しかしクリーンなスポーツマンシップに反するとして抗議の意思を示した銀メダルのマックホートン(オーストラリア)は同じ壇上にのぼることも写真撮影も拒否し、他の選手も同様にするなど物議を醸しました。 8年間の出場停止が確定となれば28歳の孫楊にとっては事実上競泳選手としてのキャリアは終わると思われます。