ケフィア事業振興会の破綻と出資法違反の疑いによる経営幹部の逮捕。オーナー商法の闇とは。

ケフィア事業振興会の幹部達が逮捕された容疑は出資法違反です。 出資法では銀行業務などの特別な場合を除き、預金のような形で不特定多数から元本を保証して資金を集めることを禁止しています（預かり金の禁止）。 ケフィア事業振興会のオーナー商法では、出資者には払った額が半年後に買い戻しという形で全額払い戻され10％前後の利回りも約束されており、出資法で禁止する預かり金として資金を集金していたと考えられます。

日本ではこれまでもオーナー商法にまつわる事件が複数起こっています。有名なものとしては和牛商法の安愚楽牧場事件と豊田商事事件があります。これらはどのような仕組みの商法だったのでしょうか。また何が事件を誘発したのでしょうか。日本のこれまでのオーナー商法の事例に迫ります。

安愚楽牧場が行った和牛商法の仕掛けはシンプルです。繁殖母牛にオーナーとしてお金を出資してもらい、その母牛が産んだ子牛が売れたらその売り上げから資金を環流してもらうという仕組みでした。 4％～7％の利回りが約束されたことから、何と全国7万3千人から4,200億円もの資金を集めました。 一時事業は好調のようにも見えましたが結果的には破綻し、出資金を配当に回すという自転車操業に追い込まれ、元社長らは特定商品預託法違反の罪に問われています。

豊田商事の手口は金の地金を使った現物まがい商法です。主に独居老人に対して地金を購入する契約を結ばせ、地金そのものは会社が預かることとし相手には現金と引き換えに証券を渡すやり方で金をだまし取りました。 被害者は全国で数万人に及び被害訴額は2,000億円近いとされています。強引に独居老人宅に上がり込み、甘言をようして巧みに信用させ契約を結んでいきました。なけなしの老後資金を奪い取る商法は世間の大きな非難を浴びました。 豊田商事の詐欺まがいの行為が社会問題化する中で、会長の永野一男がマスコミの目前で殺害される事件が発生したことでも話題を呼びました。