緊急事態宣言に揺れる教育現場。オンライン授業導入案も現実味は薄く対応を迫られる関係者。

緊急事態宣言に揺れる教育現場

1分でわかるニュースの要点

休校が伸びることによる問題点
教育現場が実践していることとは
オンライン授業の実態

政府が学校の一斉休校を4月に解除へ。まだ終息しきっていない現段階での解除に是非。安倍晋三首相は2020年3月20日原則として小中高学校の一斉休校を4月に解除する方針を示しました。一斉休校は3月2日から春休みまでを目処に全国的に実施されています。今回の方針は新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で明かされました。感染拡大は世界的に見ても終息していないことから、一斉休校の解除やイベント自粛の解禁について賛否両論が起きています。今回は解除された一斉休校の是非に迫ります。

全国的に学校が休校が長引く傾向に

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令された1都7府県の小中高等学校は休校延長の措置を行いました。安倍首相が全国の学校に休校を要請したのは2020年3月2日で、それから早くも1ヶ月以上が経過しましたが日々刻々と状況が変わる中、休校が長引くことが予想されます。

授業が行えないことによる学びへの影響

3月から5月の頭まで約2か月という期間に渡る休校は運動不足による体力低下などさまざまな問題があります。特に注目すべきは授業が行えないため学びへの影響が大きいことと教育の格差が生まれてしまうことです。緊急事態宣言の解除はいつになるのでしょうか。教育現場の問題が山積みです。

カリキュラムから大きく遅れをとる教育現場

義務教育の小学校と中学校では、文部科学省が定める学習指導要領があり授業の単元など細かく設定されています。高等学校も同様に年間で行う授業時間が決まっています。授業が行えないということは、年間のカリキュラムにも大きな影響を与えます。教育現場では休校時に実施予定だった授業時間の割り当てをどのように補填していくのか調整が今後の課題です。

一部地域の学校再開に批判が殺到。感染拡大の今優先すべきものは学びか安全か？新型コロナウイルスが未だに猛威を振るっている中、一部地域での学校再開の判断に批判が殺到しています。すでに若者にも多数の感染者が出ているため、自治体の判断に関わらず子供を学校に行かせない判断をする保護者も出てきています。

教材などを配布も家庭により環境の差は激しい

休校に対する対処として、自宅学習用の教材の配布を行う学校も増えています。しかし保護者がテレワークをできない家庭は学童クラブを利用するケースもあり、家庭により学習環境の差があります。教材の配布方法についても保護者が学校に取りに行くケースと教員が家庭に配布するケースがあり、地域によって配布方法にも違いがあります。

学校行事への影響も必至

1学期は入学式をはじめ学校公開や身体測定、家庭訪問に運動会を行う学校もあります。しかし新型コロナウィルスの感染予防という観点から、1学期の学校行事を中止又は検討する学校も増えています。学校に登校できない日が続く中、学校再開後の児童の活動に向けた対応も検討されています。

オンライン授業への障壁も多く

少しでも授業の遅れや学習意欲の低下を防ぐべく、インターネットを使ったオンライン授業も検討・実施されています。しかし実際に運用してみると障壁も多いということが分かってきました。どのような弊害があるのでしょうか。

大学などはオンライン授業で対応

大学は選択した授業に応じて自宅で学習が可能なためオンライン授業の実施を開始しています。オンライン授業は事前に授業を収録したものを配信するタイプと講師がライブで授業を行うライブ配信の2種類あり、どちらも通信費については学生側が負担することになります。オンライン授業を実施する大学では前期の授業をすべてオンライン授業とし、大学への立ち入りを禁止する学校もあります。

パソコンを所持していな家庭への対応策はなく

オンライン授業を受講するためにはパソコンやスマートフォンなどのIT機器を使用するため、対応する機器を持っていない学生は授業を視聴することができません。持っていない家庭や学生への対策にも問題点があります。オンライン授業はスマートフォンで閲覧できるものの、小さな画面を長時間見ることによる姿勢や視力への影響も懸念されます。