香川県でゲーム1日60分の条例成立
1分でわかるニュースの要点
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香川県が条例で子供のネットやゲームを制限
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議論の透明性に疑問の声も
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未来を見据えた本質的な議論が必要
18歳未満のゲーム・ネット依存を防ぐ狙い
香川県でゲーム・ネット依存症対策条例が可決・成立しました。この条例は18歳未満の子供のインターネットやゲームなどを制限するもので、ゲーム依存症対策に特化した全国初の条例です。 条例に関しては賛否両論がある中で、パブリックコメントに関する議論の不十分さなどの問題を残したままの議会議決でした。条例は4月1日から施行される予定です。
条例違反による罰則はなし
条例には県や保護者、通信事業者、ゲーム制作会社などの責務が明記されるとともに、「ゲームは平日1日60分まで」「午後10時以降はゲーム禁止」など具体的な制限も記されています。 条例では具体的な罰則規定は設けられていませんが、その具体的な制限規定などに対して条例案が公表されてからインターネット上で物議を醸していました。
条例の賛成が8割が超えるも
条例の審議にあたって香川県では一般に意見を求めるパブリックコメントによる意見聴取を行いました。条例に対する関心の高さから香川県としては異例の2600人を超える人からパブリックコメントが寄せられました。パブリックコメントの結果をどうだったのでしょうか。
県民は大方賛成も業界関係者は反対
パブリックコメントでは大方の県民は規制に賛成するという結果で、条例に賛成する人の割合が8割を超え9割に迫る勢いでした。保護者の危機意識が明確になった形です。 一方で県内外の団体や事業者からの意見では大半が条例の制定に反対で、寄せられた73の意見のうち賛成は1件にとどまりました。
パブリックコメント回答者の偏りの可能性も
このたびの香川県の条例に関しては議論の透明性に疑問の声があがっています。パブリックコメントの結果を議論する検討会メンバーに資料が渡されたのは検討会開催の直前で、その資料もとりまとめ結果でしかなく、コメントそのものは示されなかったとのことです。検討会の開催時間も30分という短さでした。 このたびのパブリックコメントはニュートラルな広範な立場からのコメントとはいいがたく、賛成の声をあげた回答者の多くは子供を持つ保護者です。保護者からすれば条例は子供からゲームを取り上げる錦の御旗になるため、どうしても賛成の立場に傾くことが予想されます。
ゲームやネットとの繋がりが大きい現代
現代社会はインターネットと切り離しては成り立ちません。今の子供達が社会人となった時に過ごす社会は、恐らく現在の大人達が想像することも難しい高速・大容量のネットが常識の世界です。 またゲームはもはや遊びの領域を超越して一つの文化となりつつあり、その傾向は今後も加速すると思われます。このような中で生きていく子供達にインターネットやゲームを制限することにどのような意義を見いだすべきなのでしょうか。
e-sportsの発展は著しく
e-sportsはコンピュータ・ゲームを一つのスポーツとして捉えたものです。欧米を中心に猛烈な勢いで広がりを見せており、世界的な大会も開催されています。 プロゲーマーの中には1億円プレーヤーも出てきています。対戦の模様はネットで中継され視聴者は4億人に迫るともいわれています。将来はオリンピック競技の一つになる可能性も否定できません。