クルーズ船の乗客19人がICUに
1分でわかるニュースの要点
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クルーズ号の乗客19人がICUで集中治療
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搬送されたのは60歳から80歳代の男女
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乗客や乗務員は約2週間で船内隔離から解放
60歳から80歳代の男女
新型コロナウイルスにかかるクルーズ船問題では、乗客19人がICUで治療を受けています。その大半が60歳から80歳代の男女です。加えて海外に国籍を持つ人も含まれています。 こういった状況を鑑み、政府は高齢者などを優先して船内から解放することも検討していました。しかし、現場では検疫体制も確立されておらず時間だけが経過したのが実態です。 また船内の生活状況も逐次報告されてきましたが、専門家からは管理体制が行き届いていないとの指摘がなされていました。この状況が続いていれば、60歳から80歳代の人だけでなく若年層にも重症患者が出ていたでしょう。
持病などが影響か
一般的に60歳代から80歳代からの男女に多くは持病を抱えています。そのため、比較的軽微なストレスであっても持病が悪化する可能性は高まるといえるでしょう。 実際、クルーズ船から緊急搬送された患者の大半が持病を抱えていました。つまり、船内に隔離されたことが、過大なストレスとなり持病を悪化させたことは想像に難くありません。 なお、クルーズ船を利用した旅行者の多くは60歳を超えた高齢者です。すなわち船内隔離を行ったことは、極めてリスキーな判断だったといえます。
感染拡大が続くクルーズ船の初動は正しかったのか?
横浜港に停泊するクルーズ号には多くの外国人観光客も乗船しています。そのため初動の時点から海外メディアが日本の対応に注目していました。 したがって、船内の様子や新たな患者の増加が伝えられるにつれ、海外からは日本の対応を露骨に批判しています。しかし日本政府の初動対応は本当に間違ったものだったのでしょうか。
増え続ける感染者
クルーズ船が横浜港に停泊して約2週間が経過した時点で、400名を優に超える感染者が発覚しました。当初は数名であった感染者がわずかな期間に急増したことがわかります。 このことからも、船内の拡大防止対策が不十分であったことは間違いありません。もちろん、現場の乗務員や検疫官を責めることはできません。経験のない状況下で最前線に立って最善の努力を行ってきたの紛れもない事実です。 また乗務員や検疫官の中には自ら感染してしまった人も多く、むしろ功労者・被害者だといえます。問題は船内隔離を含めた対策を指示してきた政府、与党批判を繰り返すだけの野党であったといえるでしょう。
船内隔離は正しかったのか?
船内隔離は検疫法に定められており、今回の措置は法律に則って行われたものです。しかしこの法律の源流は1879年に施行されたものであり、その後改正は加えられたものの現状とマッチしていません。 また日本国内においてこれだけ大規模なウイルス性感染症が発生したことがなく、圧倒的に経験が不足していることも事実です。 したがって法治国家である日本が法に基づいた対策を行ったことは正当な対応だといえます。ただし、その対策があまりにも時代遅れで柔軟性に欠けていたことは間違いありません。
予定通りの隔離終了となるのか?
日本政府は船内隔離の期間を2週間としていました。この期間は概ね守られることとなり、乗客・乗務員は船内から解放されることになります。 解放されたことは喜ばしい事ですが、初動を含め多くの課題を残したのも事実です。とりわけ、従業員を含む全員の検疫に多大な時間を要したことは、ウイルスの拡散を助長したことは否めません。 新型コロナウイルスの猛威は止まる気配がありません。日本政府には、今回の事例を教訓に法律の改正や迅速な検査体制の確立に取り組むことが望まれます。