虚偽申告で新型コロナウイルスを撒き散らす
1分でわかるニュースの要点
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新型コロナウイルス感染者の軽率な行動が問題視
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感染者の身勝手な行動が感染を拡大させた
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権利保護の観点から感染者の行動を止めるのは難しい
感染発覚後に飲食店を訪れた男性
3月4日、愛知県蒲郡市で50代の男性が、市内にある複数の飲食店へ「俺は陽性だ」と言って立ち寄る事件が起こりました。この男性はすでに医療機関に収容されています。 男性は先に感染の確認されていた両親と同居しており、4日の遺伝子検査で男性も感染していることが判明しました。保健所から連絡を受けた男性は、自宅待機要請を無視して、家族に「コロナウイルスをばらまく」などと話して出かけたようです。
副業のバイトを隠すために虚偽の申告をした男性も
3月8日、山梨県にあるセブンイレブンのアルバイト店員が、新型コロナウイルスに感染していたことがわかりました。アルバイト店員は60代の男性会社員で、本業の会社に副業を知られたくなかったことから、発覚が遅れました。 男性は2月21日、複数の感染者が出ている大阪市内ライブハウスのコンサートに参加し、感染したようです。男性は当初、具合が悪くなって自宅療養していたと説明していましたが、3月1日~5日にセブンイレブンに出勤していたことが後にわかりました。
自己中心的な考えが感染拡大を助長
新型コロナウイルスはくしゃみ・咳による飛沫感染か、接触感染でしか感染しません。そのため感染者が意識的に自宅待機やマスク着用をすることで、感染拡大を防ぐことができます。しかし感染者が自己中心的な行動を取ることで、多くの人が被害を受けてしまいます。
飲食店に行った男性は業務妨害の疑いで捜査
50代男性に立ち寄られた一部の飲食店は、行政から2週間の営業自粛要請を受けています。また従業員の30代女性1人に、新型コロナウイルスの感染が確認されました。 上記被害を受けた飲食店経営者は13日に蒲郡警察署へ被害届を提出し、同日受理されました。警察は今後、50代男性について業務妨害容疑で捜査していく方針です。
バイト隠しの男性は虚偽の申告で事実確認に時間を要す
山梨県の60代男性がPCR検査を行い、新型コロナウイルスの感染が発覚のは6日のことでした。男性は保健所に2月28日から自宅療養していたと説明しますが、実際には5日間セブンイレブンに出勤していました。 男性がここで副業隠しのために虚偽の申告を行ったことから、事実確認に時間がかかり、山梨県の対応に遅れが生じました。このためセブンイレブンでの接触者の確認や、来店客への呼びかけが行われたのは8日になってからです。
プライバシー保護と事実公表の線引きが難しく
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためには、感染者の行動を制限することと行動の把握が必要です。地方自治体の一部では、感染者の勤務先を公表することで注意喚起を行っていますが、これには賛否両論が出ています。 感染拡大防止の名目があるとはいえ、感染者にもプライバシーがあります。個人の権利を尊重してプライバシー保護を重視するべきか、感染拡大を防ぐために事実公表に踏み切るべきか、線引きの判断が非常に難しい問題です。