各地で広がるおつかいタクシー
1分で分かるニュースの要点
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おつかいサービスで常連客の取り込み狙う
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タクシー業界を直撃した新型コロナ感染拡大
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過疎化が進む地域で需要高まる
外出自粛にタクシーが買い物を代行
つつじ観光バスでは2002年から買い物を代行する「おつかいサービス」で顧客の取り込みを行っており感染拡大で外出自粛が長引く中、高齢者を中心に需要が高り売り上げに貢献しています。 政府は今月4日に主要都市で外出自粛期間を5月末日まで延長することを発表しており、おつかいサービスの需要は更に高まりそうです。
利用客減るタクシー会社にもメリット
タクシーの利用者は平時の4割減といわれており、外出自粛により、道路を走っても顧客を捕まえられず、「流し営業」では売り上げを伸ばすことが難しい状況となっています。 そこで積極的に顧客を掴みに行くおつかいサービスは、利用者減に苦しむタクシー業界にとって常連客増に繋げることができるメリットがあります。
新型コロナの影響が直撃するタクシー業界
政府は緊急事態宣言の延長を発表し外出自粛を続けるよう呼びかけています。新型コロナの拡大防止で大きなダメージ受けている飲食業界にとって苦しい経営が続くことになり、中でも接待に使われる銀座や六本木の飲食店は客足が途絶え夜間の割り増し料金を当てにしていたタクシーの売り上げにも影響しています。
外出自粛で売り上げは激減
政府は今月4日に緊急事態宣言の延長を発表し東京都や大阪府など感染拡大が収まらない13の都道府県を特定警戒地域に定め、引き続き感染拡大の対処地域とするとしています。 また県外への移動や接待を伴う飲食店の利用は全国で継続するとしており、送迎で稼ぐタクシーにとっては大きな痛手となります。特に夜間は料金が2割増しになるため、夜間に営業する飲食店の営業自粛は売上に大きく影響します。
大量の従業員を解雇したロイヤルリムジン
東京に本社を置くロイヤルリムジンは600名の従業員を一斉に解雇すると発表し話題となりました。同社の担当者によると新型コロナ感染拡大の影響による業績悪化を解雇の理由としています。 しかし、これは業績が回復すれば再雇用を約束する一時解雇であり、それまでは雇用保険の失業給付を使ってほしいと伝えてあるとしています。これに対して東京労働局は受給資格は認められないとしており物議を醸しています。
おつかいタクシーの価値とは
新型コロナウイルス感染拡大の影響や外出自粛の要請で注目を集めているおつかいタクシー ですが、新型コロナウイルス終息後も効果が続く可能性があるという見方もあります。 その背景には現代の社会問題である高齢化などが要因の一つとして挙げられます。
終息後に向けた宣伝にも
2002年からタクシーのおつかいサービスを続けているつつじ観光バスによると、ひと月の利用は1∼2件程度だったが新型コロナ感染拡大の外出自粛で需要が高まり、3月∼4月は7∼10件まで増えたとしています。 同社の小磯守正常務は売上増には直接ながらないが、感染収束後に常連客になってもらえることを期待していると語っています。
高齢者の多い地域などでは終息後も価値
全国的に過疎化地域が広がる中「買い物難民」と呼ばれる高齢者が増えています。国内データバンクの報告では2016年時点で700万人が買い物難民となっており、2025年には800万人にまで増えると予想しています。 こうした状況を背景に感染収束後もサービスの需要は続くと見られ、生活支援等を含めると1兆円市場になると分析しています。おつかいサービスはタクシー業界にとって大きなチャンスとなるかもしれません。