1分でわかる関越自動車道での逆走事故
関越自動車道の逆走事故について
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関越自動車道を逆走してきた軽自動車が対向車と衝突
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逆走してきた軽自動車の運転手は80歳の高齢ドライバー
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逆走の高齢ドライバーが死亡
関越自動車道の逆走事故の概要
(画像:Unsplash)
この痛ましい事故によって逆走車を運転していた津久井豊さんが死亡、対向車に乗車していた2名の男女がケガを負いました。 日中の見晴らしの良い高速道路上で、逆走事故はどのようにして起こったのかを詳しく解説します。
関越自動車道で80歳のドライバーの運転する軽自動車が逆走
2019年12月1日午後2時頃、群馬県渋川市の関越自動車道を逆走する1台の軽自動車が多数目撃されています。反対車線を走行していた目撃者が撮影した動画内には「(運転手は)おじいさんだった」「みんな避けてる」といった声も収録されていました。 現場は片側2車線の道路で、軽自動車は追い越し車線を逆走していました。どのような経緯で逆走をしたのかについては現在調査中ですが、おそらく一つ前のサービスエリアから出る際に出口を誤ったのではないかと推測されています。
4kmを逆走し、対向車と衝突事故を起こす
事故動画などから調査すると、軽自動車は関越自動車道を約4km逆走した上で対向車と正面衝突を起こしたものとされています。4㎞の距離を逆走し続けるという行為から、運転者の心身に何らかの問題があったのではないかと予測されます。 事故を起こした軽自動車は原型をとどめないほどの破損状態でした。目撃者の証言からは100キロ以上は出ていたといわれており、相当のスピードが出た状態での正面衝突にてかなりの衝撃であったことがうかがえます。
事故により80歳のドライバーは死亡、対向車の乗員は負傷
衝突された車に乗車していた女性からの通報で、事故は発覚しました。 この事故によって逆走した軽自動車を運転していた80歳の津久井豊さんは全身を強打し、病院に運ばれましたが2時間後に死亡が確認されました。 また正面衝突された対向車を運転していた74歳の男性は両足首を骨折する大けが、同乗していた72歳の女性は左手首を打撲する軽度のけがを負いましたが、2人ともに命には別状ありませんでした。 正面衝突をされた被害者の方々の命が助かったのは不幸中の幸いで、今回の事件は場合によっては大勢が死亡する大事故に繋がっていた可能性もあります。
関越自動車道で逆走をした津久井豊さん
(画像:Unsplash)
高速道路にて4㎞もの距離を逆走し事故を起こしてしまった軽自動車の運転手、津久井豊さんはどういった心身状態であったのでしょうか。 高齢ドライバーによる事故が社会問題化される中で、単独で高速道路を運転する高齢者の心情や背景にはどういった事情があったのでしょうか。詳しく見ていきます。
脳梗塞を患っており、右足に麻痺を抱えていた
津久井豊さんは群馬県渋川市に住む無職・一人暮らしの男性です。近所に親族が住んでいたものの、同居する家族がいなかったため、普段から津久井豊さんの心身状態を見守る人は少なかったといえます。 津久井豊さんは過去に脳梗塞を患っており、右足に麻痺を抱えていたといわれています。そのため日常生活にも不便は多く、移動の足として車は欠かせませんでした。 ただその病歴や高齢という事情からも運転能力を不安視する声も多く、これまでも何度も事故やトラブルを起こしていたといわれています。
周囲からは免許の自主返納や介護を受けるようアドバイスがあった
津久井豊さんは2019年の夏頃に橋の欄干に車を衝突させています。その事故をきっかけに以前の車から今回事故を起こした軽自動車に乗り換えています。 また運転中のガソリン不足によって、自宅の入口付近で運転不能になり立往生してしまうといったトラブルも発生していました。 こうした状況を見て、近所の人たちからは津久井豊さんの運転能力を不安視し、地元の自治会長より「介護をお願いして運転免許の返納をしたらどうか」と何度も助言を受けていたといわれています。